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長いナイチンゲールの夜

ナイチンゲールの鳴き声がした。

俺は女から身を離し飛び起きた。
「聞こえたか?」
「何が?」
「鳥の鳴き声!ナイチンゲールだ!!」
「何にも聞こえなかったわよ」
俺はベッドからまろび降りると鞄の中のナイチンゲールの剥製を震える手で取りだし、凝視した。そして大急ぎで服を着た。
「何...これからだって時に」
女が呻く。名前...アイラ?アイリーン?声をかけた時酔っていたのでよく覚えてない。

だがこのナイチンゲールの剥製は覚えている。

5時間ほど前、俺は賭場で中国人の骨董商とポーカーをした。そして有り金を巻き上げてやった。そいつは売り物まで賭けに使おうと、ナイチンゲールの剥製をとりだした。
「これは昔の皇帝が飼ってた小夜鳴鳥の剥製ね」
「価値ある代物か?」
「これはね、持ち主が死ぬ前日の晩に鳴くと言われてるよ」
「おっさん、阿片のやり過ぎか?」
「本当の話ね!最後まで話を聞きなさい。その死を他人に移す方法があるね」

【続く】

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