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それほんとうに無理ゲーですか?ライブハウスさま

めっちゃ反応されてるけど、これどう思います?
感染症の知識を少しでもこの期間に仕入れて、感染症の継続中の再開を前提に向き合っていれば、ガイドラインレベルのことは想像できたはずなんです。

神奈川ライブハウス、「今日からやるんですか?」なんて聞かれますが、難易度がエクストリームモード過ぎて無理ゲーです。

確かにすべて即座にやるのは難しいかもしれません。そしてまとめてボンっと問題を出されると難しいと感じてしまうけれど、ひとつずつ考えるとそうでもないことって多いですよね。
だから、そんなにエクストリームってほど難しいんですか?って思ったので、ひとつずつじっくり考えていこうと思います。

最初に言っておくと、色んな項目で実はスーパーやドラッグストアがどんな運営をしているか注意深く観察することで、ヒントはたくさん用意されていて、それを徹底的にパクることができると思う。

元のツイートが神奈川県をベースにしているので神奈川のチェックリストをベースにします。

毎週Weekly OCHIAIでその脳味噌の情報処理能力速度を遺憾なく発揮されている宮田先生の関わる神奈川県ですね!
つまり、私にとってこの指標は「医療や社会における発言において信頼できる専門家が策定に関わった」と考えているということです。
今までとは違って専門家から一方的に全面的な禁止をされずに、ライブハウスが努力次第で営業できる希望でもあるんです。

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※上記神奈川県の対策一覧からダウンロード

1. ソーシャルディスタンスの確保(2メートル以上)

ソーシャルディスタンスの重要性については散々メディアでも専門家が発信し続けているので、割と浸透していると思います。

【混雑時における入場制限(整理券配布等)】

そもそも段階的緩和で示されていた通り、キャパシティの50%までしか入場できないということなので…

キャパシティの50%でソールドアウトにするしかないっていうことですね。
あと50%は有料配信などで売上補填していくことを考えなければならないということなので、ここは確かに「難しい」のかもしれません。
ですが、営業を継続するのに難所なのかもしれませんが、再開のハードルとはまた別のベクトルのように思います。


【ステージと客席の間に十分な間隔を取る】

実はリスナーの立場として見ていて、すでにスタンディングでもステージと客席は2メートルくらい離れているのではなかろうかと思っています。

ステージの上のモニターや機材の奥に演者がいること
フロアに柵が設置されている場合、1メートル弱ステージから離れているのではないでしょうか。
フロア最前に柵がない場合は、それを設置することが必要ですが、割とクリアしやすい課題なのでは?と思っています。
実際測ったわけではないのであくまで見ている感覚でしかないのですが
私の最愛のバンドもこうやって歌ってますし。

キミとの距離は2メートル もうちょい頑張りゃ触れられそうです
             serial TV drama「ティリラ・ティリラ」

頑張らないで触れないようにしてね…。

そう、むしろここで気を付けるのは、ライブハウスの設備的な問題ではなくて
「演者は機材の前に出てはいけない」という制約を受ける「客は柵を越えてはいけない」という制約を受けるということではないでしょうか。


【客と客の間隔を2メートル以上確保する】

ここが一番の難所だと思うけれど、やってやれないことはない。
マキシマム ザ ホルモン「マスターオブテリトリー」

2012年3月24日開催ってことで私自身はそれどころじゃなかったから全然記憶に残ってなかったけれど、このライブレポートは読んでみる価値がある。
本当は自由に全ての楽しみを提供されるのがベストだけれども、これをエンタメにまで昇華してたバンドがいるくらいなので「こういう楽しみ方」で開催できるっていうことは知っておいていいかも。


マスターオブテリトリー

いや、正直な話。
落ち着いて少し体を揺らしながら聴くタイプの音楽だったら、むしろマスがあったほうがゆったり聞けていいのではなかろうか…とすら思う。
私はそういうゆったり聴くようなライブも大好きだし、どちらにせよ人と接触したくないし、むしろ環境的により楽しめる可能性のが高い…
そういう人・音楽ばかりじゃないから、楽しみ方の制限がなされることは問題。

