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12/JU-NIメンバーシップの開始と定期購入の問題について諸々想うところ

やっとこさ、12/JU-NIの新タイプ「さらさらタイプ Type-B」の発売を開始できました。お待たせして申し訳ないです。元々の「しっとりタイプ Type-A」がイマイチ合わなかったなという人には、是非試して頂きたいです。

また、12/JU-NIシャンプー未経験という方にも、Type-A、Type-Bの両方が入ったトライアルセットもご用意してます。両方試してみて自分の髪に合う方を選んで頂ければと思います。

皆さんの髪の悩みが少しでも楽になりますように。

12/JU-NIメンバーシップ定期便の本開始

先日から、12/JU-NIの定期購入サービス「12/JU-NIメンバーシップ定期便」を開始してます。当初は、300名限定で運用してきました。定期購入は、運用してみると色々問題も出てきて、それらの中で優先度の高くて、システム的に対応できるものに対応したり、そんなことをやりつつ、ブラッシュアップして漸く、先日、本スタートしました。

12/JU-NIメンバーシップは、12/JU-NIを本当に気に入ってくれていて、継続的に使っていきたいと思って頂いてる方のためのサービスです。

このサービスのために、既存の様々な定期購入サービスを調べて、自分たちなりに、今、定期購入のスタンダードになってるものへの問題や疑問点を感じながら、自分たちなりに、ユーザーにとって価値ある定期購入はどういうものかを考えて設計していきました。

12/JU-NIの定期便サービスが、完璧なものだと言うわけでもなく、まだまだサービス面や使い勝手など、改善しなければならないところは多々あります。利用者にとって不便な側面もあると思います。

ただ、今回、様々な定期購入のサービスを調べていく中で、さすがにその方法は良くないんじゃないのと思うものが結構あって、そんなやり方してたら、定期購入全般へのイメージも悪くなるし、是正していく必要はあるんじゃないかなと強く感じたわけです。

定期購入の問題について、少し思うところを文章にしてみます。

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随分前から通販の定期購入についての問題については語られてきたけど、その被害は一向に減ることなく、むしろネット通販の伸長に相まって増加傾向にあるようです。昨今のD2Cブームみたいなものも、そこに拍車をかけているのではないでしょうか。

こんなツイートをしたら予想外の反響があったんですが、多分、一度二度、所謂「定期購入の罠」にハマった経験がある人が多からだろうと思います。

定期購入で問題だなぁと思うのは、「初回お試し」と謳ってかなり安価な価格(あるいは「無料」)で新規客を獲得する手口です。「お試し」と思って申し込んだら、申込者本人には気づけないような小さな字で、複数回申し込みの契約の注意が記載されてる、しかも、キャンセルするにはお試し価格を遥かに超えるキャンセル費が発生する、そんな詐欺紛いの手口が普通に、というかかなり一般的になされてたりします。

この手の定期購入に知らず知らず契約してて後日、予想もしなかった高額請求が課されるわけですが、そんな被害に遭う人に対して「やる方も悪いけど、説明きちんと読んでない方が悪い、そんなおいしい話があるわけがない」と批判する人もいます。

でも、僕はそれはどうなのかなと思うんですね。

被害に合う方も悪い? いやいやそんなことはないのでは?

上で引用したツイートにも書きましたが、そもそも定期購入は、本来その商品を気に入ってて継続的な利用をしたい、欠かしたくない、そんな要望に対応する購入方法の選択肢なんじゃないかと思うんです。

なので、利用したことのない商品で、いきなり利用者が知らないうちに定期購入の契約を結ばされてるというのは、申込者側の不注意云々の前にそもそもサービスの組み立てがおかしくないか、と思うんですね。

お試しという言葉も変です。

「お試し」って、普通、その商品が自分に合うか合わないかを判断するためのもので、より高額な本商品の購入に進むかどうかを決めるためのものです。その「お試し」の申し込み時に本購入や複数回購入ができてしまう仕組みやカラクリもやっぱりサービスとして疑問が残るんですね。全然、ユーザーのこと考えてないやんと。

もちろんすべてのD2Cやネット通販会社がそうだとかは全く思ってなくて、素敵な会社・ブランドも沢山あるんですが、一方で、この詐欺紛いの定期購入をベースとして、一気に成長を加速させてる会社やブランドもチラホラ見かけるわけです。そういうところのほうがメディア等にもよく取り上げられるし、目立つんですね。テック系のスタートアップなんかと同じような指数関数的な成長カーブを描いてて、それをグロースハックの成功事例なんて賞賛されたりしてるわけです。

