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YU-TOのドラムを形成した7人

どうも皆さん、YU-TOです。

今日は自分が影響を受けたドラマーについての記事を投稿します。

やはりどのミュージシャンでも必ず何人かは"影響を受けたアーティスト"がいるはずです。

"影響"と一声で言っても、側から見ても影響を受けていると分かるくらいの影響もありますし、自分のプレイスタイルとは違っていても実は影でかなりプレイスタイルを研究したというような隠れた影響まで様々な影響のスタイルがあります。

実際に自分自身も、もうその人のプレイしている音楽自体が好きで自然に影響を受けてしまっている形もあれば、その人のプレイしている音楽にはさほど興味はなくてもドラムプレイが自分のツボにハマり、かなり研究をして見たりと言った形など様々な形で色々な方からの影響を受けています。

"8ビートをプレイしている時は必ずその人の叩いてるイメージが浮かぶ"とか、映像だけでなくその人のインタビューや記事を読み、心構えや音楽的背景を理解して"こんなドラマーでありたい"と人生の師のように思っているドラマーまで様々な人が自分のドラミングを形作ってくれている事は確かです。

本日はそんなYU-TOのドラムを形成してくれたドラマー7人をどんな所に影響を受けたのかを解説しつつ順不同でドドっとご紹介します。

1. Paul Bostaph(ポールボスタフ)

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言わずもがな、全てのエクストリームミュージックの帝王、SLAYERのドラマーです。

SLAYERのドラマーといえばオリジナルドラマーのデイブロンバートも欠かせない存在ですが自分はやはり初めてリアルタイムでSLAYERを生で観た時のドラマーはポールだったので圧倒的に自分の中では彼の存在の方が大きいですね。

昔から"デイブは人間味あるドラマーでポールはテクニカルで正確なドラマー"という意見が溢れていましたが自分は逆だと思っています。

むしろポールの方が圧倒的にリズムは揺れてるし、フィルも曲にウネリをもたらすアプローチのものが多いように思います。

例えば彼のSLAYERへの初参加作「Devine intervention」の1曲目を飾る"Killing fields"

この初っ端から飛び込んでくるドラムフィル。これ、自分的には彼にしか叩けないフレーズだと思っています。

正直、どんなに分析をしてみても正確に譜面に記すことが出来ません。

他の人がコピーをしている動画もありますが正確に表現しようとすればするほど"何かすごいことをやってる"感というかこの生々しい勢いからは遠ざかるような気がします。

ポールのドラミングはこのようなアプローチのオンパレードで、予期せぬところで突然3連フィルをねじ込んだり、2バスをボーズ(同時打ち)で叩いてキックの音を変化させたり、ライド刻みと同時にハイハットを踏んだり等、メタルというジャンルではほとんど聴いたことがないようなアプローチを仕掛けてきます。

また、2ビート(スラッシュビート)が跳ねるような独特のノリをしていて重い物を引き摺るようなかなり重みのあるビート感があるのも特徴です。

そのリズムの独特な揺れや重みがSLAYERの音楽性にさらなる凶悪性や野蛮性をプラスしている気が自分はします。

SLAYERは去年ファイナルツアーを終え、事実上の解散をしました。

加入当初からずっとポールはオリジナルドラマーであるデイブと比べられてる印象がありました。

一度SLAYERを抜け、また再加入してもなお比べられる時もあったと思います。

しかしポールがSLAYERにもたらしたモダンな凶暴性やリズムアプローチの幅広さに自分は多大なる影響を受けましたし、今でも彼の参加作を聴き返すと新たな発見があります。

デイブと比べられようが「やっぱオリジナルメンバーが一番でしょ」と言われようが

SLAYERの最後のドラマーはポールだった

これが事実であり真実であると自分は思ってるし、嬉しくも思っています。

これからも彼からの影響は受け続ける事でしょう。

2.Roy Mayorga(ロイマヨルガ)


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SOULFLYなどを経て現在はStone sour、HELLYEAHなどで活躍しているロイマヨルガ。

彼の叩き出す1発1発に説得力があるヘヴィグルーヴや、縦横無尽に腕を振り回すパフォーマンスにはめちゃくちゃに影響を受けてます。

例えば自分がミドルテンポのヘヴィな曲を叩く時であったり曲中でハーフタイムのビートを叩いたりする時、イメージの中の自分はロイになっています(笑)

