見出し画像

ライブハウスに5ヶ月ぶりに行って見る側が気をつけたいと思ったこと

先日、ライブハウスに2月に行って以来、初めて足を踏み入れました。
行って2週間経ってひとまず事なきを得たのではないかと感じているので、このnoteを公開しようと思います。

画像1

到着してこの写真を撮った時点で泣いた…

こちらのライブは取材も入っておりました。

はじめにー私にとってライブハウスに行くということ

年間100本行く(つまり3日に1回行っていた)ような日常に近い場所だったものが、突然行けなくなってしまって、そして5ヶ月が経ちました。
その間、色んなライブが延期になり中止になり、配信になり…
ライブハウスに行くということは、ただライブを見ることだけが「体験」としてあるんじゃないんだな…と思うことがたくさんありました。

チケットの抽選に一喜一憂して友達と協力したり、ライブハウスまでの行程をどうするか考えて交通手段や宿を予約したり
普段は会えない仲間と会ったりライブが終わってからみんなで感想を言い合ったり、ひとりでも延々とツイッターに書き込んだり…(ライブレポ描いたり)
遠征すれば各地の観光スポットをのぞいたり好きなバンドが食べていたものを買ってみたり。

そのすべてが私にとっての「ライブに行く」という体験に盛り込まれていたんだなぁと痛感しています。

今回すでに発売されていたチケットを全て払い戻して、その上で再抽選だったために、
チケット抽選からライブハウスに行くっていうのをまるっとできました。
当選通知から当日まで全部のワクワクができたのも、うれしかったと思いました。

もう気持ちが急いたまま人波をかき分けてライブハウスに早足で行く…その間にだって嬉しさで泣きそうになったんだもの。

1. バンドが用意してくれた感染症対策

開催したバンドからは何度かいろんな媒体を通して感染症対策としてお願いしたいことの告知がありました。
公式サイト、公式LINE、Twitter、プレイガイド、しっかり対策が伝わるように発信してくれていました。
「みんなの協力が不可欠だーー不自由を強いることになるがたのむぜーーー」
とまでメンバーに言われて協力しないわけがないだろうと思いました。
そもそもこの協力が「不自由」だなんて一切思えなかったんですけども…

まず、このライブは通常750人のキャパシティを持った会場で、100人しか入れずに開催されました。
キャパの13%です…採算とかマジで気になってしまう…
実際チケット代も当初3800円だったものを5400円に値上げ(+1600円)して、かつ有料配信(2700円)も行うかたち。
値上げ分にお土産つけてくれました…嬉しいけど、なくても値上げして欲しいと思っていました。
個人的にはもっとチケット代高くてもよかったなぁと思って、会場に行くのにも関わらず配信チケットも買いました。

そうやってキャパシティを削減しソーシャルディスタンス取った上で、様々な対策がされていた公演でした。

事前にアナウンスされていた対策は次の通り

席番号による時間差集合(開場前の時間に多くが集まって密になるのを防ぐ)
マスク着用必須(マスク無しは入場不可)
プレゼント・手紙NG
検温の実施
発声の禁止
フェイスシールドの着用(会場に準備あり)
喫煙所封鎖
物販なし(すべて通販)

画像2

事前告知されていた部分は、会場に行く私たちが協力しなければいけない部分でした。
もちろんそれ以外にもたくさんの対策が見られました。

分散して集合した後も細かく入場を区切ってお客さん同士で距離を取れるように入場します。
待機の場所がわかるように、足元には印がついていました。

画像3

その上で会場ロビー入り口でアルコール消毒を誘導されます。
距離を保ったまま並び、非接触の体温計で検温をして入場口にむかいます。

どうでもいいけど、検温するとき体温わかんないから緊張しますね…
夏だし、急いた気持ちで来たし、階段5階分(だっけ?)登った後だし、体温あがってたら…とか考えちゃいました…

会場で支払うドリンク代も交通系ICなど電子マネーも使えました。
チケット自体も電子チケットで、事前に自分の情報を登録するようになっており、譲渡などはプレイガイド以外ではできない仕様になっていました。
(これ、転売防止にもなるなぁ…と思います)
その電子チケットも普段は会場スタッフが操作して「もぎり」するんですが、各来場者が自分でその場でもぎる形になっていました。(操作に慣れてなくてちょっとワタワタした…)

普段オールスタンディングの会場なので席番号の案内がなく、案内スタッフもいなくて、ここで席を探し回ってしまうので、ちょっと勿体ないなぁとは思いました。
席番号表があれば!完璧だった!と思うのに!!
とはいえ、会場内もかなりの対策がされていたように思います。

