【障害者福祉】ICIDH、ICFについて。医学モデルと社会モデル
2023.9.24
今日は、ICIDH、ICFの概要を学びました
ICIDH(国際障害分類)とは
国際障害分類(ICIDH)は、WHOが1980年に発表した、人間の「生活機能」と「障害」に関する状況を把握することを目的とした分類です。
これは、世界の共通言語です。
①疾患/変調とは
全ての障害の原因となっているのが、疾患/変調であるという考え。
これは、障害の原因となる病気や怪我を指しています。
②機能・形態障害とは
①を原因として起こるのが、機能・形態障害である。
たとえば機能障害なら、脳卒中によって引き起こされる手足の麻痺や言語障害を指します。
③能力障害とは
②を受けて、読む、聞く、話す、歩くなどの生活上必要な行為を行う能力が低下している状態を指します。
④社会的不利
①〜③によって引き起こされる、幅広い社会的な問題を指します。
たとえば職を失う、経済的に困窮する、趣味や活動が困難になる、など。
社会的不利は、周りの環境に大きく影響を受けます。
例えば、職場の人たちの態度や、合理的配慮を提供してもらえるかどうかなど。
また、先ほどの図の下を通っている矢印が示しているように、疾患/変調、機能・形態障害は、能力障害を経由することなく、社会的不利を被ることがあります。
例えば、先天的に顔に奇形があったり、アルビノの人たちは、能力障害がないにも関わらず、就職が困難になったり、いじめを受けるなどの可能性があります。
コロナ初期では、コロナになったというだけで、何の症状が無くても偏見を持たれるなどの可能性がありました。
⭐️ICIDHは、少なからずネガティブな印象がありますね
ICF(国際生活機能分類)とは
2001年に、ICIDHの改訂版として、ICFが採択されました。
大幅な改訂になったので、ICIDHとは別のモデルとして考えるべきだという意見もあります。
ICIDHは、障害を持った人を主に対象としていましたが、ICFは全ての人を対象としています。
今回は、「自律神経失調症」で考えてみます。
①健康状態(変調、または病気)
ICIDHでは「疾患/変調」だったが、ICFでは「健康状態」に表記が変わっています
病名や体調の悪さ、気分の悪さなどが入ります
今回の場合は「自律神経失調症」です
②心身機能、身体構造
精神機能、運動的機能、視覚聴覚機能を含む心身機能、身体構造を指します。
今回なら、「体がだるい、重い、動かない」「やる気が出ない」
③活動
ICIDHの能力障害が、活動に変化しました。
生活する上で必要な行動(家事、仕事、コミュニケーション、歩行、ADLなど)ができているか。
(ADLとは・・・起居、移動、食事など日常生活を送る上で基本的に必要となる動作)
今回では、「朝起きられない」「夜眠れない」など
④参加
就労、就学、趣味、地域活動などの社会参加や、家庭の中で役割を果たせているかなど
今回では、「学校に行けない」「通っていた塾や習い事にも行けない」など
⑤環境因子
その人を取り巻く環境を指す。環境因子は、物理的環境、人的環境、社会的環境の3つに分けられる。
今回では、「毎日毎日早く起きて学校に行かないといけない」
「学校で心開ける友達がいない」など
⑥個人因子
年齢、性別、ライフスタイル、価値観、性格などの個人的な要素。
今回なら、「継続力がないため、継続して病院に行けない」「自分を責めてしまう癖がある」など
⭐️ICIDHは一方向の矢印だったけれど、ICFは矢印が行ったり来たりしていることから、様々な因子が、相互に影響しあっているということがわかります。
「医学モデル」と「社会モデル」
ところで医学モデル、社会モデルという言葉を聞いたことはありますでしょうか。
これは、障害をどう捉えるか、二つの視点から考えている思想です。
医学モデル
医学モデルとは、障害の医学的側面に目を向ける考え方です。
障害を当事者の疾患や怪我等から引き起こされる特性だと考えます。
医学的側面から考えるので、障害を緩和するために医療等による治療や介入を行い、リハビリテーションなどを行うなどしてアプローチする、などという考えです。
例えば、段差があったら
「段差をまたげるようになるために、リハビリを行いましょう」という考えが医学モデルです
社会モデル
社会モデルとは、障害の社会的側面に注目する考えです。
障害を、社会によって引き起こされる障壁、と考えます。
障害を緩和するために、社会的障壁の改善へのアプローチをするなどという考えです。
段差の例で言えば、「段差は社会的障壁になっているので、段差のない町をつくります」といった考えが、社会モデルです
⭐️医学モデルと社会モデルを比較すると、医学モデルは当事者の障害を当事者が治していくという考えですね。どちらがと言えば、当事者が社会に合わせるという考えです。
社会モデルは、社会的障壁自体が障害であると考えていて、社会が当事者に寄り添うという考えのように感じます。
まとめ
⭐️ICIDHは、4つの因子で構成されている
⭐️ICFは6つの因子で構成されている
⭐️ICIDHは、障害のある人を主に対象としていたが、ICFは全ての人を対象としている
⭐️医学モデルは、どちらかといえば当事者が社会に合わせるといった考え
⭐️社会モデルは、社会から変わっていこうとする考え
終わりに
お疲れ様でした、本日はICF、ICIDHの考え方をまとめました。
正直いって、私も2つについてはまだまだわからないことが多すぎます。
たくさん勉強して、先生にも質問してわからないことを減らしていきたい、、とは思いますが、わからないことを聞くために言語化するのが難しいなって感じてしまいます。
同じ勉強をされてる方、目指している方、ぜひコメントお待ちしております
ゆあでした。
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