そのくらいの強い影響を受けていますね。

彼の本格的なキャリアはnauseaから始まっていますが彼の存在が本格的に世界に広まったのはやはりSOULFLYでしょう。

ヘヴィなグルーヴに高音の小口径タムを入れ込んだり、ベルやパーカッションを使っての民族音楽的でパーカッシブなプレイはトライバルビートと呼ばれ、彼のドラミングの代名詞となっています。

ちょうど2002年にSOULFLYで叩く彼を生で観れたのですが大きな腕の振りでヘヴィグルーヴを叩き出す彼の姿は遠目で観ても存在感が凄く、めちゃくちゃ感銘を受けたことを鮮明に覚えています。

↑はその時の映像ですが正直、今観ても鳥肌が立つくらいの素晴らしいドラミングです。

こんなにも躍動感に溢れ、かつとてつもないキレ味とヘヴィさを併せ持った彼でしか表現し得ないドラミングをこの時点で確立させていたという事実に驚くばかりです。

この後、彼はバンドを離れ、しばらく表立った活動はほぼしていなかったのですがこんな彼を界隈が放っておくわけがありません。

この後、Stone sour、Ministry(ツアーサポート)、HELLYEAHと名だたるバンドに参加することになり、50歳を迎える今でも現役バリバリでヘヴィミュージックシーンを支える代表的なドラマーとして活躍しています。

もうその事実と、ヘヴィドラマーシーンへの貢献度、というか彼の存在そのものに自分は影響を受けています。「自分もこうありたい」と。

また、先ほども書きましたが"ロイといえばパーカッシブなトライバルビート"が代名詞になっているような気がしますが、実はSOULFLY以降、彼はそのようなアプローチはほぼ一切出してません。

SEPULTURAにサポートで参加した時は"トライバルなロイ復活!"という感じでとてつもないハマり具合を見せていましたがStone sourではどちらかというとストレートなロックドラム的なアプローチが多いように思います。

かたや去年から参加したHELLYEAHではキックにトリガーを使ったり(多分)していて前任ドラマー、ヴィニーポール(2018年逝去 後程紹介)のプレイを完全に継承するようなドラミングをしています。

↓の映像はSlipknotのベーシスト、故ポールグレイの教則ビデオにゲスト出演した時のもの。

驚くべきことに普段は絶対に叩かないであろう高速フィルやブラストビートを叩いているロイの姿が観れます。

ここで自分が思ったことはロイがSOULFLYでトライバルなビートをプレイしていたのは"必要とされていた"からであって決して"自分のスタイルだから"ではなかったのではと思います。

「これが俺のスタイルだ!!」と個性を押し売りするのではなく、とにかくそこで必要とされているドラミングが何なのかを見極め、自分の持っているテクニックでそれに最大限答えていってる。

そんな印象を受けます。

そう思うと彼はセッションドラマーな一面も併せ持っており、そんな彼だからこそ長年に渡ってヘヴィミュージックシーンを支えてこれてるのだなと思います。

本当にカッコ良い、自分にとってお手本のような存在です。

これからも憧れ続けます。

3.Travis Barker(トラヴィスバーカー)

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ポップパンクの代表格、Blink-182のドラマーですがもはやその枠を飛び越えて活動しているドラマーと言っていいでしょう。

"パンク界のレジェンドドラマー"と世間で言われていたりしますが本人は"パンクドラマー"と形容されることに抵抗があるそうです。

確かにそんな枠では収まりきらないドラマーですし、まずトラヴィスは「パンクドラムは勢いさえあれば下手くそでもOK」という暗黙の了解を根底から覆したドラマーでもあります。

お父さんが音楽好きで幼少期はジャズドラムをずっと習わされてたというパンクドラマーとしては異色の経歴を持ち、マーチングバンドの経験で培ったずば抜けたルーディメンツテクニックとSLAYERなどメタルからの影響を感じさせるソリッドなビート感、Hiphopから得たグルーヴィーでユニークなバックビートなどを併せ持ったハイブリッドなドラミングはとても"パンクドラム"と一言で片付ける事は出来ないハイレベル過ぎるドラミングです。

あとトラヴィスの凄い点はキャリアを重ねても"人気バンドのドラマー"という枠に安住せずにそれを飛び越えて常にアメリカの音楽シーンの最前線にいるという点でしょう。

Machine gun kelly、Halsey、nothing,nowhere、YUNGBULDなど現在のアメリカの音楽シーンを代表するようなアーティスト達とコラボし、バンドでの活躍だけに止まらない個人としての活動も精力的に行なっている所は彼の実力を物語っているように思います。

