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ビワのおはなし


今の季節ふっと香る甘い香り。

甘いだけではなく、その奥になんだか官能的な雰囲気の大人の香りの正体はビワの花。

わたしはビワの花の香りが大好きで、身近に見ることができる好きな香りのお花の中ではトップ3に入るくらいです。

ビワの花は見た目は地味なのですが、その見た目と香りのギャップが何とも言えず素敵です。

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咲く花が限られてくる真冬に咲くビワは、果樹の中では最も遅く花をつける樹木のうちの一つです。

寒い中でも花をつける植物は、花蜜を食糧にしている虫や鳥の命を支えています。またそれは、植物にとっては他に花が咲いていない時期に咲くことで虫や鳥に集中して来てもらい、受粉の確立を上げ、次世代に命を繋げるための戦略ともいえます。

ビワが素晴らしい香りをしているのには理由があるのです。その香りに私も誘われているのですが、私を誘ってもビワにとってのメリットは特にありませんね(笑)

ビワの一つ一つのお花は小さく、その色も強い主張はないのですが、顔を近づけてじっと見てみるとなかなかに美しい姿をしています。

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それもそのはず、ビワはバラ科の植物です。バラ科の特徴である5枚の花弁の内側には、長い花糸の先にたっぷりと花粉をつけた雄蕊を見ることができます。

ビワは実がおいしく、花も美しく素晴らしい香りがするだけではなく、葉には薬効があります。

葉を煎じて飲むことで咳、胃炎、悪心、嘔吐に効くと言われ、煎じたものをお風呂に入れるとあせも、湿疹に効くともいわれています。

また、葉をアルコールに漬けたチンキは塗ったり湿布をすることで各種腫物に効くと言われ、薄めたものは保湿効果のある化粧水になります。

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私もお庭のビワのチンキから作った化粧水を使っています。

このように人にとって大変役に立ってくれるビワですが、ぜひそのお花を観察したり、香りも嗅いでみてくださいね。

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