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制作日誌 / 2021年5月まとめ 後編

2021年の5月に制作・Twitterで公開した楽曲のまとめ【後編】です。Twitterのハッシュタグ企画 #深夜の2時間DTM 参加作品から5曲その他の作品が2曲計7曲を紹介しています。

Rest in the rain

《編成メモ》
・環境音
・ピアノ
・シンセパッド(ピアノトラックを複製)

お気に入りの曲だったので珍しく作り置きのものをお蔵出ししました(4月17日に書いた曲)。プレイしたことはないのですがサイレントヒルみたいな探索ホラーゲームのマップで流れているとクールだな〜と思いました。4月は結構シンセパッドを使ったホラー系の曲を多く書いていましたね。

こういうのは鮮度が大事というか、その日作ったってことが聴く側にとっても価値だったりするのかな〜と思ったりします。自分にとっては「その日何を考えていたのか」が楽曲として残っていく生活は楽しいです。個人的なブームの波が見えるのも面白いです。

gene flow -鎖の庭-

《編成メモ》
・ピアノ(→ギターアンプシミュレーター)
・ノイズ系環境音シンセPAD
・トーキング系のエフェクトがかかったシンセPAD
・ハープ
・ピッコロ
・造語コーラス
・アップライトベース
・ドラム
・リバースシンバル
・パーカッション(ピアノのボディから出る音)

ピアノが1小節ごとに左右で鳴るようPANを振った2トラックを使用しています。1トラックでPANのオートメーションを書く方法もありますが、長めの残響が左右にそのまま残っていてほしかったので今回は分けました。

構想中のノベルゲーム用BGMを作ろうと思って作り始めました。導入したばかりの物理モデリングピアノ音源《Pianoteq 7》の出音が綺麗すぎるので、アンプに入れれば面白いことになるかも?という実験も兼ねています。

ドラムの音色の扱いが難しくて、途中でゲームBGM→映画サントラに方向転換しました。そうすると一気に映画のオープニング映像がオーバーラップして流れ出したので、あとは導かれるままに作りました。曲の終わりでカメラの視点が完全に地面に降りてきて主人公の少年のセリフが入るので、そこから先は別のシーンのイメージです。どんな曲をつけようかな。

「雨の日、探偵事務所にて」

#深夜の2時間DTM
お題「探偵をイメージした曲」

《編成メモ》
・ピアノ(伴奏/ちょいメロ)
・メロディオン (主旋律)
・ハーモニウム(主旋律オクターブ下げ)
・コントラバス
・チェレスタ
《寸劇パート》
・先生(CV:コニシユカ)WAVES UltraPitch Shift (-6th m)
・小西坂くん(CV:コニシユカ)WAVES UltraPitch Shift (-5th)

ピアノはコード演奏用の丸みを帯びた音色(EQカーブで高域も低域も削っています)と、ちょいメロ用のちょっとコーラスがかった高域未処理の音色の2種類をトラックを分けて使っています。演奏家さんには怒られそうですが、これもDTMの醍醐味ですよね。

メロディオンとハーモニウムは片方だけだとイメージ通りの音が出なかったので重ねて使いました。チェレスタはリバーブがもともとかかっている音色で、雨の日の湿気による空気の重さをうまく出してくれたかなと思います。

のちに「寸劇探偵シリーズ」としての世界観が確立する、探偵の先生と助手の小西坂くんの物語の発端となった曲。確かこの後、勢い余って小西坂くんのイラストを描きました。このときはまだシリーズができるだなんて思っていなかったので自分でもびっくりです!

