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CLOとは


■CLOとは


・CLO (Collateralized Loan Obligation) は、複数の企業ローンを担保にして発行される証券です。具体的には、CLOはさまざまな企業の貸付債権(ローン)を束ね、それをトランシェ(債務の階層)に分けて投資家に販売します。各トランシェは異なるリスクとリターンのプロファイルを持ち、これにより投資家は自分のリスク許容度に応じた投資を選択できます。

■CLOの仕組み

  1. ローンのプール:

    • 銀行やその他の貸し手が企業に対して提供したローンを集めます。これらのローンはCLOの基礎資産となります。

  2. 証券化:

    • これらのローンを元に証券(CLO)を発行します。証券は複数のトランシェに分かれ、それぞれ異なるリスクとリターンを持ちます。上位トランシェはリスクが低い分リターンも低く、下位トランシェはリスクが高い分リターンも高くなります。

  3. 販売:

    • 各トランシェを投資家に販売します。投資家は自分のリスク許容度に応じてトランシェを選びます。

■具体的な資金移動

例えば、ある投資家がCLOに100万円を投資する場合の資金移動の流れは以下のようになります。

  1. 投資家からの資金投入:

    • 投資家がCLOに100万円を投資します。この資金はCLO発行体(通常は特別目的会社、SPV)に送られます。

  2. 資金の運用:

    • CLO発行体はこの資金を用いて複数の企業ローンを購入します。これにより、CLOの基礎資産が形成されます。

  3. 利息と元本の回収:

    • 企業がローンの利息と元本を支払います。この収益がCLO発行体に入ります。

  4. 投資家への分配:

    • CLO発行体は収益をトランシェに応じて投資家に分配します。上位トランシェの投資家には優先的に支払われ、リスクの高い下位トランシェの投資家はその後に支払われます。

 このようにして、CLOは複数の企業ローンを担保にして資金を調達し、投資家にリターンを提供する仕組みを持っています。CLOへの投資は、企業ローンのリスクを分散し、投資家に多様なリスクとリターンの選択肢を提供することができます。

■CLOの価値と金利の関係

  1. 金利上昇の影響:

    • トランシェの価値: 一般的に、金利が上昇するとCLOのトランシェの価値は下落する傾向があります。これは、投資家がより高い金利を提供する他の投資機会に魅力を感じるため、既存のCLOのトランシェが相対的に価値を失うためです。

    • クーポン支払い: CLOのトランシェにはクーポン支払い(利息)が含まれますが、金利が上昇すると、新規発行のCLOはより高いクーポンを提供する必要があります。既存のCLOは相対的に魅力が低下し、その価格が下落することがあります。

  2. 金利低下の影響:

    • トランシェの価値: 逆に、金利が低下するとCLOのトランシェの価値は上昇する傾向があります。これは、既存のCLOのクーポン支払いが相対的に高く見えるためです。投資家は、より高い収益を求めて既存のCLOを購入するため、価格が上昇します。

  3. クレジットリスクの影響:

    • 金利とクレジットスプレッド: CLOの価値には、基礎となるローンのクレジットリスクも大きく影響します。金利が上昇する局面では、企業の借入コストが増加し、デフォルトリスクが高まる可能性があります。これにより、CLOのリスクが増し、特に下位トランシェの価値が大きく下落することがあります。

・CLOの価値と金利の関係は、金利の動向、クレジットリスク、クーポン支払いの条件など多くの要因に依存します。一般的には金利が上昇するとCLOの価値は下落し、金利が低下するとCLOの価値は上昇する傾向がありますが、これに加えて基礎資産のクレジットリスクの変動も重要な影響を与えます。


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