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最後の晩餐

最後の晩餐をご存知であろう。

明日死ぬと分かった時、最後に何を食べるだろうかという有り触れた話題に触れたことのある人は多い筈だ。
ひもじい思いをして最期を迎えたいという稀有な人間を除けば、多くが好物を指定することは想像がつくだろう。
背の低い冷蔵庫の前で私は体育座りをしていた。既に掃除を終え、整理された部屋はしんと静まり返っている。

もう夜だ。最後に何を食べようか。
徐に私は、抹茶のシュークリームを齧った。

(200字)

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