見出し画像

イラストレーターと名乗るのを辞めたい

イラストレーターのつかはらです。
と言いながら「なんだそのタイトルは?」というツッコミが入りそうですよね。
わかります。

このノートを書こうと思ったのは別のノートに「スキ」をくれた方を見に行って
そこで目にしたこちらのノートがきっかけでした。

イラストレーターの方はなぜイラストで食べるのではなく、
イラストレーターとして食べようとする人が多いんでしょうか??
特にイラストレーターの方で十分な画力があるのに、
競争率の激しいイラストレーター市場で戦おうとしてる方々は実際多い印象です。

ほんとうにそうなのですよね。
「イラストレーター」という業界の中だけではもう相当飽和していて
かなり狭き門を全員で叩き続けているのが現状だなと思っています。

ただ「自分の絵」「自分の個性」をより前面に出して
「定期的」な仕事を探そうとすると「イラストレーター」という市場が

(1社あたりという意味で)「仕事の総量が多い」という風には思います。

だからこそ
私は「イラストレーターの仕事ではなくイラストを描く仕事がしたい」
と思っているんです。

イラストレーターの仕事とは

おそらく普段「イラストレーター」と接したことのない人にとっては
「イラストで食べる」ということと「イラストレーターで食べる」という違いが
全くもって、ちんぷんかんぷんな話だと思います。

では「イラストレーター市場」ってなんなのかを説明したいと思います。

一般的にイラストレーターになりたいというと
「装丁(本の表紙)」や「挿絵(本や雑誌)」「広告のメインビジュアル」「商品のパッケージ」などが目にとまるものになってきます。
つまりクライアントとなり得る業界というのは4つに絞られてしまいます。

・出版
・広告・広報
・デザイン
・WEB制作

そこで「イラストレーター」がする「営業」とは
業界各社にどうにかして「ポートフォリオ(作品集)を見せる」ということ。
見せて「機会があったら連絡しますね」という「連絡」を待っているということ。
「機会」を作るために定期的に連絡していくということ。

ですが、仕事が来るかどうかはわかりません。
来るかどうかはクライアント次第の「待つ」タイプの仕事の取り方です。
「実力」ももちろんありますが「自分の絵に合った仕事があるか」などの「運」も大きく左右してきます。

「仕事の報酬は仕事」である。
とは前職の尊敬する上司が言っていたことではありますが、本当にこの通りです。
まずは仕事をしたことのある方が選ばれていくことが一般的です。

そういった意味で、新規参入のかなり難しい仕事であることは間違いありません。

しかも4業界しかクライアントがいないのです。
まさに血で血を洗う競争の激しい既存市場「レッドオーシャン」です。
それが「イラストレーター市場」です。

イラストレーター市場はそれで良いのか

今年の年始にある方がイラストレーターの引退についてfacebookで記事を書かれ
(現在、ページは消されているようですのでお名前出すのも控えます)
業界内でかなり話題になりました。印象的なのがこの一言。

仕事が来なくなったら、引退

そりゃあ、今まで話してきた既存市場の中だけにいたらそう成らざるを得ません。

まず「イラスト」を描く人たちは「イラスト」の必要性を4業界以外にも広めて
「イラスト」の価値をわかってもらうことが必要です。
その上でしっかり発注をしてくれる企業や業界を見つけていかなければならないのです。

まさに啓蒙の時期で、
未開拓市場「ブルーオーシャン」を開拓しなければならないとも思っています。

イラストを描く仕事は他にもある

そんな大それたことではないにしろ、イラストレーター市場自体が
もはや「食べていける市場」ではないことはここまで読んでいただければわかるとおもいます。

それでは「イラスト」が職業になる可能性は低いのでしょうか。
今まで書いてきた通り「イラスト」を使っている業界は4つしかないんですよね。
逆に言えば、そのほかの業界にイラストの必要性をわかってもらえば
かなり広い範囲で仕事があるはずなのですよね。

実際イラストレーター市場の中から出て仕事を得ている人は、Twitterなどを見ていると「それなりにいる」と思っています。
大きく方向転換しているというよりは、例えばWEB媒体でBtoCを狙ってみる等
少しずつ範囲を広げていっているような印象です。
確かにそのほうが「確実に」受け入れてもらえる可能性が高いと思います。

