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競合を気にしすぎることの危険

商品を開発したりしてると似たような他社商品は気になるわけです。

で、気づいたら、色んな他社商品を見て、ここはこれが特徴か、あそこはああいう売り方をしてるのか、ここはこんな仕掛けか、と調べてしまって、色んなことが見えてきてしまうんですね。

色んなものが見えてくればくるほど、自社商品のユニークさみたいなものが分からなくなってきて、うーん、性能も価格も知名度も勝てないなぁなんて、疑心暗鬼に駆られたりするわけです。

そういうことを繰り返して、他社商品に勝とう、他社商品より上を行こうとして、追加機能や要素を加えていったり、こんな価格では厳しと、競合の価格に近づけたり。

で、結果的に、ものすごーく凡庸で、沢山の要素がてんこ盛りだけど、何も面白みのない商品が出来てしまうんですね。

こういうの意外と多い気がします。他社商品を分析すればするほど、そのカテゴリーを調べれば調べるほど、似たようなありきたりの商品に近づいていくという失敗。そう、もう他社と比較したり、調べたり、そういう行為自体が、他社商品と同じ次元での戦いに自ら首を突っ込んでるということなんですね。

だから、僕は、若い子たちには、あんまり他社の商品を調べすぎないようにって言ってます。よくあるチャート表とかマトリクスみたいなの作って、そこに他社商品を当てはめて、他社が〇×△〇〇なのが、自社は、〇◎〇〇〇です!みたいなのとか、空いてる象限を指して、自社が狙うポジションはここです!みたいなのとかね。

ああいうものは必要ないんじゃないかと。分析的にアプローチすればするほど、分析対象となる商品やカテゴリーの罠に絡めとられてしまうわけです。

ああいうものは、大きい組織で利害関係者が多く、何かの取り組みにすべて「理由」や「承認」が必要な時に仕方なしに作るものなんじゃないですかね。

競合調査の前に、まずやるべきことは、徹底して自分や身近な人と向き合うことかなと思います。それは自分が欲しいものかどうか。自分が使い続けたいものかどうか。自分がどんな気分や気持ちになりたいのかとかね。まずはそこを突き詰めたほうが面白いものが生まれやすいんではないでしょうか。

競合との比較では、マイナスやデメリットになるようなことが、実はどうでも良いことだったり、むしろユニークな特徴になってしまうことだったりもありますしね。

本当に自分が欲しいもの、身近な人が満足できる物が作れたら、多分、僕らのような零細企業であれば、ビジネスになりえる数のファンは獲得できるんじゃないかと、なんの根拠があるわけでもないですが、そう考えてます。

で、仮に売れなかった、あんまり支持されなかったとしてもね、自分や身近な人に向き合って開発した商品だったら、最後まで、僕は/私は、この商品のファンなんだ、と言えると思うんですね。というか、そう言って欲しいし、そう言える商品を作って欲しいなと思ってます。

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