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映画っぽいイラストを描いてみた話

新しいイラストを描きました。寸劇と掌編小説のサムネイル用で、聖騎士シリーズより修道士セーレ(創作キャラ)です。タイトルは「渇きの檻」。

■ 今回の制作テーマ

・映画っぽい画面にする
・背景をぼかして印象的に

こないだ聖騎士シリーズ用の「渇きの檻」という曲を書いたのですが、それに寸劇をつける過程でずっと映像が見えていていて、その様を絵として残しておきたかったので制作に踏み切りました。

頭の中にある映像が彩度低めの映画っぽい画面だったので、薄い灰色の空とだだっ広い荒地の背景を描くことにしました。

もともと楽曲公開用にお借りしたお写真がイメージと近い印象だったので、空と大地のコントラストやぼかし具合を参考にしています。

■ アイデア出し

デフォルメっぽくてこれはこれで可愛い

今回は映像が頭の中にあったので全く迷いませんでした。一応指示書がわりにあらかじめ演出を考えておくか、程度の下絵です。

■ ラフ

アイデア出しのスケッチを下敷きとして取り込み、前回同様トリミング枠のレイヤーを一番上に作りました。そのまま画面外の範囲も素体ラフを描いていきます。今回はデッサン人形を見ながら胴体の丸みなどの情報を描き込みました。一応コントラポストがつくように。

ちなみに今回はProcreateのブラシ「イーグルホーク」を使って線を描いてみました。描き味がぬるっとしていて女性キャラ向き、水彩向きのブラシかもしれません。まだまだお気に入りが見つかっていないので、毎回ギャンブル気分。

■ 画面全体のカラーラフ

映画っぽいグレー調の背景

もうこの時点で完成形の色味を早く作ってしまいたい衝動に駆られていたので、人物の素体と顔を描いたところで背景ラフに移りました。

線画を描かない勇気

修道士セーレは髪のシルエットだけで大体の毛の流れがわかるデザインになっているので、今回は髪の線画を描かずにスタートしました。そのうち描こうと思って始めたけど結局最後まで描かなかったな。

手前の人物にピントが合っている設定だったので、背景はぼかしました。

人物パーツ塗り

割と色面で分けるだけでもそれっぽい感じに見えるキャラクターデザイン。オッドアイで色数も増えますし。

髪の左側は肩の後ろに回り込むので、空間遠近をつけるために服の胸当てと同じグレイッシュブルーを置いて奥に引っ込むようにしました。明るい絵だったらもっと綺麗な明るい色を置くのだけれど、今回は暗い絵なので彩度がかなり控えめ。思いの外演出としてハマってくれてびっくりしました。

■ 全体影、背景の調整

人物の存在感UP↑

限りなくグレーに近い全体影で人物を塗りました。もうここまできたら全体の印象を決めてしまいたいですよね。

人物と背景の距離感UP↑

人物の全体影を数段階濃くして、空の明度を少し落としました。大地には荒地の起伏を感じるような濃い色を置いていきます。

背景に乗算でテクスチャを重ねました。確かフエガラスというテクスチャブラシです。ちょっと空気が汚れていそうな感じが出ちゃってますが、最終的にはレイヤーモード:焼き込みカラーで不透明度77%にします。

いらない線を消す

そろそろ人物の描き込みをするか〜ということで、明らかにいらない線を消したり袖の形状を描き足したりしています。セーレはスタイルも良くかなりハイウェストなので、くびれのラインだけ見るとかなりスタイリッシュで冷たく見えますが、こうして袖でラインを隠してあげると少し柔らかい印象になるらしいことに気付きました(推しキャラなので語ってしまう……)。

■ 下からのリニアライト、人物描き込み

夕日が沈んだ後感ある

下からの照り返しを入れるつもりでレイヤーモードをいじっていたら、リニアライトが印象的だったので採用しました。かなり雰囲気が変わりましたね。

そのままでは人物が暗すぎたので不透明度を調整して、さらに人物にかかる部分だけうっすら消しゴムで消して人物が手前に出るようにしました。

背景だけにリニアライトを当てる方法も試してみたのですが、人物との馴染みが悪かったため一括でかけています。

人物も気付いた時に描き進めています。うっすら肌の2影を描いたり、瞳を描き込んでハイライトを入れたり、顔まわりの線画に色を乗せて髪と馴染ませたりました。あと全体影を指先ツールでいじって髪の起伏を入れたりしています。

■ 映画っぽい演出

一体感が出てきた

いよいよ映画っぽい演出に入っていきます。
背景テクスチャの不透明度を下げ、全体にグレーのノイズレイヤーを作ってオーバーレイで重ねたりしました。つるっとした塗りに素材感が出て、画面によりコントラストが生まれました。

■ 人物の細かい調整

髪の毛をシュルシュル

指先ツールで髪の下塗りレイヤーを引っ張り、シュルシュルと遊ぶ毛先を描きました。

また、レイヤーモード:追加のレイヤーを髪にクリッピングして、ほんのりと逆光で上の方の頭の輪郭が付近が明るくなるようにしています。色はコーラル、不透明度22%。

髪の影を追加

クリッピングマスクで髪の影を追加しつつ(濃いめに描いて不透明度下げた)、頭頂部からフワッと薄いグレーのピンライトレイヤー(不透明度44%)を入れて画面縁との境目がぺったりしないように調整しました。

その他細かい部分を調整。完成を見据えて、この時点でトリミング領域を横長に変更しています。

■ 写真アプリで加工して完成!

映画っぽい上下黒のライン

最後に、保存した画像をiPadの写真アプリで加工して仕上げました。ブリリアンスを-16にしたのだけれど、若干赤みが増した気がします。髪色が映えていい感じ!

今回はちょっとコントラスト弱めの鈍い印象にしたかったので、顔まわりなど部分的に線画の色を変える色トレスをしています。色トレスするなら線が太くてもOKっぽい。今後の参考にしよう。

■ まとめ

・カラーラフめっちゃいい
・細かい空間・色味・テクスチャの演出で映画風に
・色トレスするなら線は太くてもOK

カラーラフで背景や全体の印象を先に決めてしまうのがめちゃくちゃ性に合っている気がします。髪なんて線画すら描いてないし……これは良い手法を見つけました。最高です。その上、総作業時間は3時間ほど。いや〜コスパが良い!! コスパ大好き!!

手の模写が効いているのか、手を描くのがあまり億劫ではなくなってきたのもよかったです。根性がないので精神的な障壁が最大の敵なんですよね……あと体力のなさ。

■ 参考にした講座

昨日見たPJ.ぽてちさんのこちらの動画がやんわり意識に残っていたのか、デッサン人形を見て形を取るのがとても楽になりました。胸の筋肉の付け根のハの字の概念にめちゃめちゃ助けられました。デッサン人形だとそこはハの字じゃなくてカーブになってて形が取りづらいのよね……。

上腕の形どりがちょっと怪しいのでもう一度見直しておきたいところです。

今月もう一枚くらいイラストが描けるといいな〜と思っているのですが、他にも調子がいい間にやっておきたいことがあるので絵のほうはまた来月になるかもしれません。動けることに感謝して生きよう……。

ここまで読んでくれてありがとうございました。
ではまた次回!


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