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「知財業界での大(きな効果を持つ)ピンチ(に関する発明)」を特許分析 #benrishinohi

屁理屈

弁理士の日おめでとうございます!私は弁理士ではありませんが、おめでたいし、今後の発展を願いたい!!ということで、今回のブログを書きたいと思います。今回は、弁理士の日記念ブログ企画2022のレギュレーションの元、書かせていただきました。


知財業界の歴が浅い私は、大ピンチの経験がなく、屁理屈を言って、今回このようなタイトルしました。

知財業界での大(きな効果を持つ)ピンチ(に関する発明)を特許分析

大ピンチと言っても、いろんな意味が取れます。。。

まず、ピンチにもいろいろな意味があります。コトバンクによると下記のようなものが、、、

ピンチ(pinch)
[名](スル)
追い詰められた苦しい状態。苦境。窮地。危機。「ピンチに陥る」「ピンチを救う」
道具などで挟むこと。挟んで締めつけること。
園芸で、摘心すること。「新芽をピンチして枝数を増やす」

https://kotobank.jp/word/ピンチ-167698

こう見ると、発明内容に意味が広がると思いました。このような考えからこのテーマで特許分析を行おうと思いました。
また、大ピンチの「大」は、「大きな効果を持つ」、つまり発明として優位性が高いものに着目、特に、指標を被引用数と設定し、簡易的な特許分析してみました。

検索式

検索式は至ってシンプルに、下記のようにしました。

1、タイトル:(pinch*):
2、優先権主張日:>=(20170101):
3、1 and 2;
この状態で約9000件ほどの特許母集団を抽出できました。


特許マップ・分析

まず、IPC3桁でどんな特許があるか俯瞰しました。
「A61:健康」や「H02:発電」などもあり、様々な「ピンチ」があることがわかりました。

IPC3桁ランキング


次に被引用数に着目して、被引用数が多い順に並べました。
業界が様々な企業が姿をみせています。今回は特に、被引用数が多い特許・企業に着目しました。

高い被引用数を持つ(色は被引用数で異なる)


マルチポイントピンチジェスチャーによる検索結果の制御(被引用数 186回)


公開番号:US20130036383A1 
出願人:EBAY INC

eBayはアメリカのEC(e commerce)の企業であり、元はオークションサイトを運営していた企業です。現在では、運送にも力を入れている企業です。

今回の発明は以下のよう。

図面1


この方法は、デバイスがタッチスクリーンとのユーザーの相互作用を受け入れて、情報およびeコマースリストに対するオンライン検索の結果の表示をより良い方法で制御することを可能にする。ユーザーがマルチポイント ピンチ ジェスチャのセットを操作すると、複数の大量のデータや検索結果のナビゲーションが容易になります。このメソッドを使用すると、ピンチ ジェスチャによるタッチ対応ナビゲーションで、結果を精緻化または縮小して、結果のより決定的なビューを表示したり、ユーザーによるさらなる検索の要件をより適切に示すことができます。

アイテムデータのスケールインリストおよびスケールアウトされたリストを、例えば携帯電話などのモバイルデバイスのクライアントデバイスのディスプレイ上に表示するための、マルチポイントピンチジェスチャーによる情報リストおよび電子商取引(eコマース)リストのオンライン検索の結果を制御する方法。また、パーソナルデジタルアシスタント、電子タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デスクサイドコンピュータシステムまたは端末に使用することができます。

明細書内容を抜粋

「ピンチ」アウトという動作名ってこういうものだったのですね。日頃はよくやっている動作なのではないでしょうか?
ECサイトのインターフェースについてのシステム内容でしょうか?サービスを探しましたが、見つけられませんでした。。。しかし、被引用数が多い分、何かしらのビジネスになっているでしょう。(もしくは将来的に)

電子ビームドライバ付きロボット駆動手術器具
(被引用数:297回)

(implement portion for robotically-driven surgical severing and stapling instrument, has firing device which resists both pinching due to inadequate clamped tissue and partial opening due to excessive amount of clamped tissue)

出願人:johnson & johnson
公開番号:US20190099184A1

当該企業は、製薬、医療機器その他のヘルスケア関連製品を取り扱う企業です。

今回の発明は以下のよう。

図面2

ステープル塗布アセンブリの顎は、たとえ組織がわずかに多すぎたり少なすぎたりしても、最適なステープル形成のために肯定的に間隔をあけられています。間隔および切断機能は有利にEビームに形成され、関節のための柔軟性はEビームに取り付けられた薄くされた発射バーによって提供される。

この実装部は、細長いシャフト(16)に取り付けるために構成された細長いチャネル(18)を有し、ロボットシステムと作動可能にインターフェースし、チャネルスロットを含む。アンビルは、細長いチャネルに軸的に結合され、アンビルの縦軸に沿って内側に開いた垂直スロットと、垂直スロットと連通し、二等分され、かつ垂直スロットに横方向にある左右の長方形のプリズム状の凹部を含むアンビルチャネルを含む。焼成装置は、細長いチャネルと垂直スロットとの間に縦方向に受信された遠位に提示された刃先を含む。焼成中の焼成装置の係合は、細長いチャネルとアンビルとの間の垂直間隔を維持し、不十分なクランプ組織による挟み込みおよび過剰な量のクランプ組織による部分的な開口部の両方に抵抗する。

明細書内容を抜粋

本特許のピンチは「挟む」というものでした。手術器具のようです。
製品HPを見ると同様のものがありました。

引用:https://www.jnj.co.jp/products

上記製品の製品名、エンドカッターといい、血管、臓器を切って、縫合するを同時にでき、ステイプラーとも言われています。
製品化され、被引用数が高いということで、やはり発明として、ビジネスとして素晴らしいということでしょうか?

当該企業の2021年のレポートでは、

2021年度売り上げは、271億ドルという巨大な売上をあげています。

また、レポートには医療機器セグメントにおいて、事業が成長していること、エンドカッターも成長していることも内容にあげていました。

医療機器セグメント
2021年の医療機器分野の売上高は、事業成長率16.2%、為替影響1.7%を含む2020年比17.9%増の271億ドルでした。米国の売上高は、前年比14.9%増の127億ドルでした。海外売上高は、前年度比20.6%増加の144億円となり、これには17.3%の事業成長率及び3.3%の為替によるプラスの 影響が含まれています。2021 年度の医療機器分野の全世界における買収・売却の影響額は、主にASP(Advanced Sterilization Products) の売却により、マイナス 0.6%となりました。COVID-19の影響が大きかった前年度に比べ、医療機器事業の全世界の手術台数は回復しています。この手術台数の回復が、前年度との比較における売上及び利益の増加の主な要因です。

外科系フランチャイズは、2021年に売上高98億ドルを達成し、2020年から19.2%増加しました。アドバンスドサージェリーの成長は、主にエンドカッター、バイオサージェリー、エネルギー製品によるもので、市場の回復、市場の拡大、新製品の成功が米国での競争圧力を相殺したことに起因します。

https://www.investor.jnj.com/annual-meeting-materials/2021-annual-report


これぞ、「大」ピンチですね!!!(ズッコケ)

終わりに

今回このようなご機会をいただき、とても嬉しい限りです。
「弁理士の日記念ブログ企画2022」に誘っていただいたドクガクさんに感謝しております。

以上


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