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なんなる21🇮🇹伊・ボローニャ滞在記第❿回の所感🇮🇹羽根と少年

第9回の所感はこちら。

大内氏の今回のイタリアからのレポートでは、フランチェスコ・カヴァッツァ盲人施設(Istituto dei ciechi Francesco Cavazza)に通う少年Cさんのエピソードで、昔、私が大学生のときに会った少年との思い出を呼び起さずにはいられなかった。私が出会ったあの少年も「聡明で笑みが絶えることのない明朗快活な少年」だったから。

ある夏の全国盲ろう者大会にて

指でふれる〜指点字〜

もう20年以上も昔の思い出であるが…(ギクッ!ね、ね、ね、年齢がばれるぅ!笑)
大学の長い夏休み、私は理容店でバイトに汗を流す傍ら、ボランティアにも参加した。そのひとつが、全国盲ろう者大会の通訳ボランティアだ。
そういえば、小型点字器を買って点字を書く練習と、指点字の練習もしたっけ。。。20数年ぶりにやってみたが、動きがぎこちなくて全然だめだ~(笑)

盲ろうといっても多様で、弱視難聴の方、全盲難聴の方、弱視全聾の方、全盲全聾の方、生まれつき目も耳もという方、最初は目が見えないだけだったけどだんだん聴力も…という方、最初は耳が聞こえないだけだだけどだんだん視力も…という方、突然両方とも、という方もいて、実に多様であった。そして、その人のコミュニケーション方法も実に多様だった。

鳥の羽根と少年

さて、通訳ボランティアでペアになったのは、小学生の男の子だった。視覚は明るさを感じる程度で、補聴器をつけても話を聞き取れなかったが、おしゃべり好きな、とてもとても明るい少年だった。少年は小さい頃からの積み重ねで手話や点字を獲得しており、いろいろなことをめっちゃ楽しんでいた。

手でさわる〜触手話〜

会場を移動するとき、道端に落ちていた鳥の羽根を拾って「鳥の羽根が道端に落ちていたよ」と少年に触手話で伝えて、渡したら、「わあ~」と、それはそれはもう歓喜の表情で鳥の羽根をたくさん、たくさん、たーくさんなでて、なでて、なでて、帰るときも大切に持ってくれた。なんか、嬉しかった。

たーくさんなでる

20年以上経った今も、少年の満面の笑顔、キラキラと輝く瞳を鮮明に思い出す。実は、その少年とは、最近になってYoutubeで‘再会’した。すっかり立派な青年になっていた。すごいなあ〜と思わず拍手を送った。

少年の動画を見て、大内氏の言うように、「高度に専門化された知識や技能」を「蓄積させてきた地域の専門機関」は必要だと思う。そのような機関があるから、「さわる絵」のような、高度なサポートを準備できる。専門家を派遣できる。

全ては、地域の友だちとつながっていることを前提に、ね。

たった二日間だったけど、道端で拾った鳥の羽根一本で、仲良くなれたのだもの。

場をわけるなんてもったいないよ。私たち大人が子どもたちから奪っているもののひとつは、この「自然な触れ合い」かもしれない。。。大内氏のこれまでのレポート(第1回~)を読み返してまた考え込む。


人はカラフルなのだ。
人の内面もまたカラフルなのだ。