画像4

座席にフェイスシールドと告知フライヤー1枚、先に書いたお土産が置いてあり
普段ならスタッフが手渡しするところを接触しなくていい形にしたんだな、と感じました。

場内は大型の扇風機が何台か設置してあり空気の循環を意識しているんだなと思いました。(結構気温が下がるので空調苦手な方は上着必要かも…)

ドリンクは今までは会場スタッフさんに注文して、ドリンクチケットを渡し、サーバーから注いで手渡ししてもらう形でした。
ですが、この日はお酒の缶とソフトドリンクのペットボトルが並べてあり、それぞれの飲み物ごとにチケットを入れるカゴが用意されている形になっていました。

PA卓(会場の音などを操作するところ)がいつもフロア後方中央にあったと思うんですが、その場になくて…
おそらく普段の関係者席やステージが見えなくなるデッドスペースに移動されていたのかと思われます。(そのぶん席数を増やすため)

フロアの席も椅子はぎっしり設置されていたものの、距離を置くため「×」マークのついた席もかなりたくさんありました。

退場時も席順で順番に出て行く形でとてもスムーズになっていました。
終演後トイレ閉鎖になってたのも何か意図あるのかな?いつもだっけ?
帰る通路にはフェイスシールドやドリンクの缶などを捨てるゴミ箱が用意されていて、自分で捨てて帰れました。
入り口のアルコールもそのままあったので、何となく消毒してたな…

後から聞いたのですが、メンバーは検査を事前に受け、会場には白衣姿のスタッフ(おそらく保健医的な方かと)もいたそうです。

2. 見に行く側が気をつけたいこと

バンド、バンドスタッフ、会場スタッフ…すべての方々が最大限の対策を考え尽くして準備してくれたであろうことは、その場に行ってひしひしと感じられました。
見に行く私としては、それに応えなければならない…と思ったのです。

ここまで対策を用意してくれたバンドに対して唯一できることといえば

自分が感染しないこと/させないこと

っていうこと。

もっと細かく条件をつけるのならば
「ライブハウス内で感染を起こさない」「ライブの日に感染を起こさない」
このふたつに尽きるんじゃないかと思いました。

2-1. 「ライブハウス内で感染を起こさない」

これはここまで対策を用意してくれると比較的達成しやすいのかなとも思います。
とはいえ、見に行く側が対策を守れなければ結局用意された対策も意味をなさないと思いました。

ここで大事なのは2つ
・見に行く側が正しい知識を持っていること
・見に行く側が提示された対策の意味を理解して実践すること

実はこの日ライブ前に見て色々考えてしまったことがあります。
お友達と来ている二人組がフェイスシールドの組み立てをお互いに教えながらやっていました。ここまでは自然な流れだとは思うのです。
ですが…
ひとりがドリンクを飲むためにマスクを外したところで、もうひとりが話しかけ、そのままマスクもフェイスシールドもなしに顔を近づけながら話してフェイスシールドを着けあう…
という状況を目の前で見てしまったんです。

これを多くの人がやってしまうと用意してくれた対策の意味がなくなります。

この所作を批判したいのではなくて
「なぜマスクをするのか」「なぜフェイスシールドをするのか」という知識がないと
「なぜこの対策があるのか」という意味が理解できない・正しく実践できない

と感じたんです。

新型コロナウイルスが「飛沫感染」という仕組みで感染が起きることや
その飛沫がどうやって広がるのか、そして飛沫を体内にどう取り込まないようにするか
見に行く側もしっかり知っておくべきじゃないかと思いました。
例えば岸田先生のこのツイートを知っていれば、少なくともマスクの意味を理解できます。

なぜ発声が禁止なのか、なぜマスクかなぜフェイスシールドかなぜソーシャルディスタンスか…
お互いの距離が近く、声を出す人がマスクしないことが危険だと知ってるなら、この日のこの場所ではダメだと理解できているかどうか。
友達同士だから良いか…そういう問題ではないよね…というのは次の項目で書くことですが。

感染の仕組みやそれを防ぐ方法を会場に行く側もしっかり勉強して、その上で協力して行くことが大事なんだと思いました。
そういう情報をしっかり会場に行く側が知れる機会…というのも必要なのかもしれない、とも思いました。

