死を想う2

小林秀守『あの世ガイド』を読んで

 日頃、死について考えていることを、ゆるゆると書いていきます。
 今回は、小林秀守『あの世ガイド』という本を読んだので、その感想を書きたいと思います。いつも通り、ただの感想なので内容には深く触れませんが、一応ネタバレ注意です。

 古本屋でうろうろしていたら、何となく目に止まったので購入したこの本。「知ればこわくなくなる すべての人が往くところ」という帯が付いていたので興味が湧いたのですが、結論から言うと、死への恐怖は減らず、どちらかと言うと少し増しました。

 著者は、瞑想によって、現世に通ずるあの世の仕組みに気付いたそうです。本の中には、著者が推測したあの世の様子が語られていますが、その考え方は仏教に近いようです。人は、現世での行いに応じて輪廻転生を繰り返していく。前世の記憶の一部が蓄積していて、現世に影響を与えているといった考え方です。

 先程、死への恐怖が少し増したと書きましたが、これは、あの世でのショックがすごいらしいことと、徳についての記述に拠ります。

 まず、あの世でのショックについて。著者は、あの世での体験として、肉体を媒介としないで何かしらの強力な影響を直に受けながら、生まれ変わる準備をするというようなことを書いています(内容が難しいので、詳細は説明できないのですが、私の受け取り方はこんな感じです)。そのショックというのが、私にとっては、あまりにも恐ろしい。

 次に、徳について。徳があの世でのショックの程度や、来世の幸福度に繋がるそうなのですが、それは、使うと減るものらしいのです。人間は生きるうえで快楽を求めるので、普通に生きている限りは減っていく。そして、徳が減ったため、次はより幸福度の少ない状態で生まれ変わるそうです。現代は、昔より物が豊かなので、徳の減り方も尋常じゃないのではないか!? というのが、私が恐怖を感じた理由です。
 最も、ずっと幸せで居たいなんて虫のいい話だなぁと思うのですが、それでも、できれば幸せでいたいのです……。

 そして、私をさらに悩ませたのが、徳の積み方が分からない問題。徳を積むのが難しいということは書かれているのですが、そもそも私には、何が善行で何が悪行かよく分かりません。良いというのは誰にとって良くて、悪いというのは誰にとって悪いのか……。

 と、ここまで色々と考えましたが、インターネットで「あの世ガイド」で検索してみたところ、色々な人が語る様々なあの世の形が出てきました。嘆いてばかりいても仕方ないので、もっと色々調べてみて、自分なりの死生観の確立に向けて頑張りたいと思います。

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