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「麻酔克服」

東京から一歩も出ない私が、ついに他県へ!

腕のいい歯医者さんに治療してもらうために、神奈川県のSファミリー歯科へ行きました。しかも二日連続。数年分の移動距離です。

二日目は麻酔が必要な治療。緊張のあまりお腹をこわしました。小学1年の予防接種で倒れて以来、麻酔というか注射そのものが怖い。先端恐怖症ではない。注射針を見るのも刺されるものもだめ。テレビで人が注射されてる映像を見るだけもくら~っとなる始末。

でも今回は色々と対策をして臨む麻酔。倒れない自信がありました。だから行きの電車で、ブログのタイトルだけ入力しておきました。

「麻酔克服!」っていうタイトルです。今回は倒れませんでした克服しましたって言えるように敢えて宣言して気合いを入れ、大丈夫だった! っていう記事を書きたいという思いもありました。

2017年にもこのSファミリー歯科で倒れたので、今回もH先生は二段階方式で麻酔をしてくれました。まずはうっすら注入。体を起こして口をすすいで、また横になったところまで良かった。倒れなかったぞ! よーし。

二段階目はしっかりと長めの麻酔。ゆっくりやるからね~大丈夫だよ~時間もたっぷりとってあるからね~とH先生から赤ちゃんをあやすように甘やかされるうちに気が抜けた。心拍数がどんどん上がってくるのを感じて、そんなわけないのにまるで齧歯類のような速さの鼓動に!

昏睡状態のなか夢を見た。一瞬だけ臨死のような。はあはあ呼吸が苦しい。お腹と両腕がしびれて痛い。

どれくらい気絶していたのか。心拍を計る機械がピーピーピーピー鳴っている音で意識が戻りました。この音はダメ危険っていう音でした。

H先生の声は聞こえるけど、遠くからぼんやり聞こえるし、呼吸が苦しすぎて返事できない! 先生を焦らせてしまった。Sファミリー歯科のブラックリストに再び載ってしまうのか。

あるある、よくあるよ~。というH先生。こういうのは慣れだから、久しぶりの治療なら自然だよ~って。よくあるわけではなかろう(笑)。

呼吸も戻ってきて、30分もしたらしびれも消えました。は~良かったと思った瞬間、もう下痢を漏らしそうに。削ったところを固めている最中だったので動くことができず、漏らす数秒前ぎりぎりまで我慢することに決めました。

もうだめだという時に「うがあ~」と言ったら、先生は「ごめんね~もう終わるよ~」と。いや、そうじゃなくて漏れます。

「おなかこわしそうです」と言ったら、いいよ~行ってきて~、と先生。1つしかないトイレが使用中で真っ青に。慌てて治療室へ戻り、看護婦さんに「トイレはひとつですか……」と聞くと、スタッフ用のお手洗いへ通されました。助かった。

あんなに漏らしそうだったのに数分たっても何も出ない。先生を待たせてまでトイレへ駆け込んだので、これはこれで恥ずかしい。

すぐ治療室へ戻り、「漏れそうだったのに何も出ませんでした」と申し訳ない気持ちで報告すると先生は「あるある~よくあるよ~!」って。よくある? ないよ~。先生やさしい。

失意の帰宅です。帰ってブログ開いたら、すっかり忘れていた未編集の記事がでてきて、「麻酔克服!」って書いてあるじゃあないの。なんというギャップだろう。ひどいな。何をやっているんだろう。

というところまで全部夫に話して、自分としては一回目の麻酔はクリアできたということは無理矢理小さな自信にして、まさか二回も麻酔があることは想定外で気が抜けてしまったことが敗因だったことはしっかり記憶しておかなくては。

次回こういう状況になったら思い出すこと、気をつけることをまとめると。

最後まで気を抜かないこと。甘やかされるのは大事にされて嬉しいことではなくむしろ恥ずかしい迷惑なこと。次は二段階であっても、想定外の展開になって動揺しても、ゆっくり呼吸は続けること。力を抜くことと気を抜くことを混同しないこと。また倒れたというのを武勇伝みたいに語らないこと。

Sファミリー歯科は義母と義妹のツテで特別に紹介してもらっています。じゃなければこんな面倒な患者はH先生も引き受けないだろう(笑)。だからせめて倒れない患者としてしっかりしようと思って意気込んでいたらこの有様でした。気絶と漏らしはセットになりやすいので要注意です。今回は大丈夫でしたが、20年くらいまえに実家でこのコンボを実演しています。こういう自分を辞めたいけど、なかなかむずかしい。はあ~。

※「齧歯類の鼓動」ということで、むかし飼っていたハムスター(おちゃん)の写真にしました。

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