ほんの少しの人数しか実際に会場に足を踏み入れられないからこそ、そこに行ける人として、勉強することは必要なんだと思うのです…

2-2. 「ライブの日に感染を起こさない」

もうひとつ大事な視点として気づいたことは「ライブの日に」感染を起こさないということです。

「はじめに」の項で書いているのですが、ライブハウスに行くという時
結構な確率で一緒に行く友達と事前にお茶したり、打ち上げと称して感想を言い合う飲み会をやったりすることがあります。

「どこで」感染が起きたのかって色んな情報が集まってきて初めてわかることだと思うんです。
ライブハウスと聞くと無条件に危険と決めつけるような意識やそれを煽る話はたくさんあります。
その状況の中「ライブハウス」というもののセンシティブさを考えると
そこで感染したのではなくても、行っていた事実と潜伏期間日数などが重なれば疑われるのは間違いありません。

それがたとえライブハウスで起きたのではなく、その前後の飲食が原因でも同日に感染が起きれば発症するタイミングも同じです。
どこで感染したかわからないからこそ「ライブハウスに行った」というのが偏った見方で誇張されないか。医療関係ではどうかわからなくても報道では?と考えるとおそろしくなります。
報道されなくてもSNSで見つけてきた一般人は?
その前後で集まる時には、同じライブに行った人たちが集まっていることが多いです。
その仲間がみんな感染していたときに、前後の飲食かライブハウスか…どう受け止められるのだろう?
想像するととても怖くなりました。

と書いてたら、マジで数日前に実際ありましたね…
報道が酷いからこそ自衛も必要だよね…という意味で書いてたけど報道なんとかしてほしい。
参考までに抗議されてるツイート貼ります。

moleコロナ報道に関して。放送内容をネットで見ましたが、言葉が足りないと感じました。正しくは、コロナ感染者がmoleのライブを見に来ていたことが判明したというだけです。この状態ですと、moleでクラスターが発生したかのような誤解を視聴者に与え、さらにはライブハウスのイメージ損失にもつながると思います。訂正を番組内ですることを強く求めます。また、昨年のmoleの写真がイメージ的に使われていましたが、密を連想させる悪質なものでした。実態と大きく異なる写真を用いている点に、悪意を感じざるを得ません。

もし前後の飲食などの時間でクラスターが起きて事実と違っても、疑われ非難されるのは「ライブハウス」になってしまう。
だからこそバンドやライブハウスを守るために、見に行く側が持つ意識として「ライブの日に感染を起こさない」ってとても大事だと思うんです。

そのためには、前後に飲食をなるべくしない。
前後に飲食するなら大勢にならないようにする。
真正面に座らないようにしたり、話すときはマスクをしたり…
少なくともライブ当日はやりすぎで良いくらいに注意を払いたいと思いました。

だってライブハウス内ではそのくらいの態勢を取ってくれていたのだから。
これは感染しないためと言うよりは、ライブハウスで感染したなどと誰にも言わせないため。友達同士なら仕方ないと甘えるとかそういうことでもない。
バンドやライブハウスを守るために気をつけたい事なのです。

まあ…
報道や一般的意識が変わってくれたら、何よりもいいよね。
って前提はあるんですけれども。

おわりに

ライブに行ってみて、開催側は色々考えて迷ってどうにかできないかと
できうるすべての手段を使った対策がされているんだなと実感しました。

それに対して見に行く側ができるのは、その対策を本当の意味で「守る」こと。

それには対策の意味を理解することが必要だし、当日のライブハウス以外での振る舞いも影響してしまう
そういう自覚が必要だなと思いました。

正直、効果がちゃんと実証されていることでなかったとしても、やりすぎってことはないと思うのです。
ライブハウスやライブイベントというのは何かがあったら非難の集中攻撃を受けやすい。
でも、100%何も起こさないって不可能じゃないかと思うのです。
何かあった時に「ああ、こんなにしっかり対策してファンもこういう行動してたのに、それなら仕方ない」と思ってもらえることをしないといけない。
(それでも開催自体がダメだと言う自粛警察は生まれると思うけど)

「ライブハウス内で感染を起こさない」「ライブの日に感染を起こさない」

こういう目標を持ってやりすぎなくらい注意を払える振る舞いをできることが
見に行く側ができる最大の協力なんじゃないかと思うんです。

その協力は
大事な「ライブ」を守ってみんなが開催できるようにしていくためのものなんですよね。


読んでくれてありがとう!心に何か残ったら、こいつにコーヒー奢ってやろう…!的な感じで、よろしくお願いしま〜す。