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あなたの知らない経絡の世界~脾経の巻・後編


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おはこんにちは。ゆーのすけです。

前回の前編では、足の太陰脾経(正経)の流注(経絡の流れ)について解説しました。

今回は、足の太陰脾経でも主な経路ではない、経別、絡脈、経筋について書いていきます。

十四経発揮 経絡図 脾経

以下の流注図を見ながら記事読むとわかりやすいかと思います。

足の太陰の流注(ゆーのすけ作成)

ポイント①『咽頭』『舌』とつながる

足の太陰経別の流注

まずは、足の太陰経別の流注についてみていきます。

補足:そもそも経別とは?

例えば足の太陰経別は、古典の表記では「足太陰之正」となっています。
これは本経から分かれた経脈・別行する正経で、正経の別ルート・支脈であることを示しています。
体内の深層を走り、正経12経脈循環の不足を補い、表裏関係、臓腑関係を強化します。また、経別独自の経穴は持たず、主治症もないのが特徴です。

以前の胃経の記事から説明引用

大腿内側の【血海穴、箕門穴】あたりから正経と分かれ出て、斜めに上がって『髀(大腿上部・髀関穴あたり)』へいき、胃経の別行の流れ(足の陽明経別)に合流します。

足の太陰経別は、足の陽明経別と並行して流れ、鼡径部から腹中に入り脾胃に分布します。

その後、古典に記載はないですが、足の陽明経別は心臓通るので、並行して走行するなら足の太陰経別も心臓を通ります。

さらに上行して『咽(咽頭部)』に結び、『舌中(舌の中)』へ分布します。


・『咽(咽頭部)』とつながる

隔を上り、咽を挟む(上隔挟咽。)

足太陰脾経の流注から抜萃

と正経の流注にあるように、脾経の流注は『咽』と密接にかかわっていましたが、
その別ルートである経別でも『咽』に流注しています。

このことから経別は足の太陰経と『咽』との関係性を強化していることがわかります。

・咽と喉の違い

ちなみに、この『咽』とは、足の陽明絡脈が流注する『喉嗌』とは違うのでしょうか?

のどの事を咽喉というが、「咽」とは食道の部分で、後ろにあり、
「喉」とは気管の部分で、にある。

臓腑経絡学p113注釈

と記載があり、このことから単純化して考えると
胃経も脾経もノドを流注していますが、
胃経はノドでも前側を、脾経後側を流注していると考えられます。

また、ノドを通過するものを空気と食べ物と分けると、
胃経空気の通り道を、脾経食べ物の通り道を流注すると考えるとよりわかりやすく整理できそうです。


★ノドとつながる経絡

脾経と胃経以外にもノドを流注する経絡はありますので、まとめておきます。ノドの症状を鑑別するときに役立つかもしれません。

手の陽明大腸経(経別)  → 喉嚨
足の陽明胃経(絡脈)   → 喉嗌を絡う
足の太陰脾経(正経・経別)→ 咽に結ぶ
手の少陰心経(正経/経別)→ 咽を挟む/喉嚨に走る
手の厥陰心包経(経別)  → 喉嚨

参考:「舌本」が通る経絡
脾経(正経)、心経(絡脈)、膀胱経(経筋)、腎経(正経・経別)、三焦経(経筋)

「舌中」が通る経絡
脾経(経別)

ただし、すべての経絡は『頸』を通過するのでその他の経絡はまったくノドに影響しないかと言われればある場合もありえます。

僕が実践するVAMFITでは、頸にすべての経絡の反応が出るという前提になっています。(過去記事の頸診記事参照)

また、『舌本』という表現もあり、『咽』とどう違うのかは検討が必要だとは思います。


・『舌中(舌の中)』とつながる

舌本に連なり舌下に散る(連舌本。散舌下。)

足太陰脾経の流注から抜萃

と正経の流注にあるように、正経と経別どちらも舌に流注していることがわかります。

このことから経別は足の太陰経と舌との関係性を強化していることがわかります。

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