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あなたの知らない経絡の世界~心包経の巻・前編

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記事開いていただきありがとうございます。ゆーのすけです。

これまで、肺経、大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱経、腎経までの流注(経絡の流れ)をみてきました。

今回は、心包経についてまとめていきます。

突然ですか心包経といえばどんなツボを思い浮かべますか?

僕はよくツボ教室などでお話するとき、「労宮」を紹介します。

発表前など緊張してるとき、手のひらに人という字を3回書いて飲み込むと、心が落ち着くという話ありますよね。

それは精神に関係するツボである「労宮」を刺激してるから効くのですよ!って説明すると、ツボを身近に感じてくれます。(実際ツボ刺激なのかはおいておくとして)

マグカップで紅茶飲むとき、両手で包むようにカップもってるとホッとしますよね。これ「労宮」の効果です。ってパターンもあります。

そんな心包経ですが、教科書の図を見ていると、胸から手をイメージしますが、心包や三焦など体内流注を意識すると、さらに臨床活用の幅が広がります。

今回の前編では、心包経のメインの流注(正経)について解説します。

心包経

正式には、「手の厥陰心包経」と呼ばれます。

心包経の流注

まず、経絡経穴の教科書に書かれている流注をみていきましょう。

■手厥陰心包経

① 手の厥陰心包経は、足の少陰腎経の脈気を受けて胸中[膻中]に起こり、心包に属し、横隔膜を貫いて三焦 (上・中・下焦) を絡う。
 
② その支脈は、胸をめぐって腋窩に至る。 上腕前面、肘窩[曲沢]、前腕前面 (長掌筋(腱) と橈側手根屈筋(腱) との間) 、手掌[労宮]を通り、中指先端中央 [中衝]に終わる。

③ 手掌の中央で分かれた支脈は、薬指内側端[関衝]に至り、手の少陽三焦経につながる。

『新版 経絡経穴概論』

※【】で類経などを参考に経穴名を挿入し補足。

十四経発揮 経絡図はこちらです。

今回も原文に忠実に基づいた模式図作ったので、この流注図を見ながら記事読むとわかりやすいかと思います。

ゆーのすけ作成

ポイント①心包経は「膻中」からはじまる

心包経の流れをみていきましょう。

① 手の厥陰心包経は、足の少陰腎経の脈気を受けて胸中[膻中]に起こり、心包に属し、横隔膜を貫いて三焦 (上・中・下焦) を絡う。

まず①から。

腎経から心包経へは、胸中にて接続します。

胸中とは、類経によると

胸中,当両乳之間,亦曰膻中

類経。腎経の頁

と書かれており、『膻中(だんちゅう)』を指すと考えられます。

よって心包経の始まりは、『膻中』ということになります。

ここでの『膻中』は体表の部位の名前として使っていると思われますが、経穴名でもありますよね。

ご存じのように、『膻中』は、両ちくびの中間、胸骨の上の経穴です。

心包経の募穴としても設定されていますので、心包異常時の診断点にもなりますし、治療点にもなります。

(ちなみに、『膻中』を心包の募穴としたのは代田先生。古典にはもともと記載なかった)

特に、精神的なストレスあるときなど反応が出やすいところです。


ポイント②心包経は「心包」に属する

心包経は、胸中に起こったのち、そこから心包(原文では心包絡)に接続(属す)します。

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