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サブスク婚活

2月のテレ東のシナリオコンテストに応募します。
今回は2月のコメディーで【サブスク彼氏】で投稿します。

▼あらすじ

茉由は、バイト先で突然クビを言い渡される。
理由は、茉由がバイト先で、全員の男性に告白したことでクレームがあったことだった。
茉由は、就活をするがうまくいかないので、婚活をしようと思い、サブリク彼氏に登録をする。
そこで、冷徹なイケメン勇樹と出会う。
出会った当日、茉由は勇樹に『結婚してください!』と逆プロポーズをする。そこで、茉由は勇樹に言い負かされる。

そして、最後に辿り着いた恋は一番近くにあった。

▼人物表

冬木茉由(25)…フリーター
宮本光(25)…会社員・茉由の幼馴染み
荒川勇樹(25)…サブスク彼氏・超イケメン
沖田雄二(30)…茉由の働くコンビニの店長

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▼脚本

〇コンビニ・店内

コンビニのレジにいる冬木茉由(25)。
茉由「ありがとうございました!」
元気よく、挨拶をする茉由。
店長の沖田雄二(30)がやってくる。
店長「冬木さん、ちょっといい?」
茉由「はい」
店長の後に着いていく茉由。

〇コンビニ・事務所・中

店長はイスに座り、向かい合わせで茉由は立っている。
茉由「え!なんでですか?」
店長は困った顔をしながら、頭をかいている。

店長「いやぁ…自分で心当たりとか、ない?」
茉由「ないです!私フリーターだから、急にクビなんて困ります。めちゃくちゃ元気に挨拶して、仕事も真面目にやってたのに…なんで私がクビなんですかぁ」
茉由は悲しげな表情をする。
店長は、しかめっ面をする。
店長「確かに、仕事は真面目にやってくれてたんだけどね…」
茉由「じゃあ、何がダメなんですか!!」
店長「いや…その…」
茉由「言ってください!」
店長「クレームが…ね…?」
茉由「え?どのお客さんですか?」
店長「お客さんじゃなくて…。君、うちの店の従業員全員に告白したでしょ…」
茉由、一瞬固まり、コクンと頷く。
店長「それで全員からやりずらいって相談されちゃってさ…ごめんね…」
茉由、眉間にシワを寄せ、ふくれ顔をする。

〇ファミレス・店内・夕

茉由と宮本光(25)が向い合せに座っている。
光はスーツを着ている。

茉由「クビなんてひどくない?!?!」
呆れた顔をする光。
光「従業員全員って…お前、一体何人にコクったんだよ」
茉由、指を折って数えていく。
茉由「12人くらいかな!」
光、飲み物を吹き出す。
光「予想以上だったわ…」
茉由「でもさ!本当にひどいんだよ!」
光「はいはい」
茉由「だってさ、全員じゃないんだもん!」
光「は?」
茉由「店長には告白してないもん!ってことは全員じゃなくない?絶対店長の嫉妬だよ。私は悪くないもん…」
そういいながら、泣き始める茉由。
驚く、光。
光「はぁ?!おい、みんな見てるから。泣くんじゃねぇ」
茉由、その言葉に一瞬泣き止み、再び大きな声で泣き出す。
店内にいる他の客が、光を見ている。
光「おいっ!茉由!」
茉由、顔を上げると、変顔をしている光。
笑う、茉由。
光「とりあえず、明日からどうすんだよ」
茉由「うん…また好きな人探す」
光「そっちじゃねぇ!仕事探せよ」
茉由「光はさ、いいよね」
光「何が?」
茉由「一流企業に入って、正社員で働いて、彼女はいなくても人生バラ色だよ。幼馴染みなのに何という格差…」
光「彼女いないは余計だわ」
茉由「あーあまた就活か…私会社受かったことないのに…あ、でも出会いはあるかも!か!」
ジュースを飲む茉由。
光、茉由を見ながら、深くため息を吐く。

