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最大限にアクティブな運動が出来るようリハ時間を設計する

今回の話は、少しタイトルが分かりにくくなってしまったのですが、患者さんの限られたリハ時間内では、いかにしてアクティブな運動を取り入れる時間を確保するかを優先してリハメニューを組み立てる必要があるというものです。(表現力が乏しいです)

患者さんにとって療法士と一緒にリハに取り組める時間は限られています。特に、入院中にリハを受けられている患者さんは、入院期間も一日に受けることの出来るリハの時間も、法律によって限定されています。例えば、大腿骨頚部骨折後にリハ目的で入院されてきたおばあちゃんでは、最大で90日間入院でき、一日で受けられるリハは60分2回が上限です。リハをするために入院してきて24時間病院に居るのに、1日に受けられるリハはたった120分だけです。そして、その僅かなリハ時間を全て使い切った患者さんは、今度は、いきなり在宅で誰の手も借りず自立した生活を送らねばならないのです。

療法士なら全員が理解していることですが、こうして改めて文字に起こすと、この1日2回のリハが効率的に設計されていることがいかに重要かということがよく分かります。

このリハ時間の使い方で、一番最初に意識することは、アクティブな運動をどれだけ取入れられるかで、簡単に言い換えると、時間内でどれだけ運動量を確保できるか、です。

リハ開始当初の患者さんの多くは、まだ、車いすで移動していることが多く、リハ時間以外の病棟生活では、運動する機会はほぼ0です。とくに、そんな患者さんにとって、生活自立への階段を登れるのはリハ時間のみです。

しかし、だからといって、リハ時間の全部でアクティブな運動をすることはできません。大体の患者さんは、高齢であったり、長期の入院生活であったり、術後であったりなどのため、耐久性が低下しています。これは、身体的な耐久性だけでなく、精神的な耐久性も低下しています。特に、リハビリテーションは、出来ないことを練習します。出来ないことを練習するのはしんどくて、そんなに長い時間やってられないのです。(僕は人一倍しんどいことが出来ないです。)だからこそ、リハ時間を設計する必要があります。

僕は、リハの開始時、まず、患者さんの最大パフォーマンスである動作を要求します。例えば、杖歩行の獲得に向けて練習中の患者さんであれば、独歩で歩いてみてもらいます。(ドSです)そうすると、時々患者さんは、リハビリ始まっていきなり歩くなんて無理よーっと言います。そして、僕は、家に帰ったらいきなりトイレまで歩きますよ、トイレ行くための準備運動はしないっす。と言い返すのです。(再びドSです)

そこで、まず、その日の調子、患者さんのゴールまでの現在地、今から1時間のリハでのbefore-afterのbeforeを確認します。そのあと、次は、その患者さんが疲れを見せ始めるまで、主に立位での練習をします。そして一度、臥位になって、下肢のコンディショニングやOKCでの筋力トレーニングなどを実施していきます。その後は、再び、立位や歩行での積極的な練習に戻り、最後は最初にやった最大パフォーマンスの動作を再び披露してもらいます。

ポイントは、リハ時間の前半と後半に分けて、アクティブな運動をする時間を持ってきて、その間に静的な時間を持ってくるというところです。リハ室に来て、最初に、ベッドに寝てコンディショニングから始まるリハでは、どうしても、アクティブな運動時間が後半の一部分だけになってしまうのです。(もちろんケースバイケースですけど)

まとめると、1回のリハでのメニューの組み立ては、まず、その時間内でいかにして、最大限にアクティブな運動をする時間を確保するかを優先に考えるべきで、それには、始まってすぐベッドに寝てもらっていては多分ダメです、ということです。

食中植物

食中植物始めました
(こういうポケモンいますよね)

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