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4連勤前、商店街を抜けて

学校から家まで10km。私は毎日往復20kmの道のりをチャリを飛ばして登下校している。
今日は駅前の商店街を抜けて帰ることにした。同じ道を通って、昨日見た空と今日見える空を比べたり、今日から始まった道路工事を横目にゆっくり漕ぐのも好きだ。

“変化”というものは心の拠り所というか、あの儚さと切なさは、苦しい時には泣いてもいいんだなぁ。と思い出させてくれるものだ。

今日は刺激が欲しかったみたいだ。

駅前の大通りを1本外れた裏道を通って、駅前の商店街を抜ける。パチンコ店、カラオケ店、居酒屋、呉服店、薬局と“The商店街”みたいな店が軒を連ねている。
まだ16時過ぎだからか、このご時世だからなのかは知らないが、人の少なさは異常だった。と言いたいのだが、この過疎具合はいつもの事。学校終わりに居酒屋に行ったこともあるが、その時の賑わいも、入るだけで酔ってしまうようなあの空気感も夜になればやってくるのだろう。


この道を通るのは月に2回有るか無いかくらい。通る時は必ず両耳をイヤホンで塞ぎ、大音量で流れる音楽を聴いて漕いでいる。全速力で。(普通に危険)

人の多い場所は苦手で、登下校の間にすれ違う車も高校生も苦手だ。周囲の目がどうしても気になってしまう。だから、毎日の20km、本当に苦痛で仕方がない(笑)

今日は刺激が欲しかったみたいだ。
イヤホンで両耳を塞ぐことはせず、カラオケ店から漏れでる流行りの音楽やパチンコ店から溢れ出る騒音、歩行者に向けた誰かが鳴らす自転車のベルの音を聴いて、ゆっくりと漕いだ。

こんなに寂しい音を聴きながら漕いだことはない。耳に入ってくる音は虚しく、すれ違うスーツを着た人たちの疲れきった顔がより一層そう感じさせているようだ。
居酒屋に寄った時はこんな音は聴こえなかった。

刺激を求めて通った道は、変わっていた。
ある飲食店には「コロナ、嫌い」という札が立てかけられていた。


あの活気に満ちた音と空気を感じたい。

何処にいってしまったんや…。

分からないし、知らないので、

もう全て、迫り来る4連休という名の4連勤のせいにしておこう…。


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