でもマス目を引く運用はレジの並び方とかも参考になるし、楽しみも先行事例があるので、悲観的な難しさじゃないと思う。

2. 従業員及び来客等の保健衛生対策の徹底

【従業員及び来客等のマスク 等 着用】

マスクしてないと入場制限とかやっていいと思うのよ。
だってそうじゃないと、営業停止になったりしたら困るのは会場側なので。
そしてそういうリテラシーを来場側も持つことも重要

【従業員及び来客等の 手洗い・ 手指消毒】

手洗いしてから入場してね!はできないけど、トイレでは手洗いしてねって言う喚起はできますね。
それから入口にアルコール設置することも可能だと思う。

【回し飲み禁止について注意喚起】

注意喚起なので…共通ポスターとかあればいいのではなかろうか。
なんなら作るか…

【飲料等の提供は、できるだけ紙コップ等を利用するなど、食器等を通じた感染の回避に努める】

リユースカップ使っていたところが紙コップになっていくという…
どっちが良かったんだろう問題はあるものの…
経費問題があるけれど、だったらドリンクをすべて缶にしたほうがいいとか色々考える必要はありそう。

【消毒液の設置、ごみ廃棄時の衛生管理、 従業員のユニフォーム等 のこまめな洗濯】

消毒液は入り口とドリンクカウンターに設置があれば良いのかなぁ。
衛生管理、洗濯はもうしてくださいとしか…

【従業員の体調管理、来客等の入場時体調チェック】

自己申告でしかないけれど、自己申告させることは重要かなと思う。
体温計使い回しの方が怖いので、自己申告でチェックがあるということが抑止力になることを祈るしかない。

3. 共用物の衛生管理・換気の徹底

【客席、テーブル、利用設備・機材等についての消毒】

ひとの出入りが多い小売のお店よりもよっぽど消毒に関しては楽なはずで
開場前の掃除の手間は増えるものの、公演が1日1本であるなら1回で済むでしょう。だからやりましょう。お願いですやってください。

基本的に「人が触りやすい場所」をあらかじめ割り出しておけば結構効率的にできると思うのよ。だってライブハウス、そんなにアチコチ触るわけじゃないから…


【換気設備による換気、又は窓の開閉による毎時2回以上の換気】

ここが一番ゆゆしき問題だと思う。確かにこれは難しい。

満員のライブハウスでドアが閉まらない
もしくは
遅れてきたソールド公演で会場のドアが開かない

という経験をしたことある人、結構いると思うのです。
これ、何を意味しているかって「密閉」されているってこと。
あの、味噌汁の蓋が開かないのと同じやつ。

つまりそのくらいライブハウスの会場って「密閉」なのです。
空気が入らないし逃げていない。それは音響との兼ね合いが大きいと思う。
けど程度問題でもあって、密閉空間で人がたくさんいて空気が入ってこないって人にとって「そもそも危険な場所」なんだよ。
酸素ないと人は生きられないんだよ〜。

だから少なくともこれはお客が入るとドアが開かなくなるっていうライブハウスは「換気設備」の整備が必須だということです。
防音換気できる施工については、ある程度紹介できると思うので、必要のあるところは連絡ください。

換気設備の整備については経産省から「事業再開支援パッケージ」「事業再開枠」として補助金があります。申請してみるのはアリだと思います。


【トイレにおけるハンドドライヤー等の使用中止】

難しいことではないですね。使用中止してください。


4. 会計時等の非接触

【電子マネー等非接触型決済の導入、もしくは支払時のコイントレイの使用】

電子マネーはPaypayでバーコード払いするのは比較的導入しやすいと思います。
コイントレイについては1レジにつき2つあればできるし簡単に購入できるのでそんなに難しいことはないはず。
トレイの使い方慣れればわりと簡単だし(接客業やってた時、トレイでしかやり取りしないルールのお店でした)

5. 感染が発生した際の利用者への情報提供

【SNS等の技術を活用した、施設利用者に対する感染発生状況等の情報提供】

プレイガイドでのチケット購入では延期中止の際も個々のチケットに対して、公演情報が配信されてきました。
なので、プレイガイドを通した公演については(利用規定とかで制限がなければ)「利用者が発生状況を知る」ことはできるでしょう。

これがプレイガイドを通さない場合のチケット購入についてがより問題です。
公演主催や出演者、ライブハウス自身がSNSなどで発信することも必要です。

それからバンドやライブハウスでの予約システムでは基本的にメール等を記載してもらっているので、それを感染発生を知らせるときにも使うことを了承を得ておけばいいのではないかと思います。
ちなみに発生源を知らせるんじゃなくて「『感染した人がいたよ〜』ってお知らせが来るのにメールを使うよ」っていう了承ね。ここ個人情報保護法とかの関係。

