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「うるさい、私の稼いだ金だ」って言いたい。

小さい頃から、「誰が稼いでると思ってるんだ」と言われて育ってきた。親の言うことを聞かねばならないのは全部”稼いでもらってる”から。親の収入に依存しなくなったら、親としての権威なんか、何もなくなる。そのことに賢い私は気づいていた。

他の家庭、特に一般的な愛情あふれる家庭がどうかは知らないけれど、私の育った家は、お金を稼いでいるから尊ばれ、稼いでいないから言うことを聞かされる場所だ。歪んでいる。そのことは百も承知だ。

でも、だからこそ、私は「私の稼いだ金だ」って黙らせたい。

稼いでいるから親が偉くて強くて権力者で、稼いでいないから子どもは隷属するしかないのなら、その家庭に希望はない。勿論、円満などという言葉からは程遠い。

子どもが稼げるはずもないのだから。

稼いでいることを理由に言うことを聞かせてきたつけは、今私の実家にやってきつつある。

この前のnoteにも書いた、実家がとある一家と絶縁した遠因はそこにあると思っている。稼いでいるから王様だった親も、子どもが自立して稼げるようになれば、王のままではいられない。そういう風に育ててきて、稼いでやっているから従えと言ってきたのだから、稼ぐようになった子どもとは対等であるはずだ。そこに、親の権威なんか持ちこめない。

これが一般的に間違っているのはわかっている。毒親育ちの歪んだ思考の一例だろう。けれど、私達にしてみれば、”稼いでもらっている”から隷属してきたのだから、自分が稼げるようになったら、親の権威は当然失墜するものなのだ。そうでなくては筋が通らない。

そのことを私は頭で理解していて、絶縁した身内は肌感覚で理解していたのだと思う。だからそうなったんだろう。

いつの頃からか、「稼げるようになったらゴミクズのように捨ててやるからな」と思いながら、聞こえないように毒づきながら、親の言うことを聞いていた。

毒親育ちの私が間違いなく言えることは、”稼いで養っているから偉いのなら自分で稼げるようになったらその言葉に耳を貸す必要はないってことだよね”ということだ。つまり自立したら毒親なんてゴミのように捨てていい。その論理的根拠を、毒親は自ら積み上げてきているのだから。

そして、今の私は、療養中で親に養われている。気分は養分搾り取って、回復したらポイ捨てしてやるぜ、という感じ。こういうことを書くと非難されそうだけど、そんなことよりも、世の毒親育ちに、毒親は自分で将来捨てられてもいいって言っているんだよと伝えたくてこのnoteを書いた。

子どもは生まれた時点で親からこの世に生み出されるという暴力の被害を受けているのだから、生きているだけで尊ばれるべきだ。

親を尊敬しなければならない理由ではなく、自主的に尊敬する理由がある人は、それもそれでいい。

ところで、私の親は、私に向かって「家を出て行くことが親孝行だ」なんて言ったその口で、「食事も作れないのに一人暮らしなんて無理だ」と言うんだけど、こういうのをダブルバインドって言うよ。覚えておこうね。コンビニ食で生きていくし、健康を害して早死にしてもあなた達には関係ないんだよなと思って聞いている。早く出て行きたい。

執筆のための資料代にさせていただきます。