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Bad emotion

抽象画を描きました。激しい画面になってしまったので、多分これは悪い感情の発露なんだなと思ってタイトルをつけました。

色んなことを知れば知るほど加速度的にモヤモヤが溜まっていく。物作りはそれを解消する手段でもあるのだなと感じています。

Bad emotion 2022.9.3

制作時間は9分。ちょっとしたモンスター的なものをこの上に描き足してみようかと思ったのですが、ハマらなかったのでやめました。要素同士のマッチングの感覚が育ち始めている気がします。

構図と色の面積配分はだいぶ安定してきました。やはり横長は使いやすい。iPadの写真アプリのフィルターで色味を加工しています。紫を抑えて赤と青のツートンに見えるようにしました。

■ CDジャケットにしてみた

Bad emotion

自分の体感としては赤:青が4:6という感じなのですが、赤はとても強い色なので面積が広く見える効果があるように思います。ただし色が混ざって濁ると途端に同じ赤として認識できなくなる……青はそうでもないのに。

そういった色ごとの特性を感じられるようになってきたので楽しいです。

シルバートーン

写真アプリで「シルバートーン」というフィルタをかけるとこんな感じ。かなりBad emotionな感じが出ていますね。これはこれで好き。

自分はどうもハッキリした色合いを使いがちなのですが、こうした色がない画面も落ち着きます。図形のリズムもいい感じでした。右下の白い部分が効いています。

■ 文庫本の表紙にしてみた

『ド悪党』

配色がスーパーマンカラーなのがイケてますね。背景画から滲み出てくる感情が強烈なときは、心に刺さりすぎないようにドポップな字体でエネルギーの方向を逃してあげるとよい、という一例となりました。

同じ背景画で別パターンのデザインを作ってみましょう。

『悪辣』

いつもの明朝体が映えるようにタイトルも変更。これはこれでオシャレです。白の面積が減った分、背後の赤が侵食してきてなかなか不穏な感じが出ています。

悪辣な現代ダークヒーローもののサスペンス感がありますね。

『悪辣』ver.2

タイトルの書体を変えて、女性が出てくる話にしてみました。線の細いしなやかな書体がそのまま線の細い悪女のイメージとリンクしています。後妻業の女かな。

そのイメージは外から見たものなので、主人公は男にするとスマートかな。それも、彼女の悪辣さをよく知る人間……つまり刑事?

「ああいうのを悪女っていうんですかね、そんな風には見えませんけど」
 鮫島がハンドルを切りながら言う。
 悪女? そんな生易しいもんじゃない――あれは人の血に混ざり込もうとする青い毒だ。一度侵されちまった人間は二度と、こっち側には戻ってこれない。
「だから危険なんだ」
「え? なんか言いました?」
『悪辣』より

こんなシーンが浮かびました。タイトルの赤と青のグラフィックも本文で回収です(こういうの好き)。背景のグラフィックを活かすなら線の細い書体もアリですね。情報がグラフィックとして入ってくる。

こういうことを考えていると、どうしてもジェンダーを含めたバイアス(思いこみ)からは逃げられないなあと思ったりします。上の例のようにそれを利用することすらありますし……。

人間って自分が思っているよりずっと、言葉そのもの以外から色んな情報を受け取っていて、広告デザインのように多数の人間の共通理解の上に成り立つ分野では、大衆の思い込みは激しければ激しいほどいいんです。"扱いやすい"から……。

だからこそ自分の発したものに隅々まで責任を持たねばならないし、それこそ悪辣な扇動の材料として自分の能力や物の見方を利用するのはやめようと思っています。凄く難しいことだけれど。

■ おわりに

このnoteは自分の心や価値観の整理の意味が大きいけれど、もしかしたら読んでいる人が新たな思考の沼に陥ってしまったり決着のついていない物事の存在にモヤモヤした気持ちになったりするのかなと思ったりもします。

もっとスッキリ「こんなことが解決しました!」みたいなエンタメとして記事を書けたらいいんだろうけど……そういう芸風でもないか。笑

ある程度の答えが出てから書けよ!計算途中の走り書きなんていらねーんだよ!っていうのは情報を受け取る人が当然持ちうる感覚だと思いますが、おそらく私の思考は初手でも十分飛躍していると思うので、今くらいの書き出しペースが丁度いい気もします。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
ではまた次回!

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