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青山ブックセンターでの木村石鹸の選書コーナーについて

実は、1月中旬から、青山ブックセンターで、木村石鹸の選書コーナーができてます。木村石鹸が選書した20冊と、木村石鹸商品を並べてコーナーを作って頂いてます。

こんな素敵な機会と場を提供頂いた青山ブックセンターさんにはすごく感謝してます!

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実は、当初は、掃除や家事に関連するものと、木村石鹸の経営で参考にしてるものなどを中心に選んでたんです。

掃除のHowto本とかね、片付け法とか、気持ちいい暮らしの作り方とか。経営なら、僕自身が影響を受けたセムコ社や、サウスウェスト航空の本とか。

それらをいくつかのジャンルに分けて、整理してたんですが、なんか面白くないなぁと思ったんですね。というか、木村石鹸っぽくないなと。

勝手に、自分の中での木村石鹸像みたいなのがあって、それが木村石鹸を知ってる世間一般の人達の像と同じかどうかは定かではないんですが、自分が考えてる姿や、目指していきたいものと、この選書は違うんではないかと感じたんですね。

自分たちが考える生活の愉しさとか豊かさみたいなものって、howto本とか、ビジネス本の世界じゃないな、と。それを分かりやすい言葉で説明できないんですが、でも、説明できないからこそ、選書に意味があるんじゃないかと思ったんです。

選んだ本を通じて、自身が考える「木村石鹸らしさ」みたいなものがそれとなしに伝わるといいな。そう思ったんですね。

で、テーマを「日常ワンダーランド/もっと生活が愉しくなる」と設定してみました。木村石鹸が考える日常とか生活の愉しさとか、そういうものを、この選書を通じて伝えようと。

選ぶ時に、決めたのは自分が読んだり手にして、本当に好きで、何度も何度も繰り返し手に取る本から選ぶということです。テーマに合致しそうな、それっぽい本を検索してきて当てはめるのではなく、自分が好きで好きでたまらないものに絞ることにしました。

もう1つは、なるべく幅広いジャンルから選ぶということです。小説だけでなく、写真集や漫画、コラムなど、特定のジャンルだけに偏らないようにしようと。(本当は、詩とか短歌みたいなジャンルも選びたかったんですが、、、今回は入れることできませんでした)

選書ってホントに難しいですね。最初に思いつくものをピックアップしていったら50冊ぐらいになって、それを絞り込んだり、絞り込んでるうちに、あ、これあったなと思いついたり、そんなこんなを繰り返して、最終的に決まったのが以下で紹介してる20冊です。

人によって、なぜ、この本が「日常ワンダーランド/もっと生活が愉しくなる」なの?と思うものも、きっとあるでしょう。

でも、僕の中では、どの本も「日常」に関係してるんです。1つ1つ説明するのも難しいのですが。

これらの本を読んだ後、これらの写真集を見た後では、何か世界の見え方が変わる、「日常」が少し不思議な空間への変貌する。そんな体験をもたらしてくれるような本ばかりです。その意味で、これは「日常ワンダーランド」というテーマにぴったりな20冊なんです。

3月ぐらいまではやってますし、木村石鹸の色んな商品も購入できますので、ぜひお時間あったら、青山ブックセンターまで足を運んでもらえると嬉しいです!

●日常ワンダーランド/もっと生活が愉しくなる

TOKYO STYLE/都築 響一
ソフィスティケートされてない生々しい生活の豊かさ。

未来ちゃん/川島小鳥
誰もが未来ちゃんの無邪気さに心奪われる。天真爛漫とはまさに未来ちゃんのこと。

small planet―本城直季写真集
この世界の箱庭的不思議さ、愛おしさ。少しこの世界が好きになる。

銭湯図鑑/塩谷歩波
銭湯に行きたくなること請け合い。生活に銭湯を!

吉祥寺だけが住みたい街ですか?(1)/マキヒロチ
マキヒロチ的街の魅力再発見。紹介された街に住みたくなる!(もちろん2巻以降も面白いよ)

6月31日6時30分/寺村輝夫 作 安野光雅 画 (著)
私達がいかに無意識に「当たり前」の世界に慣れてるかを教えてくれる。
かなり怖い絵本。

プレーンソング/保坂和志
何も起きない生活。普通の人達の日常がどうしてこんなに面白いのか。

挟み撃ち/後藤明生
失われし外套を求めて。

移動祝祭日/ヘミングウェイ
パリに暮らしたこともないのに、遠き日のパリの生活にノスタルジーを感じさせてくれる。

哀愁の町に霧が降るのだ (上)(下)/椎名誠
モラトリアム的生き方のバイブル。昭和軽薄体と呼ばれる文章も、今読むとすごく現代的。

ポロポロ/田中小実昌
近そうで遠く、浅そうで深い。思索の愉しさ。

中国行きのスローボート/村上春樹
ハルキストからも人気の「午後の最後の芝生」収録。どの短編も村上春樹のエッセンスが凝縮された素敵な短編集。

さようなら、ギャングたち/高橋源一郎
これは詩なのか文学なのか。80年代ポスト文学の可能性の地平を切り拓いた一作。

四畳半神話大系/森見 登美彦
無数にある「ありえたかもしれない」世界-僕らはその中のたった1つしか選べない哀しさ。

流しのしたの骨/江國香織
少し変わってる素敵な家族のストーリー。どんな家族も皆どこか特別なものがあるはず。

鍵・瘋癲老人日記/谷崎潤一郎
人の視線を意識した日記の奇妙さ。表題作「鍵」の倒錯性。

アルケミスト 夢を旅した少年/パウロ・コエーリョ
どんな自己啓発本より、この小説を読むほうがいい。何度読んでも発見や気付きに満ち、元気を貰える。

ものぐさ精神分析/岸田秀
文化や思想や国家や歴史ーあらゆるものを精神分析の対象として捉えて解釈。
 
インターネット的/糸井重里
まさに予言の書。糸井さんの洞察の鋭さ。今読んでもなお新しい。

幸福について/ショーペンハウアー
幸福論は数あれど、一冊だけ選ぶならこれかなぁ。


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