㉕3分ドラマ脚本「進路希望はニートですッ!」

3分の脚本です。
ぜひ、演技の稽古などに使ってください!
映像化したい場合はお問合せください。

▼登場人物

川端祐大 (18)…主人公・高校生
上田健一(38)…祐大の担任の先生

▼本文

〇学校・教室

川端祐大 (18)と上田健一(38)が向かい合って座っている。
上田の進路希望調査には「ニート」と書かれている。

上田「書き直しだ」
川端「…は?なんで?」
上田「何でって…。進路希望にニートって書く奴があるか」
川端「だって進路希望って、どんな進路に進みたいかっしょ?俺が目指しているのはニートだし」
上田「じゃあ、どうやって生活していくつもりなんだ?」
川端「ヒモ」
上田「(頭を抱え)はぁ…。やりたいこととか、行きたい学校とかないのか?」
川端「ない」
上田「じゃあどんな大人になりたいんだ?」
川端「楽しそうな大人」
上田「じゃあ働いた方がいいだろ」
川端「働いてる大人みんな楽しそうに見えないけど。先生だっていっつも疲れた顔してんじゃん」
上田「…」
川端「それにさ、ニートって結構大変だよ?養ってもらうのにはそれなりに能力と才能が必要なわけだし」
上田「世の中そんなに甘くないぞ」
川端「そう!だから今から本気でニート目指そうと思ってんの。プロ野球選手とかあるんだから、プロのニートが存在したっておかしくないっしょ?」
上田「…親御さんは何て言ってるんだ」
川端「親は関係ないっしょ。俺の人生だし。親のヒモになるとしたら親だってクライアントになるわけだし」
上田「先生ちょっと川端の言ってることの理解ができない」
川端「うん。大丈夫。先生に理解されないくらいで諦めるつもりないし」
上田「…とにかく、進路希望調査は書き直しなさい」
川端「いいよ。別に。でもそれって、不本意な偽造っていうかさ、本当に思ってないこと書いていいって先生が言うならいいけどね、俺は。東大って書くし」
上田「先生は真剣に考えなさいって言ってるんだ」
川端「真剣に考えてるじゃん。頭ごなしに否定して今までなかった道を書いたら進路変えろって、先生のが真剣に考えてくれてないじゃん」
上田「…」
川端「じゃ、そういう訳で」

去る川端。

上田「楽しいぞ!先生。疲れた顔してるかもだけど」
川端「ふぅ~ん。それ聞けてよかったわ」

(了)

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