トラヴィスは一度、飛行機事故で生死の境を彷徨った経験があります。

彼以外の同乗者はほぼ全員即死だったらしく、トラヴィス自身も一時期は死亡したとのフェイクニュースが流れるくらい命が危なかったらしいのですが見事に復活を遂げました。

ここからは自分の憶測なのですが、彼がこれだけキャリアを重ねて40歳をとっくに過ぎてもなおシーンの最前線で"カリスマドラマー"としての地位を確立しているのは彼にある種の"使命感"のようなものがあるからのように思えます。

あれだけの事故に遭っても生かされた自分にはまだ音楽でやるべき事、ドラマーとして後進に伝えなくちゃいけない事があると志を持ってやっているという事がここ数年の彼の攻めの活動スタイルから感じられますし、実際にそうなんだと自分は思います。

ドラマーだってもっと音楽シーンの最前に立っても良いんだ。

ドラマーだってレコーディングクレジットでなく、フィーチャリングアーティストとして名前を出されても良いんだ。

ドラマーとして有名アーティストのMVに参加しても、そのアーティストと同じくらい映っても良いんだ。

そんなことを伝えてくれてるように思います。ドラマーにとっての最高にして最強の希望の星だと思います。

4.Kevin Talley(ケヴィンタリー)

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Dying Fetus、Misery index、Chimaira、Daath、Soils of fate、The red chord、The black dahlia murder、Six feet under、Devil driver、Hate eternal、Suffocation、、、

これが彼の叩いてきたバンドの一部であり恐らくまだ数はあると思います。

そんなエクストリームドラマー界のファーストコールドラマー、ケヴィンですが参加したバンドの数も凄いですがその名だたる顔ぶれも凄まじいものがありますね。

"数多くの世界的トップエクストリームメタルバンドで叩いてきた"という事実自体が彼の持つ実力の凄まじさを表していると思います。

彼の超絶ドラミングが世に知れ渡ったのは何と言ってもDYING FETUSの4thアルバム「Destroy the opposition」ではないでしょうか?

ケヴィンは1つ前の「Killing on Adrenaline」からの参加でしたがこっちに関しては音質の関係でドラムの音が奥まってしまっていてイマイチ彼の実力が伝わりづらかったのですがこのアルバムで一気に"グルーヴィーなデスメタルドラム"というケヴィン独自のスタイルが確立されたように思います。

ブラストビート、高速タム回し、超速2バスとエクストリームなドラミングのオンパレードなのですがそのようなドラミングにありがちな機械的で無機質なフィールが無く、躍動感に溢れたノリと休符やオフビートをしっかり意識した音楽的なアプローチはこれまでのデスメタルのドラムにはなかったものでした。

彼がこのあと参加する事になるMisery indexでは更に磨きのかかったエクストリームでグルーヴィーなドラミングを聴かせてくれます。

そんな実力のある彼がアンダーグラウンドなところで満足するわけはなく、その後に参加するChimairaを皮切りに様々なエクストリームメタルバンドを渡り歩く事になります。

「今一体あいつどこにいんだよ?」ってレベルで良くも悪くも数年単位でバンドを入れ替わり立ち替わりしてるわけですがそれが出来るのはやはり彼にとんでもない実力があるからです。バンドが変わっても彼のグルーヴに重点をおいたパワフルなドラミングはどのバンドにおいても健在で、その彼のドラミングの要素が欲しくて色んなバンドが彼を欲するのだと思います。

自分が一番彼のドラミングで影響されている所はやはりブラストビートでしょう。

どうしてもブラストビートはスピードだけを追い求めがちでパワフルさであったりだとかグルーヴがないものというイメージが世間にあるのですがケヴィンのブラストビートはそれを払拭する説得力があります。

ただ正確なだけでなくしっかりと地に足のついた"ビート感"があり、スネアをしっかり鳴らしきるパワフルさも持ち合わせています。

ここまでデスメタルという音楽をグルーヴさせられるドラマーはいませんし、自分に速くてテクニカルな音楽にもしっかりとしたビート感が必要なんだという事を教えてくれたドラマーです。

これからも目標にしていきたいですね。

5.樋口 宗孝

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説明するまでもない、日本のレジェンドドラマー、樋口 宗孝さん。

