なぜ、夫がムカつくのか

夫よ、今日も一日お疲れ様~。お風呂、ゆっくり入って、🍺でも飲んだら??肩でも揉もうか??

そんなセリフ、育児歴6年、1度も言っていない気がする。

すごく頑張ってくれている。夫くん。朝ごはんはつくってくれるし、掃除洗濯、赤子の世話、なんでもまめまめしてくやってくれる。

なのに!!!!!!

なんか、ムカつくんですよね。夫という存在が。

腹立たしくて夜中眠れない時もあるくらい。なんなんでしょうね。この現象は。育児中特有の、「妻、赤子中心のライフスタイル。すべてが赤子中心の生活になるが夫、仕事があると言えば自由にランチも出来る、さっと移動できる。」という育児あるあるのなせる業なのでしょうか。

育児中、妻の行動範囲は、スーパー、幼稚園、公園、(兼業なら)仕事先、保育園。専業の方なら明らかに行動範囲、付き合う人の範囲は狭まるわけですね。ママ友の社会は子供中心の閉ざされた村社会。ちょっとした言動でミスっただけで村八分をくらうこともある。神経とがらせて付き合う必要がある。子供の睡眠の合間を縫って掃除洗濯、子が寝てからようやく自分の時間。乳児、幼児期は「今日、1日大人としゃべりませんでした~」なんて日常茶飯事。ちょっと男友達と飲みにいこっかな。なんて気楽にいけないわけ。そんな「他人(子供)に合わせてなんとかやりくりして終わる毎日」を送っている妻と反して、夫は「自由」!ですから!

それに対して、たまに文句を言うと『仕事なんだから仕方ないだろう』『誰にたべさせてもらってると思ってんだ』とのありがたいお言葉。

夫のいらだちは、「俺は稼いでくるという役割をちゃんとやってんだぞ。」という心の叫びを伴って吐き出される。理不尽な思いに堪え、仕事をくださいとペコペコ頭を下げ、今期売上がない・・と冷や汗をかきかき、胃に穴をあけながら、毎朝下痢でトイレが長いと文句言われながらも、よくやってくれていると、頭ではわかってるんだが・・・。

「社会に出たら7人の敵がいる」男としての使命感に燃え、仕事に燃え、家に帰ったら、優しい奥さんとかわいい子供に癒されて・・・というのが理想なのだ。奥さんと子供を食わせてやっているんだ。俺は。

社会における男の役割」に徹したい、その役割を捨てたくない!女に奪われたくない!という深層心理があるのではないか。夫よ。それが自己を自己タラしめる唯一の手段なのだ。たまには、その役割をやめてみてはいかがでしょうか??ひがな一日、子供と過ごしてみるのはいかがでしょう??専業主夫をやってみるのはいかが??

夫への怒りの原因は、単に「自由に出来る」ということだけではないようです。社会で活躍しているオレという確固たる自己陶酔、妻への優越感、己の価値基準が、社会で有益な人間であること、生産性があること、その役割を全うしているオレというスタイルを崩さない、その価値観がむかつく原因なのかもしれぬ。

そして、社会に出て金を稼ぎ、有益な人間であることが絶対である、と考える妻にとって、無報酬、単純労働の家事育児は、自己無価値感を味合わせる苦行以外の何ものでもなく、「なぜ、私が、こんな苦行を、、、、」と感じてしまうのかもしれぬ。

男女平等(表面的だけかもだけど)、女性も自立して稼げと言われながら育ってきた1980年代生まれのわたくしも、そんな社会的に評価されることが全てだと思って生きてきた節がありまして、人生のホットスポット的な育児期を苦行だとしか思わない時もありますです。

政治家さんよ。本当に男女平等な社会を目指すなら、少子化を食い留めたいのなら、社会に出て、金を稼いでいる人間が生産性のある人間だという、皆の意識の改革が急務だぜよ。それが完了したころに、日本人がいるかどうか、不明ではありますが、せめて、私自身、社会に出て金を稼いでいる人間が生産性のある人間で、存在価値がある、それ以外の稼いでないやつはダメなやつだ、という日本社会に蔓延する空気を内在化しないようにせなあかんと思うのだ。

ああ、夫よ。そう考えると、かわいそうな人だ。君は、そこそこ、困らない程度のおかねをいれてくれるだけでええんやで。金を稼ぐだけが君の役割だけじゃないぜ。元気で笑っていてくれるだけでええんやでーーー。そしてたまには、役割交代しようやないかーーー。