「ひらめきレース!」

#深夜の2時間DTM
お題「徒競走のBGM」

《編成メモ》
・SANA 8BIT VST

音色同士が喧嘩しないように調整しました。この段階でシンセ本体のハイパス・ローパスフィルターに気付いておらず、CubaseのトラックEQで各パートの棲み分けをしています。そのまま出力すると耳に刺さる帯域があって(基音まわり)、右耳がポクポクいって痛くなることがあるんですよね。

レトロゲーム風の曲です。8bit音源を使うといつもは使わないドレミファソラシド〜的な音階や3度のハモりを入れたくなるから不思議です。これが俗にいう「わかりやすさ」の正体なのか!!と妙に納得しました。

8bitで作るときはあまり不協和音を重ねると違和感が大きくなるんですよね。普段はギターとボーカルが不協和音でも、音色の棲み分けができているからそんなに気にならなかったりするのですが。

8bitの曲ではゲーム中の効果音の演出も積極的に入れたくなります。たくさん可愛い音色が鳴らせて満足です!

「おくり灯」

#深夜の2時間DTM
お題「別れの瞬間」

《編成メモ》
・ピアノ(→アンプシミュレータ)
・環境音(雨音)
・造語コーラス

ピアノにかけたアンプシミュレータがシンセPAD的な役割を果たしてくれたので、小編成ながら奥行きのある空間演出ができました。サーーーッという雨の音はいいですね。癒されます。

別れの瞬間がテーマということでしたが、たしか2〜3日書けずに悩んでいたはずです。ちょうど個人的に別れを実感するできごとがあり、どのような形で自分の気持ちに決着をつけようか迷っていたんだと思います。

ひたすら攻撃的になる方法もあれば、悲しみをぶつける方法もあって……。ひとしきり自分の中の嵐が過ぎ去ったあとでふと、「ちゃんとお別れをしよう」という気になったのがこの日の朝でした。そのときに自分の感情が、どうしようもなく暗いものから《祈り》に変わった気がしました。

魂を送る、という行為に思い入れがあって、今回は雨の中で踊る少女をモチーフにしました。妖怪シリーズと造語CHILL(廃墟シリーズ)のちょうど間のような世界観です。

「昏き目覚め」

#深夜の2時間DTM
お題「パイプオルガンを用いた曲」

《編成メモ》
・パイプオルガン
・ハープ
・環境音(鳥のさえずり・通り雨)
・造語コーラス

パイプオルガンはホールリバーブ(RC48)をInsertでかけて奥の部屋で鳴っているような質感にしています。ホールリバーブのプリセットはLarge Hall & Echoes、Wet 100%です。
その後ハープと歌のパートに入った時に質感がガラッと変わるところがお気に入りです。造語コーラスを入れるのにも慣れてきました。宗教歌系でいくつかお気に入りの語彙や言葉の並びがあります。

聖騎士シリーズ3曲目。まだまだ続きます(絵も使いまわします)。

ここまでの3曲は主人公一団がラストダンジョンに入ってからのBGMのイメージで制作しているのですが、この曲を制作したことにより私の気持ちが聖騎士自身の過去にフォーカスしてしまい、ここからはしばらくその流れが続きます。シリーズまとめ記事はこちらから。

「のなちゃんのソロキャンプ」

#深夜の2時間DTM
お題「キャンプをイメージした曲」

《編成メモ》
・SANA 8BIT VST

音色を作るため、本格的にシンセのパラメータをいじり始めました。ボッ!という着火音が作れたので満足です。

脳内会議シリーズでお馴染みのnonaちゃん。山キャンプ用のコスチュームを着せてみました。かわいい。

前回の8bitシリーズの楽曲「ひらめきレース!」から、2枚の絵を使ってアニメーションにするという手法を採用しています。思いついたきっかけは5月前半の記事で紹介した #art_ippi 企画さんとのコラボ。2枚あればアニメーション作れるんだ!?ってなりました。すごいね。

このあとも8bitシリーズの音源を作るときはちょっとだけアニメーションするように動画を作っています。ハッシュタグ企画を通じて色々な刺激や着想がもらえるのが本当に嬉しいです。無理せず長く続けていきたいです!


■ 楽曲がダウンロードできます

今回制作した楽曲は《のーない補完計画2021》のご購入で試聴・ダウンロードができます。一度購入すると2021年更新分が全てお聴きいただけます!

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