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新卒採用を始めた理由

先日、来年4月入社予定の新卒者3名の懇親会が催されました。この催しを企画して進行してくれたのが、この4年ぐらいで入社した新卒メンバーでした。こういう企画を自分たちで用意して開催してくれたことにほんとに感謝してます。そして、新卒採用続けて良かったなとも感じたんですね。

改めて、なぜ新卒採用を始めたか、それを続けているのかについて説明しようと思います。(ちなみにこの文章は社内にも既に発表してるものです。)

新卒採用については一定期間は継続的に行おうと覚悟を決めてスタートしてるので、業績の良し悪しに関わらず、採用を進めました。

人を増やすというのは、それだけで凄くリスクのかかることです。僕らみたいな中小零細企業は、出来る限り人を増やさずに、効率をよくして利益を上げていくことを目指すべきでしょう。なのに、なぜ、毎年新卒を採用するのか?

多くの人の採用に関しての感覚は、「今、忙しい、全然人手が足りない!」だから採用!というものか、「今までこのポジションのこの仕事してる人が辞めた」なので採用!という欠員補充か、「こんな職種が足りてない、こんな役割が必要だ」みたいな、今、これから必要な役割だけど担当がいない。いずれかをイメージすると思います。これは一般的です。

ただ、この採用って、基本、今の事業や組織体を前提として、それを発展させるためか、それを維持するための採用なわけです。

もちろん、これはこれですごく重要な採用だと思ってますが、僕は、もう1つ重要な採用があると思ってて、それは「どうなるか分からないけど、何か起きるかも」を期待した採用です。既存の事業や組織には、今すぐに必要じゃないかもしれないけど、その人が入ることで、何か大きな変化が起きるかも、何か新しいことが生まれるかも、そんな期待を持っての採用があります。想像できないし、計画もできないけど、何かが生まれるかも、何かが起きるかも、何か変化がもたらされえるかも、そんな期待を持っての採用です。言ってみれば「投資」です。

この採用は、今組織にいる人から見ると、なんでそんな人を採用するのかよく分からない、ということになります。別に人も足りてるし、何かやってもらいたいことがあるわけでもないし、そんな人採っても、人が余るだけじゃないかと、思うわけです。既存組織にとっては、その人が何ができるのか「よく分からない人」ですしね。

そして、この「よく分からない人」の一番最たるものが、新卒だと思うんですね。まだ、何者でもない、未知数、他の企業での経験や実績がない、本当に「よく分からない人」です。
でも、真っ新な状態だからこそ、僕は、むしろ可能性があるんじゃないかとも思ってるわけです。

また、既存組織のメンバーにとっても「よく分からない人」で、一番許せるというか納得しやすのは「新卒」だと思うんですよね。バリバリの経験者の「よくわからない人」を採用するよりは社内の納得感も得やすいですよね。

企業の効率化とか合理化とか、そういうものからすると、新卒採用というのは正反対の性質を持ってるように思えます。短期的には、即戦力にならないし、育成コストもかかる。じゃあ中長期的に見て、その人が能力を発揮してくれるかどうか、それも分からない。途中辞めてしまうこともあるでしょう。

効率という観点から見ると、新卒なんて採るべきじゃないわけです。中途即戦力採用しようよ、という話です。でも、そういう採用から「よく分からない何か」が起きることは、ほとんどないと思います。基本、必要としてる能力を調達してくるわけなので、計画できることを求めてますから。

でも、新卒は「よく分からない」わけです。僕は、その「よく分からない」ところにも、一定、会社としては張っておかないといけないと思ってます。これが新卒をしばらく継続採用しようと決めた一番大きな理由です。

会社を良くしたり、事業を発展させたり、飛躍させたり、そういうことは全て、人の力によるものです。人がそれをやるわけです。計画とか戦略も大事ですが、最後は全て人です。なので、人の可能性には、色んな側面で会社としても賭けておきたいのです。新卒採用もそのうちの一つです。

あと、「よく分からない人」が組織に入ることは、その「よく分からない人」本人が何か組織に化学反応をもたらすというだけではなく、その人が加わることで、元々いる人達も含めて刺激を受けたりして、変化する、ということも想定に入れてます。これは大いにありますよね。

例えば、人は、人に何かを教えるという時に、もっとも学習効果が高まると言われてます。なので、本を読んだりするときも、人にその内容を伝えることを考えながら読むと理解力が深まるわけですが、新卒の加入で、否応なく、色々な部門で「教える」が必要になります。これが組織の学習力を高めることはあるかなと思ったり。実際、皆はあまり意識してないと思いますが、新卒が入るようになってから、徐々にその辺の意識も高まってきてるわけです。(そもそも、新卒メンバーたちが、そういう整備や環境づくりに意識があったり)


で、今、5年ですかね。新卒で入ったメンバーが、ほんとに活躍してくれています。会社の文化や雰囲気みたいなものも、やっぱり若返りつつあるし、また、そもそも若い人を採用していくのに、組織に若い人がいて活躍してるというのはすごく大きかったりします。採用力という意味でも、新卒メンバーによってかなり引き上げられました。今のところ、新卒採用に張ってて良かったなと、僕は思ってます。

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