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ロードクロサイト

特に女性に人気の石、ロードクロサイト。アルゼンチン産のものが主流なので、別名「インカローズ」とも呼ばれています。しかし、ロードクロサイトは世界各地で採掘されるうえ、産地によって雰囲気が異なるので、色々な産地のものを見ていただきたいです。
 
左のハートが、アルゼンチン産。右のエッグがコロラド産です。ちなみに、このハートはイーダーオーバーシュタイン磨き。アルゼンチン産らしい縞模様がかわいいですね。
 
コロラド産のロードクロサイトと言えば、そう、スイートホーム鉱山です。宝石質のロードクロサイトが採掘されることで有名です。しかし、15年前くらいに採掘のピークを迎え、すでに枯渇して閉山となってしまいました(2004年に閉山という情報がありますが、定かではありません。確かにその当時はまだ見かけていました)。
 
今流通しているコロラド産ロードクロサイトは、業者さんのストックかコレクターの放出品ではないかと思います。
 
ちなみに写真のコロラド産ロードクロサイトは、閉山の情報が流れ出す前に仕入れられたものなので、かなりお安い価格で手に入りました。石の市場って、ほんの数年で状況がまるで変わってしまうんですね。

コロラド産の特徴は、透明度の高さと濃い赤ピンクの色合いです。しかし、アクセサリーに加工されているものはあまりありません。ロードクロサイトは硬度が低く、水分によって変色し、劈開(へきかい)と呼ばれる一定方向に割れやすい性質があるため、アクセサリー加工&身につけることには適していないのです。日光による褪色もありますので、保管の際は気をつけなければなりません。

ブレスレットに使われる場合もありますが、先ほども触れたようにとにかく硬度が低いので、すぐに摩耗してしまいます。あるいは、白っぽくなってしまったり、ツヤがなくなったり、汗で質感が変わることも。身につける際は注意してくださいね。
 
そんなふうに取り扱いが難しい石であるにも関わらず、この色合いは本当に魅力的で、昔から根強いファンがいます。この上品なピンクレッドは、他の石にはない色合いですしね。「この縞々模様がいい!」という方も結構います。
 
 
ロードクロサイトは、すごく女性的な石。繊細なところも、情熱的な色合いも、女性に近いというか、女性の味方!といった印象があります。もちろん、男性が好んでもいいと思いますけどね。男女問わず、内面には男性性、女性性、どちらもあると思いますので、あまり気にせずこの石と向き合っていただけたらなと思います。
 
割とメジャーな石であるにも関わらず、私はほとんどロードクロサイトに注目していませんでした。嫌いな石ではないし、きれいなのは分かるんだけど、身近にいる石という感じではない。なんでだろうな。
 
ただ、私の石友だちから話を聞くと、女性性に傷を持つ人、例えば、女性や母性という側面で傷を抱えている人、自信を失っている人が反応しやすい傾向があるように思いますね。

すごく気に入るか、めちゃくちゃ苦手か、という風に、手に取る人の反応が極端。この石は、割と深い部分に寄り添ってくれる石なのかも。
 
ただ、ロードクロサイトは基本的に元気なので、何があっても、あるいは、何かあるからこそ、「大丈夫大丈夫!」と光を当ててくれることは間違いありません。かわいい石です。

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