〇茉由の家・中・夜

机に向かって、履歴書を書く茉由。
光からLINEが来る。
LINEの画面「まぁ、がんばれよ」
画面を見て、大きく頷く茉由。

〇ファミレス・店内・夕

座っている茉由。
ノートに羅列されている企業名が線で潰されている。
深くため息をつき、下を向く、茉由。
光がやってくる。
ドカッという音がして、顔を上げると光が向い合わせに座っている。
光「よぉ」
茉由「よぉ」
ため息をつく茉由。
光「おいっ、まぁその様子だとまだ見つかってないみたいだな」
茉由「12社全滅。コンビニの告白の回数と一緒だよ…最悪」
光「そこかよ」
茉由「……私、無理みたい」
光「まぁ、そう落ち込むなって」
茉由「うん。だから、決めた。私、婚活する」
光「は?!」
茉由「見て」
茉由は光に履歴書を見せる。
茉由「やっぱり私の長所は恋多きところだと思うんだよね。それって、私は仕事より家庭っていうか、そういう方が向いているってことだよね?」
口を開け、唖然とする光。
茉由、大きく頷き、去っていく。
光「なんでそうなんだよ…」
光、ガクリとする。

〇茉由の家・中

パソコンで【婚活 方法】を検索する茉由。
【今すぐ彼氏を作っちゃおう♡結婚も夢ではない!】というサイトにクリックする。
サイト名は【サブリク彼氏】と表示されている。
そこには【気になる彼氏をclick】という文字と男の写真が並んでいる。

茉由「へぇぇ、こんなのあるんだ!」

茉由、目を輝かせている。
パソコンの隣に置いてあった、履歴書を裏返し、そこに【彼氏を作る→結婚できる→OK♡】と書く。
画面を見て、頷き【サブリク彼氏】に登録する茉由。

男の顔写真とプロフィールを次々に見ていく茉由。
茉由「わ、かっこいい…!紳士…!よし!」
【沖田雄二】という男の顔写真をclickする茉由。
【デート日はいつにする?】【待ち合わせ場所は?】などの質問に次々と答え、入力する茉由。
予約完了のメールが送信されてくる。

メール画面【〇月〇日、〇時より、沖田雄二があなたの彼氏です。デート場所は〇〇です】

ニヤニヤする茉由。

〇デート場所・外

T『翌日』
待ち合わせ場所に向かっている茉由。
沖田雄二から『到着しました。待っています。』というメールが来る。それと共に服装が送られてくる。

茉由は携帯を見ながら
茉由「レザーのジャケットにたて髪にブーツと…あ!あの人だ!」
走って近寄る茉由。
茉由「すみません、遅れました」
振り向く雄二。
茉由「え!」
雄二「え」
茉由「店長?!?!」
アタフタする雄二。
茉由、店長の名札を思い出す。
茉由「おきた、ゆうじ…」
茉由、雄二、下を向く。
茉由「お疲れ様でした」
雄二「お疲れ様でした」

茉由と雄二は同時に去っていく。

〇茉由の家・中

茉由は電話をしている。

茉由「えーーーん!店長だったーーー!!写真違いすぎるーー!詐欺だーーー!」
光の声「お前、なんかまた変なことしてんな。まぁ、せいぜいがんばれ。とりあえず仕事中だから切るぞ」
茉由「え!ちょ、もう!!!」

ふくれっ面の茉由。
パソコンで【サブリク彼氏】を開く。
すごい勢いで、男の写真を次々と見ていく茉由。
一人の男が目に留まる。

茉由「ちょーーーーイケメン!!!!」

名前は荒川勇樹(25)と表示されている。
プロフィールを見ると【読者モデル】と書いてある。

茉由「今度こそ…」

予約を押す、茉由。
予約完了メールが届く。
パソコン画面の勇樹に向かって、ガッツポーズをする茉由。

〇デート場所・外・昼

T『翌日』
荒川勇樹(25)が待っている。
勇樹から到着メールが届くと、近くの電柱から勇樹をしばらくじっと見ている茉由。

茉由「イケメンよし!店長じゃないよし!」

勇樹と合流する茉由。
茉由「初めまして。よろしくお願いいたします」
茉由は、ぎこちなく、挨拶をする。
勇樹は笑顔を茉由に向ける。
勇樹「うん。よろしく。で、はい」
手を差し出す勇樹。
茉由「え」
一瞬立ち止まり、手を出す茉由。
勇樹は手をカップル繋ぎにする。
茉由はニタニタしている。

