会社員とフリーランスで決定的に違う意識の事

フリーランスとして仕事を始めて丸3年が経った。

13年前、結婚を機に専業主婦になったため、会社勤めしていたのは、ずいぶん前の話になるけれど、会社員として仕事をしていたときと今とでは、決定的に違う「意識」がある。

それは、「当事者意識」。

当事者意識は、フリーランスが仕事する際に、結構大事なことなんじゃないかと思っている。

20代のころ、小さな広告代理店に勤めていた。

クライアントさんから広告関連の制作物を受注し、そのディレクションを行うのが私の仕事だった。

あれから15年以上経った今、当時のことを振り返ってみて、初めて気が付いたことがある。

それが、「当事者意識」のなさ。

会社員だった私は、「なるほど、なるほど」と、クライアントさんが提示した要望に沿ったものを作り、とにかく納期に間に合えばいい、そんな姿勢で仕事をしていた。

仕事量が多かろうが少なかろうが、給料と関係ない、と言う理由で、手を抜いていたわけでは、もちろん、ない。

その当時の私だって、クライアントさんの要望を満たせるように、全力で取り組んでいた。

ただ、クライアントさんの「成果」までは考えられていなかった。

このパッケージデザインにしたら、売り上げが倍になる。
このプレミアムグッズなら、応募が殺到する。

受注した制作物が、どんな結果を出すかは、私には関係のない世界だった。

だって、私にとっての成果は、「自分が勤めている会社にどのくらい利益が出るか」だったんだもの。

一方で、フリーランスになった現在の私は、受注業務であっても、自分もプロジェクトの一員になったつもりで仕事に取り組んでいる。

だから、時にクライアントさんにとっては「ドキっ」とすることも言うし、いいアイディアが浮かべば、どんどん提案する。

クライアントさんとともに、なんなら同じ土俵に乗っているくらいの気持ちで「いいものを作りたい」「成果を取りに行きたい」と心の底から思っているから。

「〇〇した方がもっと良くなるけど、そこまでやると割に合わないし・・・」という姿勢で仕事はしない。

もし、自分のプロジェクトだったなら、割に合うとか合わないなど考えず、結果を出すことに集中するはず。

だから、納品してからしばらくは、結果が気がかりで仕方がない。

クライアントさんから、「お客さまからの反応がいい」というような結果を聞いて、やっとほっとできる。

これが、「当事者意識」。

そして、当事者意識を持って業務を遂行することで、間違いなく、クライアントさんからの信頼を獲得している、と感じている。

逆に、「〇〇したら良くなる」と分かっているのに、損得で考えて指示されたことだけをやった場合、クライアントさんの成果につながらなかったら、次はきっと依頼されないだろうと思っている。

確かに、もらった金額以上のことをするのは、割に合わないのかもしれない。

でも、そんな風に当事者意識で、出し惜しみをしない仕事を続けていけば、そのうち、どこまでやれば結果が出るかも自ずと分かると思うから、その時、仕事量に見合った金額で受注すればいい。

さらに、当事者意識で取り組むことには、もう一つメリットがある。

それは、自分のモチベーションがあがる、ということ。

「業務委託を受けているもの」として、単にクライアントさんの指示通りのことをこなすよりも、当事者意識であれこれ考えながら、進めていく方が、何倍も楽しいし、結果が出た時の喜びも違う。

今日は、セールスレターを担当する商品の販売導線をブレストする打ち合わせがあった。

販売導線を考えることは、もしかしたら、セールスライターとしての仕事の範疇ではないかもしれない。

けれど、クライアントさんが、販売導線から私に相談したいと思ってくださったことが、本当に嬉しかった。

フリーランスになって、やっと、仕事の本当の意味での面白さが分かってきた気がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?