見出し画像

24歳、フリーランス、お年玉をもらいました。

フリーランスになってから約半年。親の扶養を出ることもまだできていないお正月。学生の頃ならお年玉を期待できたけど、今は無理だなと残念に思っていた。

もらえるわけがないと諦めていた。諦めて当然だろうし、もらえるという期待はしていなかった。いや、嘘だ。わずかでも、もらえたらいいなあという期待は、あった。そりゃそうだ。もらえるなら誰だって欲しい。だから100万円プレゼント企画は盛り上がるし、次々捏造アカウントも出てきたりする。

弟がお年玉をもらっているのを、眺めていた。未成年であるというだけで収入が入っていいなあ、とか思っていた。

だが、祖父の手には2つポチ袋があった。そう、祖父は私の分も準備してくれていたのだ。

私は戸惑いながらもお礼を言って受け取った。今の稼ぎでは経済的自立が遠い身。収入は何でも嬉しかった。

祖父にはフリーランスになったことは言っていない。フリーランスという働き方を、祖父母世代に理解してもらえるとは思わなかったからだ。両親にさえ、社会保険がどうのと小言を言われているのだ。在宅での仕事を、両親はいつまでも"働いている"とは見てくれない。

両親ですらこうなので、祖父母には家で仕事なんて言った日にはどうなってしまうかわからない。説明が面倒なことは間違いない。

だから、フリーランスになったことも、収入がゼロではないことも、言わずに正月を迎えた。

結果、体調を崩して休んでいる収入のない孫に見えたんだと思う。年明けから外で働くけど。

そんなわけで、24歳、フリーランス、お年玉をもらいました。

もう大人なのにとか、もらう側でいけないとか、そんなことは何一つ思い浮かばなかった。あ、もらえるんだ、ありがとうという気持ちだった。

いくつになってもお年玉をもらえたら嬉しい。

執筆のための資料代にさせていただきます。