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あなたの知らない経絡の世界~胃経の巻・前編

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前回は、手の陽明大腸経の流注(経絡の流れ)について解説しました。

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今回は続きで、足の陽明胃経について解説していきます。

胃経と言えば、胃腸疾患と密接な経絡になります。

特に「足の三里」が有名ですよね。経絡なんてわからないって方でも、使用頻度が高い遠隔治療穴であるのかなと思います。

そんな足の三里ですが、その所属の経絡である、足の陽明胃経が身体のどこにつながっているか理解すると、さらに応用をきかせることもできるはずです。

漠然と足の三里は胃腸に効くんだとだけ思っている方は、この記事で胃経の流れを一緒に確認していきましょう!

なお、改めて様々な参考文献を読みながらまとめなおしていて、胃経の走行がかなり複雑だと思い知らされたので、今回は「正経」だけとなります。次回、絡脈や経筋、経別などみていきます。

胃経

正式には、「足の陽明胃経」と呼ばれます。胃は脾と表裏の関係にあり、また胃、大腸、小腸など胃腸と密接な経絡になります。”陽明”なので、基本的に身体の前面を走行している経絡です。

胃経の流注

まず、経絡経穴の教科書に書かれている胃経の流注(ながれ)をみていきましょう。

 足の陽明胃経は、手の陽明大腸経の脈気を受けて鼻翼外方【迎香】に起こり、鼻根部【山根】で足の太陽膀胱経【晴明】と交わり、鼻の外側を下り、上歯に入り、かえり出て口をはさみ唇をめぐり、オトガイで交わる。戻って、顔面動脈拍動部[大迎]、下顎角、耳前から髪際をめぐり、額中央【神庭】に至る。

 [大迎]から分かれた支脈は、総頸動脈拍動部[人迎]、気管をめぐり、大鎖骨上窩【欠盆】に入り、横隔膜を貫いて、胃に属し、脾を絡う。 

 本経は、大鎖骨上窩【欠盆】より、胸部では前正中線外方4寸を、腹部では前正中線外方2寸を下り、幽門部に起こり腹部を下る支脈と、鼡径部の大腿動脈拍動部[気衝]で合流し、大腿前外側、膝蓋骨、下腿前面を下って、足背から足の第2指外側端【厲兌】に終わる。 

 膝下3寸【足三里】から分かれた支脈は、下腿前面を下り、足の第3指外側端【第二厲兌】に出る。足背で分かれた支脈は、足の第1指内側端【隠白】に至り、足の太陰脾経につながる。

『新版 経絡経穴概論』
(一部経穴名挿入)原文は『霊枢』経脈第十

※【】で『類経』を参考に、ゆーのすけが経穴名を挿入し補足。

十四経発揮 経絡図 胃経
足の陽明胃経の流注(ゆーのすけ作成)

おおざっぱに分けると、胃経の分布範囲として、
「頭」→図の右上、「体幹」→図の右下から真ん中、「脚」→図の左側
の3つに分けられます。部位ごとに特徴をみていくとわかりやすいです

胃経の頭部領域

まずは「頭」の領域からみていきましょう。

ポイント①:胃経は「迎香」からはじまる

胃経って「承泣」(瞳孔の下、眼窩下縁の中央)から始まるイメージ強くないですか?
承泣、四白、巨髎…と覚えている方は多いでしょう。

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