残念ながら生で彼のドラムを体験した事はなく、2008年に亡くなられてしまいましたが後追いながら彼のドラムにはかなりの影響を受けました。

樋口さんは生前のインタビューで"リズムの重さ"に対する徹底的なこだわりを話していて「ロックドラムは絶対に重く叩かなきゃいけない」と仰っていました。

自分は今でこそ「YU-TOのドラムの特徴は重さだ」と言ってもらえるようになりましたが昔は真逆で「とにかくお前のドラムは軽い」と言われていました。

それを払拭したくて真っ先に研究してみようと思ったのが樋口さんのドラムでした。

元々彼のキャリアの代表であるLOUDNESSは聴いていたのでまた改めて音源をじっくり聴き返したり、映像を見たり、インタビューを読み返したり、、様々な観点から彼のドラミングを研究してみました。

樋口さんのドラムは一音一音を長く捉えており、かつその間にある音符も細かく感じているといった印象が個人的にはありました。

ドラムマガジンのインタビューで「感覚的に難しいんだけど重く叩けるようになるにはまず16分と3連のウラの音をしっかり取れるようになる事」と仰っていたのでそういう感覚で叩いていたんじゃないかと思っています。

また、"スティックの先に単一電池を付けて素振りをするとショットの瞬間に力を込める感覚を掴める"や"スティックの先に紐をつけてそれがしっかりと波打つような振り方が正しいスティックの振り方"など独自のメソッドも数多くお持ちでした。

そんなの樋口さんのインタビューやメソッドが数多く掲載された彼の追悼企画のドラムマガジンはドラマーならば一読の価値ありです。

考えてみれば自分がやってきた練習法やこだわりを惜しげも無く教えてくれて共有させてくれるドラマーって樋口さんが初めてだったかもしれないですね。

ドラマーのみならず色々な業種で共通する事ですが今は自分の持っている技術やノウハウを隠して持っておく「能ある鷹は爪を隠す」的な人は生き残れず、自分の持っている技術やノウハウをしっかりと披露し、それを人々と共有していく人が生き残っていく時代だと思っているのですがそういう意味でも樋口さんは最先端な姿勢を持っていたのだと思います。

本当に偉大な存在です。

6.GO


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今回紹介する7人の中で唯一、直接指導を受けた事があるドラマーがこちらのGOさんです。

10代の頃、彼のバンドのSUNS OWLが大好きで楽曲の中を駆け回るように叩くGOさんのドラムには当時からかなり惹かれていました。

彼が講師を務めるMI JAPANは自分の母校なのですがそこに通うきっかけもやはりGOさんがいたからでした。

授業以外の話しも面白く、ミュージシャンとしての姿勢も多くのことを学びました。正直それを実感したのは卒業した後だったのですが、、笑

GOさんのドラムの特徴は野蛮さと丁寧さが共存したヘヴィさにあると思います。

一見するとドラムを攻撃するように叩いているのですが実はかなり丁寧で均整のとれたドラミングで、手足の縦のラインがキッチリした実に綺麗なドラミングです。そこにプラスして重戦車の如くドッシリと地にめり込む様に進んでいく重いノリがプラスされる事で彼独特のドラミングが形成される様に思います。

また、音の1発1発に説得力があり、特に胴鳴りがしっかりと聴こえるスネアの音はGOさんならではの特徴だと思います。

バスドラムの皮感のあるどっしりしたサウンドも特徴的で「こういうサウンド出せないかな」と常に模索している音でもありますね。

そして至る所に散りばめられたド派手なコンビネーションフィルも特徴で、肉体的にキツい叩き方でなくともかなり派手に響かす事ができるので自分もかなりそこから影響を受けたフレーズを叩いてる事が多いです。

GOさん自身がかなりバンド全体、音楽全体を見れる方なのでフレーズの構築が楽曲を生かす"意味のあるアプローチ"になっているので殆ど無意識的ですが自分のドラムアプローチの指標になっている事も多々あります。

結構昔は自分のドラミングを見た人から「GOさんに影響受けてるでしょ?」と言われる事もありました 笑 

国内屈指の影響力を持つドラマーだと思います。

7.Vinnie Paul(ヴィニーポール)

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解散して18年程経った今でもその影響力が衰えない伝説的メタルバンド、PANTERAのドラマー。