6. 業界ガイドラインの遵守

※業界のガイドラインがない場合はチェック不要です。ともありますね…

業界のガイドラインは私のようなユーザー側にはわからないのですが
「興行場」だったり「飲食店」だったりという営業許可を取っているはずなので
それに適切な「衛生管理」であってほしいな、と思います…。

客として言います。

最近では少なくなったとは思うものの、利用してるリスナーとしては
 ドリンクで床がベトベトしてる(のがスニーカーを通してわかる)
 換気のところでも書いたドアが閉まらないほどの密閉状態
 トイレの便座がずれたり、落ちたりする
というような環境がライブハウスにはあることが、日本の衛生意識の中で異常だと感じています。

参考で中国の記事を貼っておきます。中国のレストランの話が途中出てきます。
「ちょっと嫌だな」と思ってしまうような清潔ではないトイレ…ね。

例えば、中国ではレストランで「ちょっと嫌だな」と思ってしまうような清潔ではないトイレが普通にありましたよね。そういうのは本当に減りました。消毒液での清掃をしっかりとやるようになり、手洗いも相当強化されています。

飛躍した話

ところで私が安全にライブハウスに行くことをずっと考えてきて
こういった↓ことには対応が必ず必要になるだろうと考えていました。

配信ライブによる観客50%減の売上減少対策
電子マネー/電子チケット/電子ドリンク代等の導入
従業員及び来客等のマスク着用等の注意喚起
来客等の入場時体調チェック
施設利用者に対する感染発生状況等の情報提供

これってテクノロジーで解決する問題じゃないんだろうか…

感染発生状況の情報提供で、来店記録を連絡先含めて取るってことなので
これはめちゃくちゃ電子チケットの「もぎり履歴」と相性がいい。
そこに配信ライブのプラットフォーム載せたアプリになっていて、実際に行くライブのチケットも有料配信ライブのチケットも投げ銭も電子決済可能。
配信ライブの映像はアプリ上でダウンロード可能。いつでも見れる。
チケット取ったらカレンダーに追加、リマインドと注意喚起がアラートされる。
なんならGoogleMapと連動して場所と経路も確認できる…
電子チケットで入場するには当日の体調のアンケートを登録しないともぎれない。

1つのライブハウスがそれぞれアプリとかサイトとか作ると、ユーザー的には絶対使わないので、ぜんぶひとつのアプリにまとまっているのがDLする条件になりそう。

誰かこういうアプリを作る技術のあるライブ大好き人間いたら連絡ください。
眠ってた企画開発としての人格、まじで起こすので。

まとめ

ここまで読んでくれた人も気づいてほしいのだけれども
今までと100%同じように再開しようとすると、100%無理なんですよ。
演者もリスナーもライブハウスも「制限」を受けたままだっていうこと。

制限されても、それでもライブがいい。
それとも、100%の楽しみが保証できないなら生でライブはしない。

どっちを選んでも正解だと思う。

私は、制限があってもどうしてもライブに行きたい。
配信じゃ得られないものがそこにはある。
オンラインでは視覚と聴覚しかない。
でもライブって耳で音を聞いて目で演者を見てるんじゃなくて
全身で音楽を感じているもの。だからライブに行きたい。

たとえそこに、楽しみ方の制限があろうとも。

もうずっと2ヶ月間、同じことしか言ってないんすよ、私。

実は今ライブハウスがやらなきゃならないのは「今まで通り営業することを目指す」ことじゃない。
大きく変化して「安全を確保して営業できる形態は何かを求めること」
これは各研究を待たないとならないし、費用もかかる可能性が高い。
だけど、進まないと取り返せない。

「これなら営業活動可能です」っていう指針が出たんだから、それを「無理ゲー」なんて言わずにちゃんと向き合ってライブ再開してください。

そのためにリスナーはリスナーで「新しいライブ様式」をどう受け止めるのか考えないと、ともリスナーである私は思っています。

読んでくれてありがとう!心に何か残ったら、こいつにコーヒー奢ってやろう…!的な感じで、よろしくお願いしま〜す。