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いかに得点圏にランナーを進めるか?

野球で例えるなら、いかに得点圏にランナーを進めるか。

ビジネスの現場では「得点圏」が分かりやすく示されてるわけでもないし、そもそも「得点」って何だよ?というツッコミもありそうだけど、なぜ、こういうメタファーで考えたりするのかといえば、野球でも「犠打」とか「進塁打」ですよね。得点圏にランナーを進めるために、1つアウト犠牲にするとか、ヒットは出なくても最悪ランナーを進塁させるための右打ちとか。ビジネスにも犠打や進塁打はあると思ってるわけです。

僕が「成果主義」や成果で全て評価すべき、みたいな評価制度に疑問なのは、ビジネスでの「犠打」や「進塁打」は野球のように分かりやすく可視化されないし、因果関係が明確じゃなかったりすることも多いんで、「得点=成果」だけで切り取ると、そういうものがすっぽり抜け落ちてしまうんじゃないの、と疑問に思ってるからです。ヒットやホームラン打って、打点をあげたやつだけを評価して、犠打や進塁打や、四球で塁に出たとか、そういうものを評価しないのはおかしいと思うんですね。

だから、僕がビジネスで意識してるのは皆で如何にして得点圏にランナーを進めるためのあれこれが出来るかです。つまり「チャンス」を増やす活動です。チャンスを増やすと言ったほうが簡単に理解できそうなんですが、「チャンスを増やす」という活動にも「犠打」や「進塁打」みたいな、ある種の犠牲や見方によってはマイナス(野球で言えば、1アウト)を覚悟してでもやらないといけないこともあるので、あえて「得点圏にランナーを進める」というメタファーで考えてます。

得点圏にランナーがいても、得点できないことはいくらでもあるじゃないですか。でも、ヒットが出た時に得点できる可能性を広めておくことは重要ですし、その局面で得点が取れなかったら、犠打や進塁打を担った人が評価されないでは、ちょっとやり切れないというか。得点しか評価しない、ってなると、極端に言えば、全員ホームラン狙いになっちゃいますよね。

傍からは、僕らが全然儲かりそうにないことをやってるように思われることは、僕の中では、大抵、得点圏にランナーを進めるための活動として捉えてたりします。SNSとかも、直接、得点上げることを期待してるわけでもないですしね。

こういうnoteを書いたり、twitterやったり、みたいなことも、それで直接得点をあげることは出来ないけれど、これは得点圏にランナーを進めるための活動みたいなものだと、僕は思ってます。

2020年の年明けからのコロナ禍の状況で、ビジネス的にはけっこう大きいダメージを受けたんですね。

なにせ2019年12月まで売上の20%を占めてた中国市場での展開が、2020年1月~4月まで0になったんです。ちなみに2020年は対前年で中国向けは80%減です。

そんな中で、僕は外にも行けないし、あまりやれることもないということで、ひたすらnoteを書いてたり、twitterに投稿したりしていたんです。昔、書いたブログを再編集してnoteの方に移行してりすることも含めて、とにかく週に2~3本の記事を上げてました。

ビジネスが大変な時に、社長が何をやってるだ、と思われたたかもしれないですが。一応、銀行の緊急融資も受けて、キャッシュ面の手当で出来ることはやったので、自分が出来ることは少しでも木村石鹸のことを知ってくれる人が増えるような活動ぐらいだなと思ってたわけです。

結果、noteの記事を見てくれて、ICCの小林さんが連絡してくれ、2020年のICC京都に参加させてもらうことになりました。ICCでは本当に多くの素敵な人達との出会いがありました。多分、誘われなかったらICCに参加することはなかったと思うし、これはnoteのお陰です。

また、僕のツイートが面白いからコラムにしたほうが良いよ、と、しおたん、こと塩谷さんが声をかけてくれて、編集や校正までしてくれるという恩恵にもあずかりました。そのnoteは本当に沢山の人に読んでもらうことが出来ました。さらに、塩谷さんが、12/JU-NIシャンプーを愛用頂いてたことと相まって、当時、まだ一般の発売開始したばかりの12/JU-NIの認知を一気に広めるキッカケにもなりましたし、12/JU-NIがヒットしたことで、コロナのピンチを乗り切ることも出来たわけです。

こういったことは、計画したことでも予想してたことでもなかったんですが、とにかく「得点圏にランナーを進める」ために、自分が出来ることは何だろうと考えて取り組んだことの一つです。

ヒットやホームランを狙う、得点を稼ぐことが役割の人は組織には当然、必要ですが、そのヒットでの得点確率を上げる、ホームランでより多くの得点を得る、そういったことのために出来ることは沢山あるし、社員全員が今の局面を見て、「よし今の自分の役割は四球だろうが何だろうが、なんとしても塁に出ることだな」とか、「最悪でもランナーを進塁させて次に繋げるぞ」とか、そんな気持ちを持って仕事に取り組めたら、多分、その会社はゲームに勝っていけるんじゃないかなとか。そんな妄想を巡らせてるわけです。

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