Damage plan、HELLYEAHなどでも活躍していましたがやはり彼を代表するキャリアは言わずもがなPANTERAでしょう。

ヴィニーに関してはやはりPANTERAの音楽が大好きでそこから影響を受けたということが大きいですね。

ヴィニーのドラムはメタルというジャンルにしては珍しいくらいミドルテンポに重点をおいた"間"を生かす様なドラムで、PANTERAの音楽性が"グルーヴメタル"と称されてる一因になってると思います。

また、2バスの入れ方も独特で、ドコドコ〜と長く連打をして迫力をだす使い方は多くなく、バックビートのスネアの前に装飾的に入れ込んだり、チェンジアップを使ったテクニカルなフレーズを繰り出す事が多く、結果としてそれがPANTERAの音楽性が持つ凶悪さにどこか知性を与えるようになり、多くのメタル以外のミュージシャンからもPANTERAが受け入れられる要因になっているのではないかと個人的には思います。

中でも代表的な"Becoming"の2バスフレーズ。16分と6連符のチェンジアップを使ったフレーズは今聴いても「何だこのアプローチは?!」と衝撃を受けます。

昔、ドラムマガジンでも菅沼孝三さんがこのフレーズを絶賛していましたね。とんでもないフットテクニックがないと出来ないフレーズです。

また、その音作りも特徴的で、PANTERA以前のヘヴィなサウンドのドラムはかなり他の楽器に埋もれてしまっていて、特にキックの粒立ちなどは殆ど聴こえてこない事が多かったのですがヴィニーのトリガーを駆使した音作りはスネア、キック共にしっかりと抜けのいい硬質なサウンドで、はっきりと粒立ちが聴こえるクリアなものでした。

これは後世のメタルドラムサウンドに多大な影響を及ぼした、、というかこのサウンドをスタンダードにしてしまいました。

かといって無機質なサウンドというわけではなく、しっかりとダイナミクスのついた人間味のあるサウンドに仕上げているのは驚くばかりです。

また、PANTERAの楽曲は基本クリック未使用なのですが、クリックや修正なしでここまでタイトにビートを仕上げるのは並大抵の実力ではありません。

しかし、プレイヤー、それもプロのミュージシャンである以上はそこを目指しいくべきなのです。野蛮さや奔放さが目立つPANTERAですが、そこだけでなく多くのミュージシャンからも絶大な支持と尊敬を今尚集めているのはその尋常でないミュージシャンシップの高さゆえです。

惜しくもギタリストのダイムバックダレルは2005年、ヴィニーは2018年に亡くなられてしまいましたがPANTERA、そしてヴィニーが後世のメタルドラム界に残してくれたものは今後もずっと語り継がれていく事でしょう。

8.最後に

そんな感じでババっと7人の方々を紹介させて頂きましたが如何でしたでしょうか?

皆さんも日々意識的にしろ無意識的にしろ色々な方のプレイに影響をされいると思いますが『自分のプレイを形作るもの』を意識してみるのはとても重要と感じます。

人が成長するにはメンターと呼ばれる"人生の師"の様な人が必要であると言います。そういう人に人生で出会えたら良いですが、メンターというのは必ずしも実際に会ったことのある人や誰か一人に絞る必要はありません。

もし誰か憧れのドラマーがいたのならばその人について徹底的に調べ、その人の参加する音源を聴いたり、映像を観たり、その人のインタビューを読んだりしてその人のドラミングの根源にあるものを感じ取るという作業をしていると、会わずともその人が自分にとってのメンターとなっていきます。

それは時にパクリや人真似になってしまう事もあります。

しかし最初はそれでいいのです。

パクリや人真似が上手い人は基本、吸収力が高いセンスのある人です。

そこからしっかりと憧れの人のエッセンスを吸収し、自分のものにしていけばいいわけです。

人真似だけではどうにもならない事やパクリでは通用しない様な事は続けてれば嫌でも訪れます。でもそれが訪れた時があなたにしかないものを手に入れるチャンスです。そこで自分に足りない物や、何故いくら真似をしてもその人に届かないのかを自分なりに見極めれば、必ず道は拓けます。

ドラムの上達に練習は不可欠ですが、この様に好きなドラマーやミュージシャンを受動的ではなく能動的に調べていくという作業も上達に欠かせない要素だと思います。

その作業を通じて自分の目指すべきところはどこなのかがきっとわかります。

なので日々"自分が心惹かれる人"を明確にして自分の中の指標となる人を作っておきましょう!

ではまた次回!




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