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井戸端会議の最後のあいさつ

信号待ちをしていたら、
おばちゃんおばあちゃんが
4人で井戸端会議をしていました。

「私立だったら1000万円かかるからね・・・」

という会話が聞こえてきたので、
なにやらおもしろそうだな、と思って
ちょっと耳をダンボにしてみました。

「そうよねぇ、なかなかねぇ・・・」

1人がそう言ったところで、
そろそろ行かなきゃね、
と4人は解散になったのですが、

最後のあいさつが、


「みんな、元気でね」


だったのです。


「うんうん、うんうん」
「元気で、いなきゃね」
「元気でいれたら、それだけでいいわね」

そう言葉を交わし、
軽くハイタッチをして
名残惜しそうな表情で、
長めのバイバイをして解散となりました。


これって半年前とは違う風景だなって
思いました。

これまでだったら、1度の再会は
また次の再会を疑っていなくて、

それはもうどこか
頭は次の予定に向いているくらいの
軽い「またね」、

だった気がするからです。


極端に言えば、

「次また会える保証はないよね」
「だれがいつ死ぬかも、わからないよね」

そんなニュアンスすら感じるものでした。


***


このあいさつ、
ネガティブに捉えるのではなく、
みんなが今の一瞬の大切さを思い出して
今の一瞬を大事にしはじめたんだ。

と、思うようにしたいです。

一瞬を大事にするということは、
人にやさしくできたり、
もう一歩がんばることができたりすると
思うんです。

そんな人が増えたなら、
世の中は少しずつ、どんどん良くなっていく。

そう信じた、希望のあいさつでした。

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