建前と向上心

私は嘘をつくのが嫌なので(すぐに居心地が悪くなる)、建前みたいなことはほとんど言わないです。

そのかわり、本音を言う相手は選んでいます。嘘を言いさえしなければ本音は隠してもいいと思っている。

だからこそ、それでもなお自分が嘘をついてしまうような相手と一緒にいるとしんどい。嘘をつきたくないから付き合わない、と決めることすらある。

ものづくりをしているとよく出てくる話として「有名になりたいかどうか」みたいなのがある。でもこれに関する話が始まると、途端に建前っぽい言い回しをする人が増える気がする。

「有名になりたい!」と言うと、「あなたには無理」とか「その程度の実力でなれるわけないじゃん」とか言われるor思われるリスクが発生するからだろうと思う。

言うだけタダ、という言葉があるが、この手の素直さは日本社会では高くつく。本音を隠せない子どものように映ったり、普段から本音を言えず鬱屈としている人に嫉妬されたりするリスクが高まる。

実害がなければそれでもよいが、人付き合いというのは距離感がものをいうので、普段仲良く話していたメンツから遠巻きにされる不安があると言えないこともあるよなと思う。

ついでだから自分が有名になりたいかどうかについて話そう。正直なところ、そこまで有名になりたくない

程度の問題、と捉えているのだと思う。

まず私の頭の中にある有名になることのデメリットとして、このあたりのことがある。

・ストーカーが生まれる可能性が高まる
・住所を特定されやすくなる
・見ず知らずの他人に顔を認知される生活(私にとってはストレス以外のなにものでもない)
・休日に知らない人から話しかけられる
・ファンやメディアにプライベートを詮索される
・あることないことネットに晒される
・知人に情報を売られる
・自分に関する噂話が広範囲に及ぶ
・四六時中、自分の生活に値段がつけられる

はっきり言って地獄だ。考えたくもない。

どんだけネガティブなんだよ!と思った方もいるだろう。しかし私にはこのリスクがありありと手に取るように感じられ、とてもじゃないが有名になりたいとは思えない。

ただ、当然メリットもある。

・有名になったことで得られる魅力的な出会いや仕事
・世に広く作品を届けられる
・収入UP(するといいな)

少な。もうちょっとこう、チヤホヤされるとかないんか。ないな。十分だもんな。

ネガティブな事象に対する解像度が高い、と言い換えておこう。なんでも長所に言い換えるスキル。

私の想像力ではこのあたりが限界なので、想像するメリットがデメリットを上回らず、有名になることを心から求めることができない。ある人にはこれが私の欠点のように映るかもしれない。

でも有名になりたいと思うばかりが向上心じゃないからね。職人的な向上心ならそこそこあるよ。

それに、結局そういう気質の人間だからこそ出会えたりよくしてもらっている相手がたくさんいると思っているから、現状になにも不満はなくて……。

強いていえば自分自身のフットワークがまだまだ重いことと、希望する量の作業を希望する期間内に終わらせられないことだろうか。時間の速さに勝てない。あと体力が足りない。

それでもしばらくはこのまま頑張ってみようかなと思えるようになったのがここ2年くらいのこと。以前と比べると関わる人の数が極端に減ったのと、アイデアを形にするのにずーっと忙しかったから。幸せだと思う。

■ おわりに

そろそろ眠くなってきたので今日はここまで。眠くなったらオチすら手放して寝ていいんだ!というのが最近の学びです。健やかな明日のために。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
ではまた次回!

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