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ユブネの往復書簡①-1


ユブネの往復書簡①
送り手 東善仁
宛先 スティールパン奏者 pandelight
寺本裕也 小絵佳 さん

「いまヤフオクにPANでてるんですよ!買っちゃいましょ」仕事中にかかってきた寺本さんの電話を受けて、その仕事を放り出してスティールパンの落札にやきもきした日が、昨日のことのように思い出されます。あのとき格安で楽器を落札できていなかったら、きっと、これまでのあれやこれやも起きていなかったのかな?と思います。人生でいくつかしかないだろう大きな分かれ道でした。と、言いつつ7年くらいたったものの全く練習を積めてないので、ちっとも弾けるようになってないのですが。。。

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それでも、ろくに弾けもしないのに「脇を固めて」ライブに出たり、イベントに出たり、さらには、これまたギターやウクレレで脇を固めて単独でイオンの催事に出たり、幼稚園の音楽会に3年間も出たりもしました(どちらも出演料ありでした!)そういえば、中学生の体育祭でのことです。陸上部の同級生3人と鈍足の僕でオーダーを組み、クラス対抗リレーに優勝したことがありました。プロジエクトを作るときの根拠のない前向きさは、この時に養われたのかも知れません。やればできる、と。いや、誰と組むかを考え抜けばできることがある、と。

そもそも、お二人と出会った頃の僕は、本当にぱっとしない感じで仕事以外の別の場所に飛び込んでみたかった時期でした。当時、務めていた西梅田の会社から歩いて中津の家まで帰る途中、公園からスティールパンの音が聞こえてきて、こんなところで練習してる人がいるんだなあと思いつつ通り過ぎたのですが、なぜか戻ってきて声をかけたのが最初でした。薄暗い公園で相当に怪しかったと思いますし、なぜ、戻ってきたのかも今となってはわかりませんが、とにかく出会ってしまったんですよね。その後、ライブを観たり、家が近くだとわかってからちょくちょく遊びにいったりしていて、沖縄の那覇空港のトイレでばったり会ったことで恋に落ちました。

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思いだしてきました。寺本さんには住宅メーカーのプロモ用に「自転車日和」という曲を作曲してもらいました。さえかさんには、電子機器メーカーの「ソーシャルデザイン・ガイドブック」のデザインをお願いしたり、自費で大学生を受け入れていた大和高原インターンシップのロゴ、ウェブマガジンgreenzでの連載のバナーなどもつくってもらいましたね。

pandlightというバンドを通じて、じゃい庵、ぴんきゅー、ぶっちさん、たかひろくんはじめ愉快でやさしい仲間にも巡り会うことができました。

忘れもしません。団地に住み込みでコミュニティづくりをすることになったとき、スティールパンをやっていたことで住人さんや子供たちとすぐに距離が近くなることができました。ニュータウンの公園活用イベントにライブで2回も来てもらいましたね。僕ら夫婦の団地ウェディングでも一緒にバンド演奏をしてくれました。母校の廃校活用フェスでは、スティールパンで盆踊り大会をやってもらい、最後に小学校の同級生たちも交えて記念写真を撮れたこと、大変泣けました。

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もはや、誰と組むかを考え抜けばできることがある、というよりはスティールパンがあれば何でもできるというくらいになっています。来年の春は島根の浜田市で音楽祭やりましょう。あ、いやこれだとまた「脇を固めて」になりそうなので、来年6月にソロライブ実行を告知したいと思います。ハイテナーのソロでも様になる楽譜を7曲分くらい教えてください。

ユブネ 東善仁