石の声を聴いた日
石にはスピリットがある。
石が好きな方にとっては当たり前のことかもしれませんが、多くの人にとってはトンデモ話に聞こえてしまうと思います。
私もかつては、石にスピリットがあるということには懐疑的でした。そんなの、妄想の話なんじゃないか。流行のスピリチュアルに傾倒しすぎているんじゃないか。パワーストーンも流行っているし、そういう風にファンタジックに捉える人もいるかもね、と。
その認識ががらりと変わったのは、2012年春先のある出来事でした。
海外のミネラルショーで買い付けをし、時々日本に戻ってきては販売会を行うショップさんの存在を知り、初めてその販売イベントに参加した時のことです。
主催者であるバイヤーさんが選ぶ石はどれも美しく、個性的でセンスが良く、どの石にも気品があるのです。当時、私は育児に追われて外出が難しかったので、彼女のwebショップを利用していたのですが、手元に届く石は素晴らしい石ばかり。普通、通信販売で石を買う場合は「写真と違う」という感じで失敗するケースが多いのですが、彼女のショップはハズレが全くありませんでした。
ようやく少し余裕ができて、イベントに行けるチャンスに恵まれた日、躍る心を抑えながら電車に乗ったのをよく覚えています。
イベント会場に入る前は少し緊張していましたが、予想以上にアットホームでこぢんまりしていたので、足を踏み入れた途端、肩の力が抜けました。フリージアの香りも心地良い。
やはり、石は直接見て、手で触れるのがいいですね。バイヤーさんセレクトの石たちは想像以上に輝いていて、まさに圧巻!という感じでした。
その時、バイヤーさんが声をかけてきたので、何となく、以前こちらのwebショップで購入したアイオライトのハートを手渡しました。すると、面白いことをお話ししてくださったのです。
「あなたが結宇さんだったんですね!今日、お会いできると思っていました。
あれ、このアイオライト、なんだか以前と性格が変わっている。すごく、きちん!きちん!としているような感じ。規律正しい!というような。」
それを聞いた時、ものすごく驚きました。というのは、アイオライトが届いた直後、私は急に思い立って部屋の大掃除をし、さらに生活習慣を改善してランニングを始め、3カ月で9キロの体重を落としたからです。仕事面でも、以前より意識が高くなったというか、締め切り前に原稿を上げるようにしたり、書いている分野の知識を広げようと勉強を始めたところだったのです。まさに、基盤を整えている最中だったので、本当にびっくりしました。
「ずいぶん、前より楽になってきたんじゃないかってアイオライトは言ってますよ。この石は今、自己鍛錬を促しています。これから結宇さんに必要になることを鍛えようとしているんです。
あと、これからの道に進むために、迷わず、揺るぎない心を持つこと。そのサポートをするために、あなたのところへ来たんだよ、と言っています」
石が私に何らかの影響を及ぼしたり、私の生活をちゃんと認識したりしている?
今振り返ると、確かにその年の後半から仕事が急激に忙しくなり、この時に整えた基盤にずいぶん助けられたのでした。
そこで「どうすれば、石からのメッセージを受け取ることができるんですか?」と聞いてみたところ
「クリスタルとのコミュニケーションで大切なことは、思考(マインド)を外し、『ただ感じる』ということです。『ただ感じる』ということは、答えを『求めない』『期待をしない』ということなのですね。
さらに言いますと、そのクリスタルをクリスタルであることですら手放すということです。」
ということを教えていただきました。
そんなことがあり得るのか。半分ビックリ、半分分析モードに入っていく私。すると、その直後に石の声を聴くヒントとなる出来事がありました。
私はこの日、主にイーダーオーバーシュタインのポリッシュを見たくて訪れたわけですが、なんとなく、どのイーダー磨きの石を見てもピンと来ないのです。確かに美しい石ではあるのですが、どれも違うというような。それよりもツーソンショーで仕入れられた石たちの方が、すごく輝いている。
無意識のうちにそんなことを思っていたところ、バイヤーさんが
「イーダーオーバーシュタイン磨きの石たちは、まだ魅力を発揮してないんですよ。だから、目立たないでしょ?」
と話しました。
確かに。私もそう思うわ。でもなんで分かるんだろう?
それから1時間ぐらいすると、今度はじわじわとイーダー磨きの石たちが気になり始めました。「なんとなく、こっち(イーダー)が気になってきた」と私が言うと、隣にいたお客さんが、「私も今、そう思っていたところです!」とおっしゃったので、びっくり。
そして、バイヤーさんが「石は、オーラを自在に操るんですよ」と微笑みました。
石を見て、「なんとなく、今日はくすんでいるような気がする」とか、「今日はこの石が気になる」とか、「この石、こんなにきれいだったっけ?」とか、「この石は疲れているのかな?」とか、石好きさんならほとんどの人が、そんな風に感じた経験があると思います。
私は、そのような感覚の多くが、気のせいだと思っていました。よっぽどの変化がないと、その感覚を否定していました。しかしこのイベントで、複数の人が同時に石の微妙な変化に気付いたことから、「ああ、そういう『気のせい』こそが、石のメッセージなのかもな」と思ったのです。
まとめると、
・石は、持ち主の生活を見ている(記憶している)
・石は、持ち主に対してメッセージを送っている
・石は、オーラ(エネルギー?)をコントロールすることができる
・石には意志がある
それならば、よく石好きさんの間で言われている、「石が持ち主を選んでいる」ということもあり得るのかもしれません。
もちろん、お迎えしようと手に取るのは、自分の意志。でも、きらりと光って人の目に留まろうとするのは、石の意志。こうして縁が繋がるのかもしれません。
すべて証明できないことなので、何とも言えない部分ではありますが、実際に似た経験した人はたくさんいると思います。この日、私ははっきりと石の変化を見て、かつ、その変化を人と共有したことで、「確かに石には何らかのエネルギーがあるんだ」と感じました。
「気のせい」として感じていたことを、もっと大事にしてみよう。
毎日、よ〜く石を見て、微妙な変化も読み取ってみよう。
そこに、石と対話の答えがあるかもしれない。
そんな風に感じたのです。
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