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ネガティブ誇張ポジティブ矮小化の人

ネガティブな話は拡大したり誇張して、ポジティブな話は矮小化する、そんな人いますよね。僕も過去そういう人に大変苦しんだ経験があります。

人から聞いた話や、あるいはちょっと見かけたシーンとかから、ネガティブな要素だけを引っ張ってきて、そのネガティブな要素をわざわざ拡大したり、そこに独自の解釈だとか見解を付与することで肥大化させたりね。
こういう人です。ここでは「ネガティブ誇張の人」と呼びます。

例えば、Aさんが何かミスをして上司に怒られたとします。Aさんはその話をネガティブ誇張の人に話すわけです。その時にAさんは「かなり厳しく怒られて、精神的にもきた」みたいなことを言ったとします。もちろん厳しく叱られて、それはこたえてはいるけど、「精神的にもきた」はあくまでも話の流れのあやで、本人は怒られた原因は自分にもあるし、特段、上司に対して悪い感情を持ってるわけでもない。そんなことも話の中ではしています。

ところが、これを聞いたネガティブ誇張の人は、「厳しく怒られて、精神的にもきた」というところだけを拡大して取り上げます。その上司はほぼパワハラだ、人を精神的に追い込んでいく。Aさんは精神的に参ってもう会社辞めたいと思ってる、なんて具合に勝手に尾ひれ背びれをつけて話を誇張してしまう。そして、そんな誇張されたストーリーを他の人に勝手に広げていくわけです。

その上司は厳しくて有名ですが、とにかく責任感は強く、仕事への情熱も熱い。その仕事への情熱が、てきとうなことをした部下への怒りとして出てしまったりすることがある。でも、仕事はすごく出来るし、たまに怒り方がやや過剰になってしまうことはあるとしても、決して人格的に問題があるような人物ではない。一緒に仕事をした人はそんな風に感じてる人が多い。

でも、ネガティブ誇張の人が、その上司の話をする時には、ポジティブ要素が盛り込まれることがほぼないわけです。ポジティブ要素はむしろ矮小化され、縮小されて扱われてしまう。そもそもネガティブ誇張の人は、その上司のことを大して知らなかったりします。よく知らないけど、人から聞いた話の中のネガティブなところだけを取り上げて培養して、勝手にその人のイメージをつくりあげる。

そんな風にして、ネガティブ誇張の人が、上司のネガティブ要素を誇張して伝えていくことで、その上司のことを良く知らない人、直接仕事をしたことがない人たちの中で、変に歪んだ、ものすごくネガティブな上司像を出来上がってしまうのです。(念のために。上の話は架空の話です。ネガティブ誇張ポジティブ矮小化の人は過去に経験したことはあるので、そういう人の言動から、架空で話を作ってるものです)

ネガティブ誇張の人が、ところどころにいる組織は、色んなところでネガティブな要素だけがどんどん肥大化してるので、スタッフの中でも色んなネガティブ話が広がってて、気づいたら、この会社って悪いとこばっかりだな、みたいな気分に支配されてしまってたりします。

どんな組織にも、ネガティブ誇張の人はいます。どうしてこんな人をわざわざ取り上げたか。

組織にはネガティブな人もポジティブな人もいるし、色んなことに後ろ向きな人もいれば、前のめりな人もます。様々です。僕は組織には色んな人がいたほうが良いと思ってはいます。
ただ、このネガティブ誇張の人は要らないと思ってます。
ネガティブなことを吹聴する人はいても良いと思ってるんですけどね。でも、ネガティブなことを誇張して、ポジティブなことを矮小化して吹聴してしまう人は組織にはかなり害だなと思ってて、これは事業批判をしてくる人とかとは全然違うんですね。事業批判する人はいてもいいけど、ネガティブ誇張、ポジティブ矮小化の人はいて欲しくない。

では、こういう人にどう対処すべきなのか。ネガティブ誇張の人を呼び出して、「お前、ネガティブ誇張するなよ」と指摘すればいいのか。多分、そんなことしても逆効果ですね。そのこと自体もネガティブに捉えて、また変な解釈で言い広げたりしかねない。あと、こういう人は自分が作り上げた誇張ストーリーを「真実」だと思い込んでたりする傾向が強く、間違いを指摘すると、指摘した側を「あなたは何もわかってない。理解してないだけ」と逆批判してくることもあります。

これで万事オーケーみたいな、唯一無二の解決策なんてものはないと思うし、その組織、その環境、文化、状況などによっても変わるとは思うんですが、根本的には、僕はとりあえず多くの人がお互いのことをよく知り合って、「仲良くなる」というのが重要なんじゃないかなと思ってます。

そんなこと言うと身も蓋もない。当たり前じゃないかと思われるかもしれなけど、色んな接点や色んな場所で「仲良くなる」のは、めちゃくちゃ大事です。近くの人とか、一緒に仕事してるメンバーとかは比較的仲良くなるとは思いますが、同じ会社でも、あまり関わりがないとか、場所が離れてるとか、そういう人とは仲良くなる機会もないじゃないですか。そういう人たち同士も仲良くなれるような機会や環境を作っていく。今は仕事の範囲の中だけではなかなか仲良くなり難い。だから意識してそういう機会や場を作っていかないといけないと思います。

すごく単純な話です。人のことをよく知る。お互いパーソナルな部分とか性格とか考え方とかを理解し合う。それだけでネガティブ誇張の人が吹聴する「誇張した」部分に対して、誰かが「そんなことないよ」「それは誇張しすぎじゃないの」と指摘したりね。それだけでネガティブ誇張の人の行動にも少しは制限かかると思います。

勿論、ネガティブ誇張の人への対策のためだけではなく、仲良くなったほうが、僕はチームや組織のパフォーマンスは上がると思うし、危機の時、ピンチの時には強いんじゃないかなと思ってます。仕事でしか関わりのない、よく知らない人よりも、その人の好きなことや生活や人間性みたいなものも理解してて仕事するのでは、同じ仕事してても色んな場面で違いは出ると思うんですよね。

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