デートを楽しむ茉由と勇樹。
鐘の音が聞こえる。
17時の鐘が鳴った瞬間、茉由の手を一瞬にして放す勇樹。

茉由「え?」
勇樹「おーつかれっす」
茉由「え?え?ちょっと勇樹くん」
立ち去ろうとする勇樹を引き留める、茉由。
勇樹「何?」
茉由「まだデート…」
勇樹「今日17時までっしょ?延長なら追加料金だし、今日はカップル繋ぎもサービスしたっしょ?!」
茉由「ちょっと待って!…あの、好きです。あと、その…私と結婚してください」
勇樹「…は?!あんたバカ?こっちは仕事だから」
茉由「仕事…?や、でも今日で私、勇樹くんのこと、大好きになったもん!で、結婚したいもん!どうか結婚してください」
頭を下げる、茉由。
勇樹「これ以上付きまとうなら延長料金取るけど?大体あんたさ、なんで俺にしたわけ?どうせ顔でしょ?」
茉由「まぁ、そうだけど…」
勇樹「てか、結婚したいって何?」
茉由「今、婚活してて……。」
鼻で笑う勇樹。睨む茉由。
茉由「じゃあ、どうすればいいんですかぁ?急に仕事クビになって、でも仕事なんて全然決まらなくて、ずーっと彼氏もいなくて、私はただ幸せになりたいだけなのに!」
勇樹「あんた、だからモテないんだよ。自分の幸せしか考えられない女。またのご指名をどうぞ」
手を振り、去っていく勇樹。
眉間にシワを寄せ、怒った表情で立ち尽くす茉由。
茉由はしゃがみ、泣き出す。

〇茉由の家・中

T『1週間後』

茉由はベッドでゴロゴロしている。
ダサい部屋着で髪はボサボサ。
インターホンが鳴り、その姿のまま玄関に行き、出る茉由。

〇茉由の家・玄関・中

ドアを開けると、光が立っている。
光「よっ」
茉由は、光を見て、真顔になる。

〇茉由の家・中

光は袋を茉由に渡す。
光「ほい」
茉由、渡された袋の中を見る。
茉由「プリン…」
光「で、今度は何があった?」
茉由「…プロポーズして振られた」
光「はっ?!」
茉由、下を向いている。
光「…まぁ、婚活とか就活とか、無理しなくていんじゃね?お前、コンビニの仕事、好きだったんだろ?」
頷く、茉由。
光「…てゆうかさ、結婚したいの?」
茉由「幸せに…なりたかっただけなのにぃぃぃぃ」
急に泣き始める茉由。
茉由の頭をポンポンと撫でる光。
光「お前、今幸せじゃないの?」
茉由「え?」
光「俺といて、楽しくないの?」
光の目を見る、茉由。
茉由「…落ち込んでいる幼馴染みに大好物のプリンを持ってきてくれる男。光ってめっちゃいい男だよね」
光、茉由を見つめる。
光「おう」
光、鼻をかく。
茉由、笑う。
茉由「そっかぁ、私なんで今まで気付かなかったんだろう」
光、茉由を抱きしめようとすると
茉由「光みたいな男の人を見つければいいんじゃん!」
光「おう…え?」
茉由、光を見て、大きく頷く。
茉由「ありがとう」
光、唖然としている。
茉由、目を輝かせている。

〇コンビニ・店内

T『3ヵ月後』

品出しをしている、茉由。
光「すみませーん」
茉由、レジに走っていくと光がいる。
光を見て、笑顔になる茉由。
茉由はレジをする。
光「おつかれ。もう上がり?」
茉由「うん!あと5分!光、待っててくれるの?」
光「あー…今から会社に戻らなきゃで…」
茉由「えー、一緒に帰れると思ったのに」
ふくれっ面をする茉由。
茉由を見てほほ笑む光。
小さな袋を茉由に渡す光。
光「はい、彼女さんにホワイトデー」
茉由「プリン!」
茉由、光を見て、ほほ笑む。

END

深月あかり:akari.3zuki@gmail.com
😀12月28日、空いてます


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