やりたい「イラストを描く仕事」先

私が考えているのは少しずつではなく、結構大きい方向転換です。
「個人事業」「中小企業」へ「イラスト」を広められないだろうかと考えています。

なぜなら「イラスト」が活きる事業には「個人事業」「中小企業」が多いのではないかと思うからです。

「イラスト」が活きてくる事業というのは、私が考えているのはこんな事業です。
(「なぜか」の説明は今度別のnoteを書く予定です。)

・目に見えないサービスで、言葉だけで内容がわかりにくい事業
(例:IT・コンサル・投資・保険 など)
・内容が一般の人には難解な事業
(例:士業・専門分野を扱う事業・他にあまりない珍しい事業 など)
・生々しい表現を避けたい事業
(例:医療・ゴミ処理・害虫駆除 など)

こういった事業を考えた時に、
個人経営や中小企業の多い分野が多く存在することに気づきました。
例えば、個人開業医さんだったり、個人事務所の士業さんだったりです。

個人事業・中小企業が宣伝費をなかなか捻出しにくいことも理解しています。
(なにせ自分がそうだからねえ)
だからこそ、効果的でしっかりとしたスキルに基づくものを提供したいのです。

個人事業・中小企業がより事業を広めるためのビジュアルツールを作ること
それが私にとっての「イラストを描く仕事」だと思っています。

「イラストレーター」の業界に憧れはないのか

「装丁」や「広告」に自分の絵が使われることに憧れがないといったら違います。
そりゃ、自分の絵を使って欲しいと思っています。
だから私も「イラスト」のマガジンがこのnote内にもあるわけです。

ただ、その「イラストレーター」を目指すには(一般的に)
他に職業を持ちながら自分の生活できるだけの収入を確保しつつ
空いた自分の時間を使っていくしかありません。

現状、都内で自活していて、時給で仕事をしていくとして。
「自分の生活できるだけの収入」が満足に確保でき、自分の空いた時間があるか
そう考えると、かなり現実的ではありません。
以下に時給1300円でモデルケースとして書きますが
引き上げ後であっても、東京の最低賃金は「1013円」です。

1日8時間、週5日 時給1300円で働いた場合、月の手取りは約17万円
家賃6万、光熱費2万、食費5万、携帯1万、生命保険1.5万、交通費1.5万=17万
※画材を買うことも、友達と遊ぶこともできない

果てにようやくなれたと思ったら
10年以上「イラストレーター」をやって仕事がなくなって引退
その後は「生活保護」という話も後を絶たないわけです。

それであれば「イラストレーター市場」に参入するのを目指しながら
「イラストを描く仕事」で「自分の生活できるだけの収入」を得ていく方法もある

というのが私の考えていることなのです。

だから私はいま
「イラストを描く仕事」で「生活できるだけの収入」を目指しています。

「イラストレーター」と名乗るのを辞めたい

イラストレーターと名乗ると途端に「イラストレーター市場」で仕事をしている人
という捉え方をしてくる方が多く、困っています。
それと同時に
私自身の中でも「イラストレーター市場の仕事」と「イラストを描く仕事」を明確に分けておきたいとも考えています。

なぜならその二つの仕事は
似て非なるものであり、一般的には違いが明確にわからないからです。

私がいま求めている仕事は「イラストを描く仕事」です。
それをするにあたり「イラストレーター市場」にいるのではないことを示す
肩書きが必要なのではないか、と今真剣に考えているところです。

こちらに紹介しているものでいえば、この4つが特にあてはまります。

1. 事業用マンガ
2. イラストレーションチラシ
3. ノベルティ制作
4. 資料作成 

これ以外にも社内用マニュアルだったり、企業理念のビジュアル化だったり、
講座や会議のレポートイラストだったり、写真ではないビジュアル化が必要なもの
それはすべて私の「イラストを描く仕事」につながります。

さて、このお仕事は一体なんと呼べばいいんでしょうね。
もう少し考えてみたいと思います。

読んでくれてありがとう!心に何か残ったら、こいつにコーヒー奢ってやろう…!的な感じで、よろしくお願いしま〜す。