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日々雑感②


オリンピック開催とともに、コロナ感染者数(後述しますが、本当は「PCR検査陽性者数」ですよね)が増加していますね。
とはいえ、東京や関東だけでなく全国規模で増えてることを考えると、オリンピック選手村が規定どおり厳格に運用されてなかったにせよ、オリンピック開催との直接的な関連は少なかった気がしています。(お祭り気分で自制できなくなった、という主張もあるとは思いますが。)

少し前まで「東京で1000人超えた」とみんな驚いてたのに、今や「東京で5000人」と聞いても、「まぁそうだね」といった反応になってます。新宿や渋谷といった繁華街をはじめ、開いているお店に多くの人が集まっていることをみんなが知っているからでしょう。
いや、お酒自体にコロナを拡散させる能力はないですし、お店を開けること自体がコロナを拡散させている訳ではありません。当然、お店を開けている人、お店に行く人、それぞれに「正義」があるんだろうと思います。

例えば、ある居酒屋の店主は『これまで要請に100%従ってきたけど、感染者数はゼロにならないから、原因は飲食店ではないと思う』とか、『周囲にコロナになった人なんていない。コロナなんて全部ウソで、世界的な金持ちネットワークによる陰謀だとSNSに書いてあった』といった意見ですね。
昔は、為政者たちの情報統制によって、都合の悪い情報が洩れてこないために真実がわからなかったと思うのですが、今や情報爆発によって真実がわからなくなっているとも言えます。木を隠すなら森、といった感じですね。

僕は、先ほどの意見に共感できませんが、それでも「無理やりにでも、もっともらしい理由をつくらないと、一生懸命に働いてきた自分としてはお店を再開しにくい」と相当追い込まれてることからの発言だとすれば、そこには共感します。
結局、要請を守ったために経営破綻しても、誰も助けてくれないだろうことを考えると、いつ明かりが差すかわからない中、真面目に要請を守ってるだけ、という訳にはいきません。別にルール違反したい訳でも、ズルしたい訳でもなくて、ただ、これまでどおり真面目に商売を続けたいと思っている人ほど、本当に困っているのではないかと推察します。
支援金制度により、働かずに以前よりも収入が増えたお店もある一方、全くの「焼け石に水」で、ただただ必死に耐えていたお店を、論理的な正しさ、現時点でのルールだけで斬り捨てることは、必ずしも正しくない気がします。

また、いくらお店を開けようとも、飲みに行く人がいなければ「開店休業」になる訳なので、そういう意味では飲みに行く人の方をもっと掘り下げて考えるべきだろうと思います。
実際に、コロナ初期には考えられないほどの人数が飲みに行っていることからすれば、例えば、以下の二点が大きいと考えられます。
 ➀ コロナ慣れ
 ② 自粛疲れ
 ➂ ワクチン接種の推進

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まず、➀は多くの日本人が世代を超えて感じていることでしょう。
家から全くと言っていいほど出ない人は、「家から出るのコワイ」となってる可能性もありますが、学校や会社へそれなりの頻度で通っている人は「こんな感じならコロナ感染しないんだな」といった、自分なりのコツを持ってると思います。
本当は、単に運が良かっただけなのかもですが、それでも1年以上の「実績」は、本人に何らかの自信を植え付け、人によっては、やや慢心という方向に振れているかもしれません。

②は、コロナ前と比べれば、「●●してはならない」という禁止が多いことも含め、多くの人が感じていると思います。
特に、お酒だけでなく、旅行で思い切り羽根を伸ばすなんてこともできないため、ストレスを発散する場がないということもあると思います。

そして、➂です。
以上の➀②を踏まえて、ワクチン接種が完了したらどうなるでしょう?
『これまでより、感染対策を少し甘くしても大丈夫だよね?』
『いつも路上飲みしてる仲間とだから、お店で飲んでも同じだよね?』
『実家暮らしだから飲み会はパスしてたけど、祖父母も両親もワクチン終わったし、もう良いよね?』
といった理由で「行動が緩む」のではないでしょうか?

