見出し画像

患者さんの前では一流セラピストを演じる

今回は、療法士はどんなに不安でも、常にベテラン療法士の態度で患者さんに接する方がいい、ということについてお話します。

リハビリテーションの世界に、確かな正解はありません。そんな不安定な世界の中で、患者さんのその後の生活を担う担当療法士は、常に不安と恐れを抱えながら、リハビリテーションに挑んでいます。

それでも、療法士が患者さんの前に立つときは、そんな不安や恐れを自分の中に閉じ込めて、患者さんに対して強烈なリーダーシップをとって、リハを進めていくべきだと思っています。

リハビリテーションにおいて、確かな成果を上げるためにはリハへのモチベーションを高く保つことが重要です。しかし、そのモチベーションは、「リハをすることできっと回復する」というリハへの確かな期待がなければ、薄れていってしまいます。そして、そのリハへの確かな期待は、担当療法士への確かな信頼がなければ生まれないのです。

僕は、この考え方は本当に重要だと思っていて、例えば、二人の別々の療法士が、同じ患者さんに、全く同じ理学療法を施術したとしても、その療法士に対する患者さんの信頼の程度が異なれば、その理学療法の効果も異なるものになると思っています。

ですので、リハビリテーションの効果を最大にするための一つの戦略として、療法士は患者さんの前では、例え新人であろうと、初めて診る疾患であろうと、堂々とした、まるで、同じ症例を何十回と経験したベテラン療法士のようにふるまうべきです。

これは、例えば、そのアプローチの仕方に確かな自信がないのに、患者さんに「これで大丈夫です」と言う、みたいな、患者さんに嘘をつけという意味ではありません。リハビリテーションの臨床では、時に、患者さんとともに悩み、リハの進め方について患者さんと一緒に試行錯誤する態度も必要だと思っています。

大切なのは、患者さんには焦りや戸惑いを見せずに、分からないことは分からないときっちり伝えることも含めて、自分が引っ張っていくという態度をとることです。「リハビリテーションはあなたと私の二人で進めていくことであり、その方向性は私が指し示していきます」と明確に患者さんに伝えることです。

このことが患者さんに伝わると、患者さんにとって、「この人は誰よりも私のことを考えてくれており、複数の選択肢の中で必ず最善の選択をしてくれる」といった療法士への信頼に繋がるのです。
(患者さんの居ないところでは、不安と恐れを全面に出しながら、先輩にアドバイスを貰いまくり、ネットで文献を漁りまくります)

まとめると、患者さんの前では、常にリーダーシップを持って、患者さんを引っ張っていく態度をとることで、患者さんからの信頼を勝ち得て、リハの効果を最大化する、という話です。

何回見てもおもろいっす
(これいつか忘年会の余興でやりたいっす)

▽リハ専門職向けの勉強会情報サイト「みんなの勉強会」
ホームエクササイズ指導用資料集(無料)もあります!!
https://minnanobenkyokai.com/






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?