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のような存在
伊藤万理華という人を知ることは、
私を作っていく感情や肉片そのもののひとつであり、
私がここにいる理由のひとつである。
目から、耳から、ガチャガチャを回すその手の感覚から、そう感じた。
それは確かに、短い時間であっても、何よりもきらきらと輝く互いの想いが散りばめられた永遠に近い思い出となる。
伊藤万理華の個展に行った話をしたい。
個展、展覧会、そういったものにどこか憧れみたいな気持ちをずっと持っていた。
私の「はじめてのこてん」が、伊藤万理華のこの個展で良かった。猛烈に満足している。
個展に行くと決めてチケットを取った瞬間から、伊藤万理華という人を知りたい気持ちが湧き出てきた。伊藤万理華のSNSを覗く回数が増えたし、#marikaito_LINEAを何度も見た。
当日、多くの人が行き交う道で、この空気感に何とか馴染みたい田舎者がオタク特有の早歩きで彷徨う。
どこやねん、渋谷パルコB1階て。ほんで地図アプリの上では到着してても、どこやねん状態なのが都会の怖いとこやね。ほんまに勘弁してください。
何とか着いたので、私は並んだ。少し緊張した。でもやっぱり何とか馴染みたくて、自分が周りをちょっと圧倒したくて、カッコつけてみた。
特典がほしくて入会した伊藤万理華のFCのマイページもスマートに見せることができるように用意した。
あっという間に入場時間になり、フライヤーと特典を受け取っていよいよ「はじめてのこてん」が幕を開けた。
伊藤万理華という人は、私の人生においてとても重要な人物では?
アイドル時代に出会い、そこでは気づくことができなかったこと。
人は必要な時に必要な人と出会う、そんな言葉を誰かが言っていたなあ。
細かな部分まで作り込まれた作品たちを、堪能した。実際、結構気構えて乗り込んだが、あんなに居心地の良い場所はなかなか無い。
決して特別じゃない、些細な瞬間をふと思い出すときみたいな、そんな幸せが詰め込まれていた。届かない憧れではなく、少し触れることのできる憧れであるのが伊藤万理華だ、そう思った。
一気に引き込まれるというより、徐々に包み込んでくるような、逆にこちらから足並みを合わせるような、そんな個展だった。
個展は、一方的に圧倒されて憧れには追いつけないことを知らしめられるものかと勘違いしていた。感性に圧倒されたのも事実だが、そこから「ユチャンも誰かを...!」という気持ちが生まれたのも確かである。
伊藤万理華の個展は、伊藤万理華と自分で完成する。
あと、ガチャガチャが良かった。雰囲気のある人がガチャガチャを回して、カプセルの中を覗き込む姿は可笑しかった。
「はじめて」に少しの勇気を出して良かった。
私は伊藤万理華という人をこれからも追いかけて、ときどき追い越してみたい。
伊藤万理華さん、こんな素敵な気持ちにさせてくれてありがとう。
はじめてのスペイン坂を降りて駅まで帰っているとき、SNSを見ると伊藤万理華のRTが流れてきた。明日、伊藤万理華 在廊予定。個展の公式の投稿だった。
......。
やっぱり届かないのか?また会ってください。
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