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書かなかったから、わかったこと

しばらく書くことから離れていた。

私は、副業ライター。本業は別にあり、スキマ時間と仕事終わりの時間を使って執筆している。いわゆるSEOライターであり、ランサーズでメインに仕事を請け負う「認定ランサー」である。

仕事はあまり途切れることなく、コロナ禍の間もコンスタントに書き続けていた。1ヶ月で、だいたい6万字くらいだろうか。

本業が繁忙期に入ると、受ける仕事をセーブする。いつもはそのあとペースを戻すのだが、なぜか去年は、戻す気にならなかった。

書くことから離れた理由

実力不足が身に染みて

書かなかった理由のひとつが、自分の力を思い知ったことだ。SEOだけじゃなくて、他の文章も書いてみたい。そう思って、noteを始めた。好きなことを好きなように書いて、エッセイみたいにできたら、と。

ところが、書けないのだ。書いても書いても納得いかず、ひどい文章になってしまう。書き損ないのSEOブログのような文章に...。

長い間SEOブログを書いていたから、その型が染み付いている。何を書くにしても、SEOでよく使われる型で、構成を作ってしまうのだ。エッセイ的なものを書くのに、SEOと同じ型では心情が伝わりにくい。

何度も何度も書いては消して。未完成でもいいから、公開しよう。そう思っても、自分で読んでわかりづらいものを、他人がわかるわけがない。習作にしてもひどくて、公開する気になれなかった。

エッセイの勉強もしてみたが、そうしたら今度はSEOまで書けなくなってしまった。これが、スランプというやつなんだろう。仕事もいったんストップした。

正直、かなりショックだった。まがりなりにも文章でご飯を食べていたのに、こんなに書けないもんなのか、と。どんだけ実力が足りてなかったんだ、と。

こういうとき、とにかく書きまくる人と、いったん離れるタイプの人がいる。私は離れるタイプだ。本業もあるし、すぐにお金に困ることはない。じっくり勉強し直そう。消極的な理由ではあるが、とりあえず前を向いたはずだった。

ChatGPTの登場

そこに追い討ちをかけたのが、ChatGPTの登場である。触ってみればみるほど、ライターとしての活動に疑問を持ってしまった。しれっと嘘をぶっ込んできたりもするが、それは自分自身でファクトチェックをすればいいこと。

構成を作る力、覚えてきた文章の型、すべてが不必要な感覚に陥る。「なんだ、これもう俺いらねーじゃん」なんて、本気で考えてしまった。

しかし、今後ChatGPTのプロンプト作成は、何をするにしても必須スキルとなってくるだろう。その思いだけで、いくつものプロンプトを使っては文章を作った。200個以上は作っただろうか。ファクトチェックもしたので、かなりの文章を読んだことになる。

人間だから書けることが、必ずある

200個超のAIが作った文章を読んで、ふと思った。当たり前のことなのだが「心がない」のだ。耳触りのいい言葉を並べて、もっともらしいことを言っている。ファクトチェックは必要だが、おおむね正しいことも言っている。

しかし、SEOライティングの企業案件でも、もう少し人間味がある文章が許される。読む相手を思いやる言葉を入れても、そうそう排除されることはない。ChatGPTの書く文章に、それはなかった。

なんだろう、正論パンチとでも言おうか。読んでいて、正論でボコボコにされるようなイメージなのだ。

なぜSEOライティングがシンプルな文章で、感情を排して書くのか。これは「ネットで情報を探す人は文章なんか読みたくない」からだ。「情報を知りたい」だけであって、気づかわれることなんか求めていない。

私のような古い人間には、それはあまりにも寂しすぎる。人の半分は心でできているのだ。そこに心を感じたい。企業案件が排除する「文を書いた人の感想、使った感想」を知りたいのだ。そんな人は少ないかもしれないが、いるのではないのか?

そう思ったら、また書く気力が湧いてきた。企業案件では当然許されないし、今後も生活のために企業案件は続けるだろう。しかし、心の入った文章はきっとどこかで書ける。

人間だから書けることが、伝えられることが、必ずある。

書きたいという気持ちに、素直になる

発信するという気持ちではなく、勉強のためにということでもなく。ただ、書き連ねてみようかと思う。noteはそのために使おう。ブログも開設したけど、そっちは実体験をもとに、心をこめて書こう。

ここまで考えるのに、1年以上たってしまった。もう、文章力はだいぶ落ちているだろう。また勉強のしなおしだ。でも、頭はスッキリしている。やりたくないな、という気持ちは微塵もない。

そんなこんなで、また書き始めます。白紙に近いnoteに、また書き始めます。読んでくださる方がもしいれば、心からお礼を。

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