世の中では、感染爆発の主要因はデルタ株の感染力の強さにあるとの話になってますが、それはやや情報操作的な印象があります。当然、デルタ株による影響もあるとは思うのですが、全国一斉に起こっていることを考えると、オリンピックの影響と同じで、なぜ東京を含む関東だけが先行しなかったのか(デルタ株比率は関東圏が高かった)疑問が残ります。
これまでは、大阪、札幌、沖縄、といった特定地区で先行していたため、今回のように全国で一気に広まってる状況を鑑みると、全国で行われているイベント(ワクチン接種)による影響が大きいのではないかと推察します。

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では、なぜ「救世主」の➂ワクチン接種が、感染爆発を誘発しているかと言えば、やはり政府や自治体が規制を「適切に」コントロールしようとしなかったことにあるのではないかと考えています。
論理的に正しくやることに傾注しすぎて、挙句、とても守れないレベルの規制を出し続けた、とも言えるかもしれません。喩えて言うなら、「街に出ると交通事故に遭う可能性がありますので、なるべく自宅にいましょう」といったメッセージを出し続けていたからではないでしょうか。

本来なら、規制は「一時的に」「やむを得ず」「最低限で」やる、そして早急に代わりの方法を用意すべき、であったはずなのに、PCR陽性者数の増減に応じて、(国民の不満を和らげるために)ご都合的に飲食店の規制を緩めたり強めたりして、あとは個人の行動制限に頼るだけ、になってしまったんだと感じています。
こうしたやり方を多くの国民から見透かされた結果、「緊急事態宣言が出る前に、Aさんの誕生パーティーやっておこうよ」みたいな行動パターンにもなっていたと思います。これだと、規制がむしろ感染増のきっかけづくりになってますよね。

あ。ちょっと脱線しますが、冒頭の『本当は「コロナ感染者数」ではなく、「PCR検査陽性者数」ではないか』の真意は、PCR法自体はそれなりのプロの方が取り扱えば正確な結果が得られると思うのですが、とはいえ、そもそも検査のための技術ではないため、検体取得から判定までの手順や操作を考えると、検査の精度としては必ずしも十分ではないように感じています。
つまり、PCRで陽性だった結果は事実だとしても、だからと言って、感染者とイコールではない、と考えています。

さて本線へ戻しましょう。
飲食店について言えば、「換気能力の確保」「二酸化炭素濃度濃度のモニタリング」「フィジカルディスタンスの確保(衝立設置)」「接触確認アプリCOCOA徹底」「一人1日2時間まで」…といった方法でリスクを一定以下にコントロールするようにすれば、営業可能とすれば良かったのではないか、と思います。
当然、家でじっとしているよりリスクは高くなりますが、ひたすら我慢を強いて、結局は誰も守れなくなって、路上飲みになったり、宅飲みになったり、あるいは闇営業になったり…よりはマシではないかと思います。
つまり、先ほどの喩えで言えば、「街に出るときは、交通事故のリスクを減らすために、歩道を歩く、交差点では一旦止まる、信号を守る…、が大事です」ということですね。

もちろん、昨年4月の「正体不明」だったときは、厳しめのコントロールで合っていたんだろうと思います。
しかし、少しずつわかってきたことがあるのに、規制や対策にはなんら反映されないとしたら、それは不信感にしかならないでしょう。
それなのに、そうした気持ちに寄り添うことなく、一方的な正論でどんどん追い詰め、多くの人を水面下に潜らせた結果、誰も何もコントロールできなくなっているのではないでしょうか。

実は、散歩がてら、ふらふらフィールドワークをしてるのですが、そうすると、飲み屋にいるのは、確かに若者グループが多いのですが、中には「ワクチン接種したから大丈夫」と言っている高齢者グループも見掛けたりします。必ずしも、若者が加害者、高齢者が被害者、といったわかりやすい構図ではないと思います。
また、開いているお店が限られることから、コロナ前は混んでなかったような、お店であっても多くの客が並んでいたり、朝までお店を開けてたり…で、加えて、そういうお店は席も「密」なんですよね。
これは、要請を守らないなら反則金を支払え、という構図になってるがゆえに、「一つルールを破ったなら、二つでも三つでも同じ」「反則金を上回る収益を上げないと」って考えになってるんだと思うんですよね。

いずれにせよ、世界的に見ても、ワクチン接種による効果で死亡率は明らかに低下しているようです。
その結果、イギリスのように、積極的に規制撤廃を推進しているところもあります。感染者が増えようとも死亡する可能性が低いのであれば、インフル同様として扱う(むしろ集団免疫獲得につながる)という考えだと思います。
規制撤廃していない日本では、結果的に個人の自己判断で規制撤廃が進んでいるのかもしれませんが、この成否については、今後徐々に明らかになっていくでしょう。

また、ワクチン接種については、個人の価値観に基づいて自己判断で進めていくべき、と言う点には同意するものの、とはいえ、こうした一進一退を前提とする取り組み方だと、結果的に、現行のワクチンが効かないウイルスへの変異を加速することになるかもしれないと感じています。
まさしく「合成の誤謬」(個々には正しいことでも、全体で見ると誤りとなること)になるかもしれない…と思います。

ということで、今日はこの辺で。

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