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クリスマスは戦場です

11月を迎え、街にクリスマスの雰囲気が漂い始めました。家族や恋人と過ごす特別な日ですね

これは僕が初めて働いた街のケーキ屋さんのお話

今から19年前まだ働き方も何もない職人気質が溢れていた最後の時代。

朝は5時から夜は22時位まで30分の休憩で働き、休みは定休日の月4回だけ

そのお店は売れに売れ、毎年爆発的に売り上げを伸ばし本店を別の場所に移すほどに

そこからも順調に売れていき震災前の年はクリスマスケーキの予約が7000台入りました。ちなみに僕らは工場ではないので全て手作りです

23日にクリスマスイヴの準備から24日に販売のケーキの仕上げと1番忙しい日なのですが、その年の23日は23:30に仕事が終わり、24日は0:30に出勤となりました

流石に笑いました。聞き間違えかな?終礼の静まり返った雰囲気で本当なのだと悟ります。

でも、そこのシェフは本当に素晴らしい方なので7000台だけど一つ一つ恋人や大切な人に作る気持ちで作りなさいと言われました

今、思い出しても辛い事は不思議と忘れているんですよね。やりきった達成感というか…今でも昔の仲間に会うとあの時大変だったけど頑張ったよね、という話になります

今は働き方改革でそんなお店はほぼありません。それでいいと思ってます

あの時僕は若かったし、体も大きく体力があったのでできました。でも体を壊して辞めてく仲間も沢山見てきました

それでも大変だったけど、心を込めて作ったケーキは多くのお客様の記念日の力になれたと自負しています

あの時代にパティシエで入れた事は幸せだったのだと思います

今はクリスマスがあまり忙しくない職場で働いています

ですが結局知り合いに声がかかり、毎年、出勤前の朝方にクリスマスケーキを作ってから仕事に向かっています

大変だった戦場なのに結局僕は戻っています。仲間と大変な状況を、困難を乗り越えワイワイ楽しむのが好きなのだと思います

クリスマスは戦場です。てすが僕には大切で思い出の戦場なのです

皆様に楽しく笑顔の溢れる聖夜が訪れますように

僕らのケーキが皆様の記念日を彩れますように





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