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カラーラフに挑戦してみた話

新しいイラストを描きました。寸劇と掌編小説のサムネイル用で、聖騎士シリーズよりアデルバート、グリス、グレッグ(創作キャラ)です。

■ 今回の制作テーマ

・全身のラフを描いて、最後にトリミングする
・黒線画 + カラーラフに挑戦する

今回はとにかく省エネモードで制作しました。人物同士の距離感や位置関係を把握するため、全身のラフを描いてそれぞれを拡大縮小しながら配置を決め、後からトリミングするという手法を取りました。

一番上にトリミング範囲を示すレイヤーを作成しています。

Procreateの作業画面

そして、ラフ画の段階で色を置いていくカラーラフというものに挑戦してみました。正直めちゃくちゃよかったです。楽だし手を入れる箇所がわかりやすい!

■ 準備(エスキース)

わからないこともメモしておくと吉

2週間ほど前に書いてあったもの。描ける気がしなくて放置していましたが、ようやく手をつけることができました。

■ ラフは黒線画

人物の大きさがまちまち

最近Procreateのブラシツールを色々と試していて、黒線画でラフを描くことに慣れてきたのでその手法を採用しました。仕上がりがイメージしやすくて圧倒的に楽でした。

アタリ線レイヤーの不透明度を下げて薄く表示して、上からより精度の高いラフを描くのもOK。右のアデルバートがそれ。私には合っている模様。

■ カラーラフ

アデルバートさんの髪色これもいいな……
とりあえず色を置く
ついでに背景のイメージも作っちゃう

この時点では左にいるグレッグを入れるかどうか迷っていて(作業量的な問題)、一人だけアタリ線のまま進めています。こういうのは飽きたら終わりだから!

■ 全体影(乗算)をつける

背景にもテクスチャを入れました

一番上に乗算レイヤーを作り、全体に薄オレンジの影色をつけていきます。ランプか蝋燭の火が灯るだけの団員宿舎での夜なので、影色で雰囲気を調整します。

背景にモルタルっぽい壁のテクスチャを入れました。オレンジ色の光の表現はあるものの具体的な光源を描くつもりはなかったのであまり深く考えていません。部屋の暗さが齟齬なく伝わればいいかなという感じ。

ここでちょっとトリミング範囲の縦幅を広げました

■ 秘技! アタリに直接カラーラフ!

意外といい体が描ける

グレッグのみ、線画を整形する前に色を置くことにしました。これが今までやったことのない方法だったので博打でしたが、信じられないくらい描きやすかったです。

線ではなく色面で形をとっていくため、線で形を取るのに比べて頭の中にあるイメージとの擦り合わせがとても楽でした。

この時点では左肩〜腕の線画が右側にズレていますが、その線を気にせず服と腕に色を乗せていきました。こっちの方が正しい気がしたので。

線の整形

明らかにいらない線を消しつつ、左腕の線画を範囲選択ツールで選択して色面に合わせて移動。

肘当てやグローブを描いていく

お顔以外はとてもいい感じになってきました。この描き方にハマってしまいそうです。

■ 顔を描く & 人物の大きさを揃える

グレッグだけ小さいので
ちょっとだけ拡大

ここでようやく全体の配置バランスを取りつつ、グレッグに先の2人と同じ色の全体影をつけ、元の肌色を少し暗くしてキャラクターに合わせました。

■ 線の整形、細かい描き込み

目に色を入れる作業

アデルバートの下半身を描き進め、うっすら表示していたアタリレイヤーを消しました。右の二人の目にそれぞれ色を入れています。

また、グリスが寸劇上でアデルバートに髪を切ってもらうシーンがあるため、ツーブロックを入れる前の差分を作りました。顎も少しだけ短くして幼く見えるように調整しています。

■ 目のハイライト、背景の棚

ポッ……

目にハイライトを入れるとぐっとそれらしくなりますね。アニメ感ある。

グリスのパジャマをオーバーサイズにして、アデルバートの肌の色を少しだけ暗くしました。ようやく完成像が見えてきたので、背景に棚らしきものを配置してロケーション感を強めました。棚の高さは適当です。

■ 照り返し(もどき) & テクスチャ影

雰囲気の演出に入りました

いつもはカメラとキャラクターの間に空気の層を作るために下から照り返しレイヤーを入れるのですが、今回は暗い部屋だし照り返しはできないのでは……?と思い、レイヤーモード:焼き込みカラーを使ってむしろ色を濃く沈めることにしました。

また、人物の髪がツルっとしすぎていたのでテクスチャブラシでそれぞれほんのり色を入れました。

グレッグ レイヤーモード:焼き込みカラー / 薄いグレー
グリス
レイヤーモード:乗算 / 薄紫
アデルバート
レイヤーモード:乗算 / 薄紫

キャラクターの髪質によってレイヤーモードを変えてみるのも面白いかもしれません。

また、確かこの時点で全体に灰色の塗りつぶしレイヤーを作り、調整メニューの「ノイズ」を使ってテクスチャ感を出したものをレイヤーモード:ソフトライトでかけました。一度紙に印刷したようなニュアンスが出るので好きな加工です。

■ 細かいところを調整して完成!

ツーブロ ビフォー
アフター

画像加工で極端に雰囲気が変わってしまう絵だったので、Procreateで描いた状態そのままの仕上がりです。

今回は黒線画のまま+ペン入れなしなので、ペン入れ+色トレスをしない限りこれ以上完成度は上がらなそうだと判断しました。総作業時間は4時間弱。3人もいるのにめちゃくちゃ早い!!! 最高!!!!!

寸劇動画を作るには十分雰囲気が伝わる範囲なので、この先は数ヶ月後の自分がこれを下敷きにリメイクしてくれるのを待とうと思います。

ちなみにラフと線画に使用したProcreateのブラシは描画項目のエボルブでした。ちょっとガサガサ成分多めかな……嫌いではないけれど。

■ おまけ

ドキドキドキドキ……

おまけでiPadの写真アプリで色味を加工した画像を置いておきます。ドラマチック(冷たい)フィルター42%です。これはこれで可愛い。青っぽくなってエモいけどちょっと暗いかな。団員宿舎の埃っぽさが消えてる気がする。あと赤・オレンジが映えるのとコントラストで先輩方の圧が強くなって「距離近いな!?」感が出ているので、よりグリスがドキドキしているように見えます。かわいそうに……。

■ まとめ

3人も描いたら作業時間8時間はくだらないだろうと思っていたので、予想の半分以下で仕上がったのはとてもよかったです。この調子で今後も寸劇用のイラストに挑戦していきたいです。

それにしてもアタリの時点でのカラーラフ、最高にいいですね。

ここまで読んでくれてありがとうございました。
また次回!


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