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一流、二流、三流の違い

あるイベントで、あの小惑星探査機「はやぶさ」のプログラムディレクターを務めた川口淳一郎さんの講演を聞く機会があった。

はやぶさと言えば、世界で初めて小惑星から表面物質を持ち帰るという偉業を達成した小惑星探査機であり、そのプロジェクトの名称だ。この感動のプロジェクトは、映画にもなってるので覚えてる方も多いだろう。

川口淳一郎さんは、講演の中で、誰もやらないことをやることの意味、自分たちですべて考え、どこかから借りるでもなく、真似るでもなく、すべてオリジナルで1から考えて生み出すことの意義を熱く語っておられた。

そして、困難に立ち向かうこと、新しいことに挑戦することの素晴らしさを伝えられていて、僕自身も胸が熱くなったことをよく覚えている。

この講演の中で、川口さんが仰ってた言葉はいくつも心に残ってるのだけれど、その中で、なるほどなと思った指摘がある。

川口さんは、一流、二流、三流の人の違いをこんな風に仰っていた。

三流は、心配していたことが起る
二流は、予想してなかったことが起る
一流は、なにも起きない

そして、注意しなければいけないのは、「一流」の人には、何も起きないので、評価されないことがある、という指摘。

確かに。

評価されるのは、案外、「二流」だったりするのは、「予想してなかった」にせよ、何か問題が起きれば、それは目に見えてわかる。その問題に懸命に立ち向かい、問題を解決すると、その人は「凄い」「偉い」「よくやった」なんてことになる。

これ、どこの企業とか組織でもありがちじゃないだろうか。

もちろん問題に対処して、解決したということを評価するなということではない。しかし、見落としてはいけないのは、「一流」の人を見落としてないかというところだ。
「一流」の人は、すべてを事前に対処していて、何も起きないわけだ。だから気づかなかったりする。それが当たり前のことのように思ってしまったり。

二流や三流の人が手がけていたら、問題になったりするようなことも、一流の人がやれば、何も起きないので、プロジェクトが簡単だったとか、お客さんが恵まれていたんじゃないかとか、そんな風に見えてしまうことがある。本当にそうか。その人がどんな準備をし、どんな対策をして、どんな風に振るっていたか、どんなところに注意を払っていたか、ちゃんとそこまで見て、きちんと「一流」の人の「何も起きなかった」仕事も評価しなければならない。

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(この記事は、2011年8月に自身のブログに投稿したエントリーをnoteに再編集して移行させたものです)

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