ビジネスとして定期購入モデルが優れてるところ

定期購入の中が良いかって言うと、認知度が低くても、ブランド力がなくても、とにかく①新規客獲得と②会員離脱阻止を徹底してやると、売上は分かりやすい右肩上がりの直線を描くことができるってところじゃないかかと思います。

通常の店舗への配荷での卸販売や、直販での都度販売では、どうしてもセールスや外的環境などで売上には波が出ます。でも、定期購入の場合は、解約さえ防止することができれば、新規獲得分がそのまま座布団で売上に積み重なっていき、下がることはありません。解約数を新規獲得数が上回ってる限りは売上は伸びていきます。そして、①新規獲得も②会員離脱防止も、どちらも細かい指標をすべて数値で管理できます。目標が立てやすく、また、改善サイクルも回しやすいですね。所謂「ストック型ビジネス」なので予算などの計画も立てやすい。

そうすると、投資家とか銀行受けも良いわけです。トップラインが力強く伸びてれば、多少赤字が先行してようが、将来の算段は立てやすい。たいていは最初は膨大な広告費で赤字になってると思いますが、ストック収益分が一定ラインを超えたら、広告費をコントロールすることで一気に単黒にすることができたりします。

でも、本来、定期購入はすごく難しいビジネスなんじゃ...

でも、定期購入って、本来は、とにかく新規獲得が難しいビジネスのはずなんです。契約したら長期間その商品やサービスを使い続けるということが前提なので、当たり前ですが、消費者も慎重になりますよね。自分が余程気にいったものじゃないとなかなか定期購入には手を出せないはずなんです。

なので、普通の定期購入は、まず、認知度を獲得しないといけないし、お試し利用をしてもらって納得してもらわないといけないし、ブランドイメージも良くないといけないし、と、かなりハードルが高いビジネスです。時間がかかるビジネスです。

新規獲得がすごく難しいけど、それが徐々に積み重なっていくことで、ビジネス的には安定もしてくる、本来はそういうビジネス...だったはずだったと思うんです。

今の定期購入モデルはハックしまくり

でも、これをハックする連中がいたわけです。ハックすることは別に悪いことでもないんですが、ただ、やり方がエスカレートしていくと、違法ではないけど、真っ当でもない、かなりグレーみたいな手法が横行してきてます。

広告をバンバン使って「安価なお試し」で興味を引く。定期購入と思わせるとハードルが上がるので、とにかくお得な「お試し」に見せることが重要なわけです。これならブランド力がなくても、認知度がなくても成立します。

当然、広告よりも、SNSアカウントでインフルエンサーがおススメする方が試してみようかなとなりやすいので、ギフティングが人気です。最近知ってびっくりしましたが、ギフティングで謝礼一万円とかあったり。指定した写真載せて、運営がチェックして確認取れれば一万円。もちろん、その依頼DMには、ちゃんとPR表記をつけることと注意されてます。この辺はステマにならないような配慮です。でも、極端に言ってしまえば、投稿するだけで一万円貰えるわけです。レギュレーションはどうなってるか知らないですが、商品のこと悪く紹介する人はいないだろうなと思うんですね。運営がチェックしてOKなら掲載、謝礼という流れですし。

そういうインフルエンサーには、当然、いくつもの企業から同じようなオファーが届くでしょう。企業の指示通りうまく紹介していれば、印象は良いでしょうし。インスタの投稿の大半がPRの人とかいますけど、なるほど投稿だけで一万円とか、その水準の金銭が発生してるなら、そうなっちゃう人もいるわなぁという感じです。

実は、当社にもInstagramでフォロワー5万人以上のインフルエンサーがいますが、その子にも沢山のギフティングやPRオファーが届くそうです。

ギフティングもルールの範囲できちんとやる分には全然問題ないと思います。しかし、中にはギフティングという体裁を取ってるけど、内実はほぼステマの依頼みたいなのも少なくはない印象です。

気付けばある瞬間から、タケノコのように同じ商品を紹介するインフルエンサーがわんさと登場し始めます。

お試し購入、申し込みページも巧み作られています。「お試し」と思わせながら、一方で複数回購入の縛りがあることはきちんと説明しておく必要があります。でも、できればそちらにあまり意識を向けて欲しくない。この辺は認知科学とかその辺の知見とかノウハウも生かされてたりするんじゃないでしょうか。

