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渋谷ハロウィンの話

今年も逮捕者が出てしまった渋谷のハロウィン。
2015年に友達が行ってレポートをしていた時から気になっていました。

渋谷の喧騒について感じた事を、元コスプレイヤーが書いてみるよ
かなりの長文になると思うので、興味ある人だけ読んでみてねー

ということなので、お暇があればこちらも是非お読みください。

2015年の時点で問題などが起きていたと思われる書き方なので
2014年からは渋谷のハロウィンは社会問題として取り上げられるようになったのかな、ということが想像できます。
ということは、自然発生して問題化してから5年、5回目ということになるわけですね。
その5回の中で特に去年、集まった人が暴徒化してトラックの横転や
車の上に乗って騒ぐようなことが起きてしまったわけで
正直、2015年の状況とも、今まったく変わってしまったとは思っています。

ただ比較対象として彼も「コミケ」を挙げていますが、私も参加して見て何度も「コミケ」を思い出すことがありました。

1.ハロウィンに参加した理由

女性ひとりでの参加は厳しいのでなかなかチャンスがなかったのですが、
今回お世話になっているギャラリーで仮装していたら
渋谷駅までみんなで行こうという話になったのがきっかけ。

それとは別に個人的には2つの理由があって参加したのです。

ひとつめは「現場を見てから何事も発言したい」という信条。
自分で行ってこの目で見てどういうものかちゃんと理解した上で、何を言うにしても発言したいと思っています。
根がオタクなので、
現場に参加していないイベントのことを在宅オタクが議論したところで
想像の域を出ないし実際の現場が良くなることなどない、という経験の賜物です。
そういう意味ではどんなネガティブな情報しかない状態でも自分の中で「賛否」つけるためには、参加するしかないなーという意図です。

ふたつめは私の上京理由にも関わります。
田舎にいると、
社会問題だろうがなんだろうが自分と関わらない世界であることが多く
それを自分の肌で体験として感じることはほぼできないわけです。
私はいま報道されていることの中で実際に何が起きてるか自分で見たかったので
東京へやってきたという理由が大きいのです。

問題を自分ごとにしたい。それがふたつめの理由です。

2.意外だったこと

そんな理由で行って来て抱いていたイメージからおおきく異なっていて
現場で特に意外だったことは「参加者」についてでした。

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中高生くらいに見える子が多い
外国からの方が多い
見物しに来てる人も多い

私が行った時間が若干早かったのも低年齢層が多かった原因と思われます。
けれども実際、逮捕者の9人中5人は未成年だったことを考えると
特に未成年ばかりが迷惑行為をしたということではなく
そのくらい未成年が多かった
というのが、私の実感している渋谷の状況でした。

ハロウィーンで仮装した人が多く集まった東京・渋谷では、痴漢や暴行などの疑いで少年5人を含む9人が逮捕されました。

外国からの方も多かった!!
話しかけてもどこの言葉だろう?というのが返ってきて
とりあえず「Happy Halloween!!」と言いまくっていました。
外国からの方はとにかく日本のコンテンツ(アニメ・ゲーム)の衣装を着ていて
仮装というよりコスプレに近い感じ。
あと「サムライ」とか「キモノ」も多かったかな。
とにかく「日本ならではのハロウィン」を楽しもうとしていた人が多かった印象。

それから、あのスクランブル交差点の混雑、ほとんど仮装している人だろう
と外から見ていると思うのですが、実は約半数は普段着です。
ただ、かといって一般の渋谷ユーザーが巻き込まれているわけではなく
多くはちゃんとハロウィンを見に来ている人でした。
カメラもったり色々な仮装の人に話しかけたりその場を楽しんでいました。
つまり見物客なんですよね。

若年層が増えるのも、見物客が増えるのも、
それだけ報道されていたからだと思うので、ネガティブな話題として報道されている割には楽しみにきている人も多いなという印象。
ただネガな報道だからこそ、それを受け取って、来ている人の意識に危険を感じました。(後述します)

3.楽しかったの?

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楽しかった!!!!

ちゃんとしたクウォリティの高い仮装を見るのもすてきだったし
ほんとただのお祭りでした。

まぁ私のような陰キャには相当無理しないと行けないお祭りではありましたが。
仮装は好きなんだけどねぇ。困

4.渋谷のハロウィンは怖いのか

とにかく悪い印象ばかり流布されている渋谷ハロウィン。
参加するのは怖いのかというと、それなりに怖いことはありました。

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参加者:盛り上がって周りが見えてない、何をしても良い空気がある
通常の渋谷利用者:ハロウィン参加者にはとことん悪意をむけて良い意識がある

よくよく考えると、この怖かったことはどちらもネガキャンの成果なんですよね。

「とにかく集まって騒ぎたい」
そういう気持ちの受け皿になってしまっている感じがあって
「ここに来たら何をしてもいいんだ」
というちょっとうすら寒いものを感じました。
それは、ガッツリ仮装をしている集団や毎年参加していると話していた方ではなく
どちらかというと若い子だったり見物客だったりする方に感じたのです。

