見出し画像

PERとは

■PERとは

・PER(Price Earnings Ratio、株価収益率)は、株価が一株当たりの純利益の何倍であるかを示す指標です。計算式は次の通りです。

PER=株価÷1株当たりの純利益

・ある会社の株価が1000円で、一株当たりの純利益が100円なら、その会社のPERは10倍になります。これは、投資家がその会社の利益の1円を得るために10円を支払っていることを意味します。つまり、投資回収に10年かかることを意味します。

■PERの活用

・PERは、投資家が株式を評価する際の重要なツールです。具体的には以下のように活用されます:

1. 比較評価: 同業他社や市場全体の平均PERと比較することで、その株式が割安か割高かを判断します。たとえば、同じ業種の他の会社のPERが平均15倍であるのに対し、ある会社のPERが10倍であれば、その会社の株は割安と考えられます。

2. 成長期待の評価: 高いPERはその会社が将来成長する期待が高いことを示している場合があります。たとえば、新興企業で利益がまだ少ないが、将来大きな成長が見込まれている場合、PERが高くなる傾向があります。

3. 投資判断の一要素: PERは他の財務指標と併せて使われます。たとえば、配当利回りやROE(自己資本利益率)などと組み合わせて総合的に判断します。

■業種別のPERについて

・PERは業種ごとに異なる特性を持っています。これは、各業種が持つビジネスモデル、成長率、リスクなどに起因しています。以下に主要な業種別のPER特性について述べます。

1. テクノロジー業界

特性: テクノロジー業界は一般的に高い成長率を期待されているため、PERが高い傾向があります。特に、新興企業や革新的な技術を持つ企業では、利益がまだ少ないにもかかわらず、将来の成長期待からPERが高くなることがあります。
例: インターネットサービス、ソフトウェア開発、半導体製造企業。

2. 金融業界

特性: 銀行、保険会社、証券会社などの金融業界は比較的安定した利益を上げることが多く、PERは中程度から低めになります。また、景気変動に敏感であり、景気が良い時期にはPERが上昇する傾向があります。
例: 商業銀行、投資銀行、保険会社。

3. 消費財業界

特性: 消費財業界は、安定した需要があるため、比較的安定した収益を上げることが多いです。そのため、PERは中程度になります。ただし、高級消費財メーカーや成長中のブランドでは高めのPERが見られることがあります。
例: 食品・飲料メーカー、日用品メーカー。

4. ヘルスケア業界

特性: ヘルスケア業界、特にバイオテクノロジーや医薬品メーカーは高い成長期待があるため、PERが高い傾向があります。一方、安定した収益を上げる医療機器メーカーや保険関連企業は、中程度のPERを持つことが多いです。
例: 製薬会社、バイオテクノロジー企業、医療機器メーカー。

5. エネルギー業界

特性: エネルギー業界は商品価格の変動に大きく影響を受けるため、PERは不安定なことが多いです。商品価格が高い時期には利益が急増し、PERが低く見えることがありますが、価格が低迷する時期には利益が減少し、PERが高くなることがあります。
例: 石油・ガス会社、再生可能エネルギー企業。

6. 不動産業界

特性: 不動産業界は資産の評価額と連動することが多く、景気に左右されやすいです。安定した収益を上げる企業は中程度のPERを持つことが多いですが、開発段階の企業は高いPERを持つことがあります。
例: 不動産開発会社、不動産管理会社。

7. 公益事業(ユーティリティ)

特性: 公益事業は安定した収益と低いリスクが特徴であり、PERは低めになります。電力、ガス、水道などの企業は景気変動の影響を受けにくいため、安定した配当を提供することが多いです。
例: 電力会社、ガス会社、水道会社。

・PERは業種ごとに異なる特性を持っており、その業種のビジネスモデルや成長性、リスクプロファイルに応じて変動します。投資家は、業種ごとのPER特性を理解し、他の財務指標や市場の状況と併せて評価することで、より適切な投資判断を行うことができます。

■足元の業績相場とPER

・業績相場では、企業の業績が市場全体の動向に大きく影響を与えます。以下の理由から、PERは特に重要です。

1. 業績の予測と連動: 業績相場では、企業の利益予測が重要な指標となります。PERは株価が利益とどう連動しているかを示すため、業績予測が株価に与える影響を評価するのに役立ちます。

2. リスク評価: 業績が不安定な時期には、利益が減少するリスクがあります。その際、PERが低い株は既にリスクを織り込んでいる可能性があり、比較的安全な投資先と見なされることがあります。

3. 投資家の心理: 業績相場では、投資家の心理が大きく影響します。PERが高い場合、投資家はその企業の将来成長に強い期待を寄せていることが多く、逆にPERが低い場合は将来に対する懐疑的な見方を反映しています。足元の相場では、AI関連の銘柄のPERが過剰となっており、決算次第ではいつ暴落するかわからない水準になっています。


🐶お願い🐶
 いい記事だなと少しでも思って頂けたら、スキやフォローをして頂けるととても嬉しいです!また、シェアを頂けると大変喜びます!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?