解約にもキャンセル料がかかる。しかも、解約は電話のみで基本繋がりにくい。解約タイミングも、今回申し込みの●回数分が終わってから、次の契約が実行せるまでの期間しかできなかったり...  とにかく解約のハードルが高く、面倒くさいよう、解約自体を失念してしまうよう設計されてたり。

電話が繋がっても、解約防止スクリプトでうまく引き止められてしまう人もけっこういます。この辺のノウハウも色々体系化されてます。

商品を愛用してようがしてまいが、愛着があろうがなかろうが、会員継続していれば、運営側はずっと収益を上げることができます。

なので、商品を磨いていくとか、愛用している人との関係を大事にしていくとか、そういう数値化しにくい読めないことよりも、とにかく効率よく新規会員を獲得して、どんな方法を取ってでも解約率を減らす、という、その領域の技術やノウハウみたいなものの方ばかりを磨いていく、洗練させていく、ということに陥ってしまいがちなんではないかなと。

つらつら書いてきましたが、個人的には、ECも定期購入も便利だし、もっと良くなっていって欲しいなと思ってはいるんですが。ただ、今、普通の人の「定期購入」へのイメージって、あんまり良くない人が多いですよね。過去に騙された経験が少なからずあったりで。

12/JU-NIの定期便サービスはどうなってるか?

12/JU-NIでは、まず、「お試し」と「定期購入」は切り分けています。

お試しから、そのまま定期購入に進めるほうが便利だという方も多いとは思いますが、僕らは完全に切り分けています。定期購入は、自身の意思で、納得感をもって申し込んでもらいたいと考えてるからです。

なので、お試し利用者の方に強引に定期購入への加入を勧めることもしませんし、他でよくあるような引き上げ施策もしてません。もちろん、解約時の引き留めもしません。

12/JU-NI定期便サービスでは、他がよくやってるような「回数縛り」はありません。1回だけ定期便で購入、みたいなこともやろうと思えばできます。休止・ストップはマイページ上から可能です。いちおう次回出荷の何日前までという縛りはありますが、これはシステム処理上仕方ないものです。

また、商品の購入スパンもかなり柔軟に設定できます。毎月/2ヵ月毎/3カ月毎で、指定日にお届けする、曜日で指定する、間隔で指定するなど、最長150日間隔での設定ができます。

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(様々な条件でかなり柔軟なお届けタイミングを設定できる)

この辺の柔軟性を上げることで、使い切れない商品が貯まってしまう、みたいなことが起きないようにしたいと思ってます。消費量が減ったら少し休止頂くでも構わないですし、ご自身のペースにあわせて次のお届けをずっと先に指定するということもできます。

ここまで柔軟に設定できる定期便のシステムは、あまりないと思いますが、この辺は僕らがかなり拘ったところでもあります。

利用回数によって変わっていく特典

12/JU-NIの定期便は、利用回数によって特典が変わっていく仕様になっていて、定期便での購入回数が増えれば増えるほど、商品自体の割引率も大きくなってきます。

また、単に割引が受けれられるだけではなく、例えば、開発中の商品のお試し版が提供されたり、利用回数に応じて、木村石鹸の他商品をプレゼントしたりと、定期便のメンバーになっていると、色々愉しみがあるようにしてます。

最近だと、先日発売した「12/JU-NIのType-B:さらさらタイプ」は、いち早く試作段階のものを、定期便メンバーにお届けさせて頂いたりもしてました。今後も、開発中商品のモニター等、定期便メンバーに展開していければと考えてます。

対応できてないところ、これからの改善

まだ、対応できてないところとしては、今はシャンプーとコンディショナーのセット品しか対応できてません。

シャンプーとコンディショナーで、それぞれ使用量、減り方が違うので別個にお届け間隔を調整したい、というような声は頂いてます。今はそれが出来ないので、少し面倒な方法ですが、定期便利用者の方が、弊社の本店や楽天店で、シャンプーやコンディショナーを別で購入された場合でも、そのことを専用フォームから申請頂ければ、定期便の購入回数としてカウントアップする、という処置を取らせて頂くようにしてます。

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(こんな風に案内させて頂いてます。)

12/JU-NIも定期購入サービスを始めたばかりですが、実際、定期購入のサービスが欲しいという声はずっとあって、使い続けたいと思って下さってる方にとっては、定期購入があることは、すごく便利なんだろうと思います。

せっかく定期購入に申し込んでくれた人が、嫌な思いをしないようにだけはしたいなと思ってます。まだまだシステム的にも、オペレーション面も、改善しないといけないところは多数ありますが、より魅力的なサービスになるように頑張っていきます。 引き続きよろしくお願いします!

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