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ショパンってどんな人?

学生の頃はとにかくショパンのメロディが好きで、いわゆる有名なポロネーズやエチュードを弾くことに憧れていた。ピアノの森をみて、ショパンが弾いてみたい気持ちが再燃し、ノクターンOp.9-3から始め、Op/10-1、Op.62も弾いてみたが、弾けば弾くほど好きになっていく。どんな人がどんな人生を歩んで、こんな素敵な曲を書けたのか、GWの休みを使って2冊読み、印象に残ったことを記録してみる。

コンパクトでカラーの挿絵も豊富な新潮文庫:遠山一行著の方で概要を掴み、ジェリンスカ著の決定版でショパンがどんなことを考えていたのか、様々な手紙から想像する順番がオススメ。

まず2冊読んで思ったことは
「人は1人では生きていけない、人と交わりにより生まれる感情が表現のベースになる」ということ。
ジョルジュサンドとの恋愛や失恋?は本を読む前から事柄を知っていたが、同じくらい、若くはそれ以上に友への熱い友情が印象的だった。

親友:ティトゥス・ヴォイチェホフスキ

「コンサートの後の君の眼差し一つが、僕にとっては、新聞記者連中・・・その他大勢の褒め言葉を全部合わせたより大切なんだ」
「・・・ワルツを君に送った。・・・それほどとても君を愛しているから」

祖国ポーランドには戻らず、1人パリで奮闘するショパンは、サロンでの知的で上級な外的交流で埋められない孤独を、友や女性に気持ちを吐露することで埋めていた。そう、欲しいのはたくさんの交流相手ではなく、腹割って話せる、一緒にいて落ち着ける人だよなぁ、、すごく共感できる!

選択と集中

通った音楽学校の師、校長:エルスネスがショパンの個性や才能を理解し、ピアノ以外の楽曲の作曲に拘らせなかったこと、当時は芸術の最高峰がオペラという流行の中、敢えてオペラには行かずにピアノ作曲を集中してきたことが素晴らしいピアノ曲を残すことに繋がった。
体力が無い中、貴族のレッスンもしつつ、講演を控えてまで作曲に傾倒していたショパンなので、そもそもあれもこれもと手を出す余裕は無かったんだろうが。

ユーモアと正確さ

残っている手紙の文面からは、単なる感情表現ではなくそれをユーモラスたっぷり書くのは、モーツァルトと似ている(モーツァルトに出てくる下品な冗談は無かったが)。子供の頃、夏休みで過ごしたシンファルニャでは、シンファルニャ通信という記事形式で手紙を書く。一方、音楽以外の才能で秀でていたのが俳優で、特に子供の頃から他人の物真似芸が得意で非常に観察力があったとのこと。幼少期に書いていた漫画の絵も挿絵で載っていたが、
何事も表現するために正確な把握と、表現のために正確に体を動かすことが大事なのか。

まとめ

正直、登場人物も多く一回読んだだけでは細かい部分理解できないところが結構あった。おそらくその人物関係を整理しながら、ショパンの行動や手紙の文面を読むと、より面白くなると思う。(恐らく)内向的だったショパンが、パリという新天地で、始めは有名音楽家にも自分から声をかけられなかったところから、道を切り開いてこれたのは、自分の音楽に自信を持てたから。やっぱり自分の個性で勝負するって大事。
あと今回深堀できてない楽曲面も非常に興味深い。ポーランドの民謡というアイデンティティを持って、いかにピアノは美しく音楽で自己表現できる楽器なのか、を追求したショパンが、生涯通して作曲したマズルカにもまだ手を出してないし。
ベートーベン生誕250周年が落ち着いたらマズルカも弾いていこう。

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