実はオタクから見ると、集まる人が自分たちでルールを作れない状況ってモゾモゾしたもどかしさを感じてしまいました。
バンドでもアイドルでもなんでもそうなんですが、
最初に集まってきた人が「自治」をすることがあります。
本当に内容は普通に「ゴミは捨てない」とか「会場外で騒がない」とかだけど…
(ただそういう「濃いファン」「元からいるファン」の「自治」には
 「にわか」を嫌煙するむきもあるので、あることが絶対正義でもありません。)
とはいえ、ファンの「自治」の主な役割としては
「イベントに参加しない人の自由や権利を損なわない最大限の配慮をする」こと
にあります。(それはひいてはコンテンツの評価になることもわかっているので)

それをだんだん新しくファンになった人にも広めて行って
ファンが心地よくイベントに参加し、周りとも共存していけるようにしていくのが
上手くいく「ファンとしての自治」
なわけです。
(その上手い「ファン自治」の最たるものが「コミケ」だと思うわけですよ…)

どこでもよくあるのが、なんらかの理由で突然イベントの参加者が激増すると
その「自治」がうまく行き届かなくなって、急激にマナーが悪くなります。
それは「ファン」が悪いのではなくて「大衆」化したことによるんです。

渋谷ハロウィンって最初にあげた友達の投稿と自分の見てきた感想とを合わせると
参加者としての自治が一切できないままに参加者が激増してしまった
もしくは
自然発生のためイベントとしての括りすらないまま参加者が激増してしまった
という状態で、それが続いてさらに大きくなった結果が現状の無法状態を作っているように思います。
【赤信号 みんなで渡れば こわくない】とはよく言ったものです。
実は怖いのは「ファン」じゃなくて、それを凌ぐ「大衆」だと私は思っています。

そしてそのルールというより自治のない状態を報道しまくったわけで
参加していない人にもそういう意識がしっかりとできてしまった。
つまり「渋谷のハロウィンはマナーもなく騒ぎ立てる人の集まり」だということ。
それを知ってわざわざ参加しにきた人はそりゃあマナーないでしょうし
参加してない人は「仮装する人」=「マナーもなく騒ぎ立てる人」として認識していますよね。

だから参加しない人はすれ違っただけでも「嫌な気持ち」を持つ人も現れます。
「暴徒」の仲間に対して「私刑」するひとが現れてもおかしくないですね。
それが私の受けたサラリーマンに突然舌打ちされたり、怒鳴られたことなのでしょう。
そのラベリングと私刑の組み合わせもまた別の社会の闇を感じます。

5. 「ハロウィンを渋谷の誇りに」の意味

もはや誇れる状態にはないハロウィンにたいして、どうしてこういう広告が出ていたのかは謎です。
これ見るだけで嫌な気持ちになった人だっているはずだと思うんだけど。

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報道がネガティブな情報ばかり流す、といっても別に「悪い部分ばかりワザと取り上げて潰そうとしてる」とは私は思いません。
なぜなら単純に報道機関を通さない情報(つまりSNS上の情報)でも「悪い部分」がいくらでも流されていることも事実です。
それは何かの力によってワザと切り取られている内容ではないことも認識するべきだと思います。

ハロウィンふざけんな💢💢💢💢💢なんでこんなこと出来るのかマジで信じられない💢💢💢💢💢画像5

これ、マジでマナーもモラルもなんもないなって思いましたもん…
ひどすぎるでしょう。
これハロウィンじゃなくても同じことできたのかな?って思うと
「赤信号みんなで渡ればこわくない」なんですよね…
正直これがなんらかの歪んだ意図で悪い部分を切り取ってるとは言えない状況をそのまま表してると思うのです。

今年も逮捕者も出ているわけで、ある程度の規制や警官配備などで抑えるといっても正直いまの「主催なし」「ルールなし」の状態で続けることは問題だろうと思います。

どういう形でもいいから「自治」を獲得しないと規制が進んで集まることすらできないようになる可能性だってあると思うのです。
それをするにはまた色んな問題があるとは思うんだけども…

一度はぶっ壊されるかもしれないというところまで来ていることも含めて
「誇りに」ということばには悲痛な叫びにも聞こえてきたりします。

壊されるなんていうのならば、楽しいから何でもしていいってやってきた自分たちの責任なんだから仕方ないでしょう?と反面では思うのです。

そういうわけで、誇りに思うようなイベントにしたいという願いは2つの側面を持っていると思っています。

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自然発生した楽しみを守っていくこと
「誇り」と言えるよう「マナーとモラル」を取り戻すこと

長々と書いたけど、もうほんとこのツイートにただ共感しました…

未来の財産「だったのにな」という部分にすべてが乗っているように思います。
楽しいからこそ、残念な気持ちでいっぱいになりました。

読んでくれてありがとう!心に何か残ったら、こいつにコーヒー奢ってやろう…!的な感じで、よろしくお願いしま〜す。