マガジンのカバー画像

東京の話

17
運営しているクリエイター

#小説

21.「ダサいスーツを、着こなせるようになった」

ダサいスーツを、着こなせるようになった。 わたしは昇進したのだ。 入っては辞めて、入って…

19.「私のお家は杉並区にありまして」

「私のお家は杉並区にありまして」 仕事帰りの1人飲みはサイコーだよ! 好きなものを、好き…

2.「小田急キャッツアイ」

「小田急キャッツアイ」 少しだけ雨が降っていた。 23:30 25歳、6月。 焼けた肌に映える…

3.「ロングヘア」

「ロングヘア」 駅前のバス停の通りにあった本屋さんは私の行きつけで、3階の漫画コーナーも…

4.「まりちゃんと杉並区」

「まりちゃんと杉並区」 わたしの同居人の名前はまりちゃん。 25歳の女の子。 25歳はもう女の…

5.「なこちゃんのキラキラゴミ屋敷」

「なこちゃんのキラキラゴミ屋敷」 なこちゃんの家はゴミ屋敷。 なこちゃんはゴミ屋敷だとは…

6.「素敵な5332日」

「素敵な5332日」 電車を降りて、耳にかけていた髪をおろす。 頬にかかる髪があると安心できる。 つまらなくなってしまった。 自分の部屋が嫌いで、いられなかった。 どうしようもなく捨てられない物ばかりがある。 桜ヶ丘にお気に入りの飲み屋があった。 1人で仕事終わりに行くのが定番だった。 店員に連絡先をわたされてから一気に興醒めしてしまった。 もうここはダメだ。 オフィスカジュアルに身を包み家を出る。 肩がぶつかって舌打ちをされる。 この街は臭い。うるさい。歩きづらい。 だ

8.「改修工事中」

「改修工事中」 急行が運休なんてついていない。 いつもより早めに会社にいくから、 早めに…

9.「シティボーイ」

「シティボーイ」 東京に出たならば、 やっぱり僕はIT会社とかWEB会社とか、 そういう今時っ…

10.「La lune brille pour toi」

「La lune brille pour toi」 彼の口ずさんでいた日本語の曲のメロディには聞き覚えがあった…

11.「ベルジャンホワイト」

「ベルジャンホワイト」 嫌いな人に嫌いと言えないから、 仕事を辞めた。 ベルジャンホワイト…

12.「Summer with distance 」

「Summer with distance 」 ビーサンでGO! 誰にも会わずに商店街を抜けて、 コンビニでチョ…

14.「煮込みハンバーグ」

「煮込みハンバーグ」 1年間の浪人時代を経て、 わたしはようやく大学進学をした。 同時にお…

15.「僕の人生をカテゴライズしてほしい」

「僕の人生をカテゴライズしてほしい」 僕の人生を、カテゴライズしてほしい。 君なりの言葉でいいから。 路地裏を歩いていて、カレーの匂いがしたとき。 昼間の公園でヨーグルトを食べながら、 ドッジボールをしている子供達をながめたとき。 自分だけが溶けてしまう気がする。 シャワーを浴びながらいつの日か終わりが来ることを考えてしまうとき。 誰かが僕のことを考えていてくれたらいいのに。 本当は君じゃなくていい。 誰だっていいんだ。 0.5+0.5は1だ。 君と僕は気