意図したわけでもないのにナンバリングが煩悩 ◆ 水曜日の湯葉108[12/27-1/2]
12月27日 水
とある作家と話していたら「恋愛小説が苦手そうな作家に恋愛小説を無理やり書かせる」という大変よい同人企画があると聞き、「おれも混ぜろよ」ということを言う。積極的に参加したらコンセプトに矛盾が生じるが、こちらとしても「無理やり書かされる」という状況でないと書きたくないのだ。
興味はあるけど「やりたい」とは言えないことがある。とくに商業作品には「赤字が出ない程度に売れねば」という責任があるので、あまり得意でない(他に得意な人がいる)ジャンルは避ける癖がついてしまう。責任を他人に押し付けながら挑戦する機会があれば、と日々思っている。
似たようなことは他人に対しても思う。小説家はよくイラストレーターさんに絵を依頼するが、この時よく思うのが「女の子ばかり描いてる絵師さんに、男の子のイラストを頼んでいいのか?」である。僕の主人公は少年が多いからである。そういう時に、どこか申し訳なさを感じるのと同時に、うっすらと「この人も実は男の子を描いてみたいが、フォロワーが求めてない気がして手が出せなくて、こういう機会を待っていたんでないかな」とか勝手なことを考えたりしている。
12月28日 木
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